第50話 勇者SIDE 黒羽の翼 解散 ※この後大きく変わります。

もう終わりだ…


フリージアが俺の元を去った。


小賢しい事に、俺のサインの入った離隊届けを各所に提出したそうだ。


教会あてには


『勇者カイトでは魔王に勝てないので、私は救世の旅の道を選びます』


そういう理由書まで提出されていた。


これで実質俺の旅は終わってしまった。


幾ら俺が自惚れ屋でも…聖女抜きで魔王に勝てるとは思えない。


いや、それ処か幹部にも勝てず、下手したら魔国の中ですら戦えない…


最大の回復術の使い手を失った俺達は…最早、ただ強いだけの人間に過ぎない。


だから、もう、俺にはこうする事しか出来なかった。


「黒羽の翼は本日をもって解散する…今迄悪かったな! 解散届けは出して置くから…もう自由にして良いよ…これ退職金だ少ないけど持っていってくれ」


「あのさあ、勇者パーティの解散って大丈夫なの?」


「後で問題になるんじゃ…」


「リヒトがくれた資料に書いてあったんだ…もし勝てないようなら『解散』して暮せってな『廃棄勇者』って制度があって二度と勇者を名乗れないが、王国で騎士爵を貰って生涯、王と国へ忠誠を誓って暮す生活だそうだ…お前達のもあるぞ…」


「本当だ、剣聖の場合はその相手が帝国なんだ…なるほどね」


「賢者はアカデミー職員か…なるほどね」


「それぞれの相手に『魔王討伐も出来ない実力しかありませんでした』そう宣言しなくちゃならない…かなり屈辱だけど、俺は受け入れようと思う...二人はどうする?」


「それじゃ、もう会えないね」


「そうだね…皆が別々の国で暮すんだから…」


「勇者パーティから落ちぶれた…そう考えるんじゃなく…只の村人が騎士やアカデミーに就職できた。そう考えたら大出世だろう?」


「そうだな」


「そうね…」


「リヒトはきっとフリージアを本気で襲ったんじゃない…今ならそう思うんだ…きっと、俺達じゃ魔王に勝てない…だから多分逃げたのだと思う。そしてそれは正しい。彼奴の手の平で転がされているようで癪だが…俺達の生き方まで考えてくれていた…そう考えて俺はこれに乗る事にした。二人には強制しないけどね。此処からは好きに生きよう」


「解ったよ」


「そうね…」


こうして、勇者パーティ黒羽の翼はこの世から消えた。


◆◆◆


※此処からは大きく前に書いていた作品と変わっていきます。


どう変わるかは...実はまだプロットの状態です。


少し更新がゆっくりになると思います。

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