第26話 カルミーに何が起きたのか?【残酷な描写大幅書き換え】

「カルミーが起きたわよ」


ルミナスさんに起こされた。


体的には問題が無い状態だが、やはりメンタルが気になるので、俺が傍でついている、つもりだったが、ルミナスさんの『最初に顔を合わすのは女の方が良いわよ』という言葉に甘えさせて貰った。


こういう行動、しぐさ一つでもルミナスさんの人の良さが良く解る。


多分、カイト達なら『任せた』もしくは『あんたが勝手に連れてきたんでしょう』と手を貸してくれない。


もしくは『臭いから捨てて置け』そういう風に言うに違いない。


「どうしたの?私を見つめて」


「いや、いつ見ても素敵だな…そう思って」


「馬鹿な事言わないで…ほら行きなさいよ!」


耳まで赤くしたルミナスさんにお尻を叩かれ、カルミーさんの部屋へ向かった。


◆◆◆


今、この部屋には俺とカルミーさんしか居ない。


どう、話そうか考えていると…


「リヒト、助けてくれてあんがとね! いやぁ~私としたがドジを踏んで死にかけていたわ…あははっ、リヒトは命の恩人だわ…感謝、感激…あれあられだわ…」


何時もの笑顔で話しかけてくれる。


一瞬、この世界にも『あられ』あるんだと馬鹿な事を考えていた。


だけど…強いな。


どう考えても俺の想像を超える地獄を味わった筈なのに笑顔で話せるなんて…


そんな事あるかよ…良く見たら体が小刻みに震えているじゃないか。


カルミーさんは最初の一言はどうにかして振り絞って言ったんだろう、その後は黙っている。


「話…聞きたいよね…」


顔が青く悲しそうだ。


「いや、落ち着いたらで良いよ、それに嫌なら無理して話す必要はない」


「いや、これはリヒトも関わる話だから、話すよ…簡単に言えば、仲間に裏切られ、盗賊に暴力の捌け口にされた挙句…オークの巣に捨てられて苗床になっていたこんな感じだよ…いやぁ本当に馬鹿みたいな話さぁ~」


カルミーさんは最初にそう言うと…悲しい目をしながらポツリ、ポツリと話し始めた。


カルミーさんとケビンさんは冒険者ギルドを通して、エルガー村からの盗賊討伐の依頼を受けた、臨時のパーティの討伐に加わる事になったのだそうだ。


パーティのメンバーは寄せ集めとは言え50名、普通なら盗賊に遅れをとる事は無い充分な人数だった。


だが、今回は話が違った…村は既に盗賊団に屈した後で村人全員が既に盗賊となっていた。


それに気がつかず、村に着くなり騙しうちの様に、盗賊、村人全員から攻撃を食らったそうだ。


勿論、冒険者だからカルミーさん達も応戦した。


だが、多勢に無勢、数の暴力に負けて殆どの冒険者は死ぬか捕らえられた状態になった。


その戦いで、カルミーさんは元傭兵で戦闘力が高いから活躍し敵を数人倒したそうだ…


それが良く無かった。


盗賊団からしたら、自分の仲間を沢山殺した憎い相手...しかも運が良いのか悪いのか殺した中にはリーダーの弟が居た。



「よくも、弟を仲間を殺してくれたな、地獄を味わせてやる」


今回のパーティメンバーに女性が1人しか居なかった事…そしてなまじっか強くカルミーさんが活躍した事がさらに悲劇をもたらした。


弟を殺された盗賊のリーダーの怒りは凄まじく、降伏した冒険者達の前でカルミーさんへの暴力が始まった。


沢山の男により、カルミーさんは裸に剥かれて投げ出された。


「何だ、冒険者って言ってもただの女じゃないか?しかもババアだぜ! ババアだ!こんなババアじゃ犯したくもねーなんだこれ...いい晒し物だな」


「止めろ、殺してやる...絶対に赦さないからな!」


「...」



「裸の女に何が出来るんだ? そうだ、生き残りの冒険者を連れて来い」


「へい」


生き残った冒険者たち25人が連れて来られた。


その中には夫のケビンさんも居たそうだ。


「おい、お前等...俺たちの前でこのババアをいたぶって見せろ」


「そんな事できるか...」


「死んでも出来ない」



「そうか、そうか、お前達は死にたいらしいな…まぁ良いや、女1人ーいたぶれねーなら、仲間には出来ねーよ…仕方ない殺すか!」


25人のうち3人の冒険者が目の前に連れて来られ、剣を首にあてられていた。


「た、助けて…命だけは…お願いです」


「お願いします。助けて下さい」


「死にたく無いよ…嫌だ」


3人のうち1人の冒険者が、見せしめの為に目の前で殺された。


「命令に逆らったんだ仕方ねーよな、チャンスはやっただろうが…」


「止めてくれ、解ったから、解ったから」


「死にたくない…殺さないでくれーーっ」


「だったら解ってるだろう! 良いか甘い事言ってるんじゃねーよ!チャンスはやった二度は無い」


冒険者のうちリーダーだった男が一番最初に殴りかかってきた。


「うぐっ、うげぇぇぇーー何するのよーー」



それを皮切りに生き残った残り23人がカルミーさんに襲い掛かり暴力を振るってきた。



冒険者や村人を見てカルミーさんは絶望したそうだ。


何処にも味方は居ない…そう感じたそうだ。


「仕方ない、仕方ないんだ」


「許してくれ…死にたくない、死にたくないんだ…」



そう言いながら、今迄仲間だった男達からカルミーさんは暴力を振るわれ続けた。


口では謝っているが実際は獣だった。


『自分の命を守る為』


ただ、無抵抗な女に暴力を振るうだけで命が助かる。


公然と暴力を振るって良い理由が出来た。


『炎帝のカルミー』という有名な女冒険者を自由に壊せる。


その事に快感を覚えたのかも知れない。


だから次々と獣の様に男たちはカルミーさんに暴力を振るい続けた。


途中からは、家畜のように扱われ...罵倒されたそうだ。


「此奴ババアの癖に泣いているよ、あー~本当にブサイクだ、鼻血だして気持ち悪い」


気にくわないと暴力を振るわれ...


「なんだ此奴...なに偉そうにしているだよ...


「痛い、なんで顔まで殴るんだよ…痛いっ…動けない女を殴るなんて最低だぞ..ぐはっ…いやだ顔は、顔は殴らないでーー」


「なんだ、その目は、あ~あムカつくわ、そんな目で見たらよ、歯を叩き折るからな、俺はまだ死にたく無いんだ仕方ないだろう」


「痛い、痛い、いやぁぁぁぁぁーーーっ」


「ちょっと殴ったら鼻血垂らして、豚みたいだ、何が炎帝だ、此奴ババアだけじゃなくて顔までブサイクになったぜ、キモッ」


「痛い、痛いのあああああっ嫌ぁぁぁぁ」


「おら、おら、まだ終わらねーぞ」


「嫌だーーっ、痛いのはもう嫌ぁぁぁぁぁぁーーーーー」




「ケビン、助けていやぁぁぁぁっ」


「馬鹿だな、あの状態のケビンが助けるわけねーだろうが」


嘘でしょう、何でケビン…並んでいるのよ…


「もう良いよ…好きにすれば良いさぁ…クズ」


カルミーさんは絶望したそうだ。


「なんだカルミー偉そうに…俺達だって本当はお前みたいなババア殴りたくねーよ…死にたくねーから、遊んでいるだけだってーの」


「オークみたいな胸にケツしやがって…本当に豚みたいだ...裸なのに気持ち悪くて犯す気にもならねー」


「カルミーさん、いやカルミー女捨てるっしょ…腋毛も下の毛もボ-ボー、女なら手入れ位しろよ…こんなの見ているだけでキモッ…誰かこの豚女抱きたい奴いる...いねーよな...正直きもくて殴るのも嫌だもん...オークの雌いたぶっている方がマシだ」


「…」


「なんだ、その目…ムカつくな…お前なんか元から嫌いだったんだよババア…おらよ...」


「うがっ...うげぇぇぇぇぇーーーっ」


「何だ、此奴キモ、吐きやがった、ブーツが汚れたじゃないか、ババア...汚ねーんだよ」


女としての尊厳を貶められ、暴言を吐かれ、殴られ続けたカルミーさんは直ぐに無抵抗になった...


凄まじい暴力を振るわれ顔がすぐに腫れあがり、醜くなった為女としてみられなかった為、犯されなかった事が唯一の救いだったのかも知れない。


「も.う.や.めて...いううとおおりしまうから、な.ぐらないで、さ.か.ら.ふ.ま.へん」


24人の冒険者に村人や盗賊が加わりカルミーさんをおもちゃにして暴力を振るった人数は優に200人を越えていたらしい。


200人に代わる代わるおもちゃの様に扱われ、暴力を振るわれていた、カルミーさんはもう抵抗する事も完全に諦めてしまったそうだ。


自分に暴言を吐き暴力を振るう人間に夫ケビンが居たからかも知れない。


顔は毎日のように遊び半分で殴られ、倍位に何時も腫れていた。


顔中切り傷だらけで、その傷は真面に手当てがされないから膿んでいたそうだ。


絶えず暴力を振るわれていて、体が動かなくなり、排泄物も垂れ流し状態。


体中が痣だらけで最早痣が無い場所は何処にも無い...



「このババア、こうなったらただのゴミだな...スゲー汚いし、もうこれ誰も胡散晴らしでも使いたいとも思わねーだろう、すげー臭いし」


盗賊のリーダーがそう言うと、冒険者達も盗賊も村人たちも厭らしい笑みで笑った。


冒険者の人間の目にもあれよりはまし...そういう馬鹿にした目が多く見られたそうだ。


「こんなゴミみたいな女でも二つ名がある冒険者だ。この先逃げられると面倒だ、そうならない様に手足を1本ずつ腱ごと引き千切っておけ」


「斬るのではなく…引き千切るのですか?」


「ああっ、弟を殺したんだ…楽にはしねー…引き千切った方がより苦しいんだよ…やれ、やらないと殺すぞ」


「解ったよ…」


「いややあああっ、いやあああああ、たしゅけて...もうさかるない。さからうないからーーーーっ」


「あはははっ何言っているのか解らないな…しかしなんでこんな豚みたいな女を俺は妻にしていたんだ…恥ずかしいな」


そう言いながらケビンはカルミーさんの左手を数人で千切った。


「ぎゃぁぁぁぁぁっぁーーーーーーっ、手、わうたしのてーーーっおうして。かうして」


「うん? 返してやるから受取れ」


「あああああああう、あああああ」


右手一本で簡単に受け取れるわけが無い、千切られた左手は胸にあたり地面におちた。


「うわたしのうでぇええええええええっうで」


座り込み必死に腕を抱え込もうとしていたカルミーさんの右足に今度は6人の男が手を伸ばした。


「いやや、いやああああっ、なうでもするよ、ほんとうになんでもすうから、いやぁぁぁぁ」


「今更遅いんだよ…女だてらに冒険者なんかして人を殺すからこうなるんだ…」


「ぎやぁぁぁぁぁぁぁっいたうい、痛い、たふけて」


無惨にも右足も膝から下が引きちぎられた。


「あはははっ、このババア気絶してやんの、良い玩具が出来たな、腕と足にポーション振りかけておけよ、死なすんじゃねーぞ、弟の仇だまだまだ、楽にすんなよ」


「わかりやした」


「それが終わったら、そうだ見せしめに便所の横に鎖でつないで置け」


「だけど、こんなババアを便所の横に...」



「惨めだよな、普通はそんな場所で繋がれたら、誰かしら使う奴がいる...だが、此奴はそんな場所に居るのに誰もが相手にしない」


「俺は穴さえあれば...なんて思った事もあるけど、これな無いわ...臭くて触る気も起きねー」


「俺も嫌だな汚ねーからな....まぁ俺たちは村の女を抱けばいいさぁ、これをあくまで見せしめだ、おもちゃにする為のな、弟の仇で『家畜以下のおもちゃ』だから犯さずに顔面を殴ったんだ、これを見たら誰も逆らわないだろうからな」


「あはははっ、元から犯す気も無かったそう言う事ですか? 確かにこんな潰れかかった顔に汚い体誰も相手なんてしたく無いな、うん違いない」


こうしてカルミーさんは、便所の横に繋がれた。


「いやぁ...いやぁ....」


「うるせーな、汚ねーんだよ...便所よりくせ―、誰も汚ねーから触らねーよ」


「...」


「はぁ~溜まっているけど、これはバッチくて抱きたくねーな」


「これ、どうするんだ」


「欲しい奴にやる、なんてリーダー言っているけど、こんなの誰も要らねーだろう」


「ただでさえ、BBAなのに、顔も体もこれ...キモ」


「…見たくもねーのに便所に来るとこれが居るんだぜ...はぁ、小便がでなくなるわ~」


「なんだ、その目はよお…俺だって真面な女なら使いたいんだよ…豚みたいで使いたくねーーそうだ、豚みたいで使えなくてゴメンなさい...そう言えよ」


「豚みたい...使えない…ごめん…なさい」


周りには敵しか居ない。


カルミーさんは生きる為にこんな生活を受け入れるしかなかった。


「ほらよ、今日の飯だ」


「有難うございます」


まるで豚のエサの様な残飯が日に1度でる。


それも偶に悪戯で尿や糞が入っている事もある。


だが、それでも生きる為に彼女カルミーさんはそれを食べて続けた。



娯楽が無いからからか手足が無いこんな状態であっても偶に殴って憂さを晴らす物は居た。


裸で繋がれた家畜みたいな女が居る。


新しく盗賊に入った物は使おうと思い来るが...見た瞬間に腹を立て、罵倒と暴力を振るった。


沢山の人間に長い時間の暴力のされされたせいで体のラインは崩れ、衰弱のせいか体が真面に動かなくなる頃、流石に飽きがきたようだ。


「此処まで気持ち悪くなったらもう要らねーな」


だれかがそう言いだすと...壊して良いと思われたのか、更なる暴力の捌け口のオモチャとして使われ始めた。



「いやぁぁ熱い、熱いやめて、やめて」


「何だ火であぶれば、少しは真面な反応するんだな」


「いやぁぁぁ熱い、熱いよーーーっ、何でーーー私悪い事してないよ」


「いや、最近リーダーに怒られて無茶苦茶腹が立つからサンドバックになってね」


「グローブつけるのか? それなら直接触れないから良いな、俺も混ぜてくれ」


「良いぜ」


「私...のせいじゃない...いやぁぁぁぁぁーーーー」


「関係ないな」


「うぐっげほうげええええええっ」


「汚いゲロしやがって、ちゃんとかたずけろよ」


「どうやうて」


「食べれば良いじゃん?」


「ううううぅ」


カルミーさんは苦痛から逃れるために女神に祈った。

だが、その願いは届かない。


「助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて」


暇さえあればカルミーさんは叫んだ。


そして、ついに…


「殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して」


カルミーさんは生きるのを諦めた。


「なぁ誰か、この女使いたい奴いる…居ねーよな」


「要らねー」


「この女が居るから気持ち悪くて…誰も此処使わなくなっていますから」


「それじゃ…オークの巣の近くに捨ててきますか…」


「そうだな」


最悪な事にそのままカルミーさんはオークの巣の近くに捨てられらた。


その後はオークの巣穴に運ばれ、そのまま苗床にされていたそうだ。


運よく、オークの巣を何者かが襲撃した時に命からがら逃げて…気が付いたら…スラムに流れ着いて…そのまま住みついて、生活をしていて、そのまま孤独死する寸前だった…


そういうことらしい。


◆◆◆


「まぁ、こんな感じだよ…あははっ!私ただでさえ良い齢した女なのに終わっているよね…」


「そんな事…」


「あるよ…私凄く汚かったでしょう? オークの巣から逃げたあと、そのまま生活していたからね…スラムの人間すら顔を背ける位だったから…」


無一文で生活していたから…風呂にも入ってなかったのか…


これ以上話させるのは酷だよな。


「それで、なんで話してくれたんですか」


今も笑いながら話しているが、体は震えているし、目には涙が浮かんでいる。


「これは…冒険者としての…グスッ…義務だからね…私みたいな助けられ方をした場合…私の所有の権利は…グスッ…リヒトにあるから…こんなゴミみたいな女要らないと思うけど…うぇぐすうぇぇぇぇ…伝えないと…ね」


そうか、苗床や行き倒れた冒険者を助けた場合『助けた者の物に出来る』から説明したのか。


「そう…解ったよ。取り敢えず、今は何もかも忘れて休んだ方が良いよ…夕飯が出来たら起こしに来るから」


「ありがとう…」


「どう致しまして」


俺がドアを閉め出て行くと 泣き声が聞こえてきた。


どうして良いか…俺は解らなくなった。




※性的描写を残酷な描写に書き換えました








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