第8話 決行前日
次の日からちゃんと登校し、なんとか莉音と茶楽雄とも不自然にならないように会話をした。出来てると思う……そして金曜日、
「明日はいつものように羅怜央の部屋で良いんだよな?」
「……ああ、親も両方とも仕事だから」
「また来週もラーくんに奢ってもらえるんだねぇ」
「いよなちゃん……許してあげて?」
今週末もウチに集まって遊ぶ事が決まった、その時に俺といよなが数時間抜け出す。その間にこいつらがおっ始める、そこに乗り込んで糾弾からの絶縁!……って上手くいくか?まあ駄目ならいよなの動画で糾弾だな。一気にショボくなったけど体裁は整うだろう。
どう転んでも明日で決着だな……幼馴染みとしては9年、恋人としては3年か。そうか人生の半分以上をこいつらと過ごしてきたのか……でもそれも明日で終わる。
「羅怜央くん体調はもう大丈夫?」
「……大丈夫、大丈夫」
「ラーくん何気に虚弱体質だもんねぇ」
「体質はしゃーねぇよ、いよなもあまり言ってやるな」
「は〜い」
会話が続けられない俺をいよなが上手くフォローしてくれている。
校門を抜け下駄箱で上履きに履き替える。ここで俺といよな、莉音と茶楽雄に別れる。以前まで莉音を茶楽雄に取られるみたいで(まあ実際取られていたんだが)この瞬間が嫌いだったが今はホッと安堵出来てしまう。
「いよな、サンキューな助かった」
「良いよぉ見ててあたしも辛いもん」
何とか一週間乗り切った。登校時、昼食時、放課後といよなさんには大変お世話になりました。
「いよいよ明日なわけだけどぉ、ラーくん大丈夫?」
「大丈夫この1週間で痛感した、俺達はもう無理だ迷いはない……それでだ、当日俺たちが部屋から出た後どうやって監視する?」
「じゃじゃーん!そこでこのアプリですよ羅怜央さん!」
いよながスマホを取り出し突きつける、
「普通にホーム画面(待受け俺、なんでだよ!)なんすけど?」
「まあまあ、私に電話してみてくださいよ羅怜央さん」
言われるままにいよなに電話する……
「繋がったな?それでどうなってるんだってばよ?」
いよながいまだに突き出してるスマホを見るも変わらずホーム画面のまま、ん?
「電話繋がってるのにホーム画面のまま?」
「実際は普通に通話中もホーム画面に戻れるんだけど、通話中のアイコンが出たりでバレやすいの。でもこのアプリならアイコンとかも出ないからばれないよぉ。これで通話中にしてラーくんの部屋に置き忘れておけばいいんじゃない?それで私の部屋から監視する!」
「お前天才か?」
「褒めて褒めてもっと褒めてぇ!褒められるの好きぃ」
こんな事を思いつくなんて、いよな恐ろしい子……
「これは家に帰ってテストしなきゃな……」
「そだね〜、上手くいくといいね。でも結果がどうなってもあたしはずっと一緒に居るよ?」
さすが生まれた時からのお隣さん心強い言葉だな。実際こいつが居なかったら今回の件で心が壊れていたんじゃないかと思う。
火曜日に莉音特製弁当は固辞したので、茶楽雄の分も込みで2人分の昼食代を出さなければならないためお財布が凍えちゃう……いよなも遠慮なく奢られやがったから今月マジピンチ。
授業が終わって放課後さっさと帰宅する。これは前もって莉音達にも伝えてあったので怪しまれることはない。今からいよなとスマホのテストを行う、色々と試さないといけないからな。
「今からテストを執り行う」
「らじゃー」
「まずスマホを置く場所はいつもの場所で試すぞ?」
「は〜い」
テストを重ねた結果、ウチに来たときいつも置いてるところだと若干音を拾い難い事が判明。なので充電のUSBを音の拾いやすいところに置いてそこで充電中のためスマホを忘れたという設定でいくことにした。設定大事!超大事!!
これで諸々準備完了、明日の本番を待つのみ……
◇◆◇◆
お読みいただきありがとうございます。
設定大事!これあとでテストに出ます。
準備って地味ですよね……
次回も読んでいただけると嬉しいです。
宣伝します!
サレ妻の復讐譚(笑)です!
コンテスト出品作品ですので応援していただけると嬉しいです。
https://kakuyomu.jp/works/16817330665273163974
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます