第56話 俺、本当は必要無いんじゃない?
フリージアの話ではリダやミルカも追いかけて来る可能性があると言う事だった。
「どうして、そうなると思うんだ」
「だって、リヒトって良いお嫁さんになると思うのよ!」
「お嫁さん?なんで俺が?」
「いや、私もリダもミルカも見た目や性格は兎も角、中身は男に近いわ…性別じゃ無くて、う~ん、なんと言えば良いのかな? ほら、皆、専門職だしズボラじゃない?だから、世話をしてくれる人が多分必要なのよ!」
「何を言い出すんだか…」
「本当よ!私は聖女だから回復師としては一流だし、リダは剣士として一流、ミルカはそうね学者になる可能性が高い…収入や稼ぎなら普通の男なんかに負けない位稼げるわ!だから、養ってくれる大黒柱じゃなく、生活を支えてくれる、妻の様な存在が、必要なのよ」
そう言われてしまえば…その通りなのかも知れない。
三人とも家事は壊滅的だし、自分が主人公になりたいタイプだからな。
「確かにそうなのかも知れない!だけど俺は主夫になんてならないよ…」
「解っているわ!リヒトはもっと、たちが悪いわ!」
「俺がたちが悪い?」
「だって『お金を稼ぐ大黒柱』も『家事をする主夫』両方1人でやってしまうんだから…正直、凄く居心地が良いわ」
「その割には感謝された記憶は無いけど!」
「あの頃は子供だったのよ…今なら解るわ…ありがとう…」
「どう致しまして」
変われば変わるものだな。
まさか、フリージアに感謝される日が来るとは思わなかったな。
此処迄は良い…だが…
「本当にリダやミルカも追いかけてくる可能性が高いのかな、幾らなんでも全員は無いんじゃないのか? 言い方は悪いがカイトのハーレムパーティだったんだから、俺なんかよりカイトを選ぶ可能性が高いだろう? それこそ魔王討伐を止めたなら、冒険者にでもなって…メイドや家政婦を雇えば済むじゃ無いか?」
あれっ?
よく考えたら『此奴らにとって俺は必要ない筈だ』
「それはそうだけど…」
そうだよ!魔王討伐の旅から逃れた時点で…俺必要無いじゃん?
「よく考えたら、もう魔王討伐の旅は終わったんだから俺は必要ないよな? 『元々は過酷な旅について行ける』そこが大きな振るいだったんだ! 戦わない日常ならメイドを雇えばそれで良い…よく考えたらフリージアだってこれから先はヒーラーで生活するなら、俺はもう必要ないよな?」
「ですが…」
「そうだ、少し、フリージアは幼馴染だから…」
「だから…?」
「美少年の家事奴隷、俺が買ってやる…ぶはっ…痛い…」
「リヒトの馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁーーー!」
「だから、痛い、痛いって…」
「叩かれるような事するリヒトがいけないのよーーー」
「痛いな、俺はフリージアが困らない様に…美少年の奴隷を…」
「まだ言うの?」
「すみません…」
本当に訳が解らない
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