概要
魔導士たちは、火の魔法で暖を取り、水の魔法で水を確保し、風の魔法で結界をはりめぐらせて、不毛の地に魔導国家エミリアを繁栄させてきた。
ヴェルラクシェは火の魔導士の家系に生まれ、親兄弟と同様、国を支える魔導士になることを目指していた。
しかしいつの日からか、魔法の発動が安定しなくなり、魔導士試験に落第をくりかえすようになる。
今日は、魔導士になれる最後のチャンス。悲壮な覚悟で試験に挑むヴェルラクシェだが……。
【嫁入りからのセカンドライフコンテスト最終選考作品】
嫁ぎ先は「詐欺師」と噂の成り上がり貴族。
口が悪くて、無作法で、全然紳士的じゃない!
真面目で努力家で案外図太いヴェルラクシェと、口八丁のペテン師ジオ。
ふたりが「すりあわせて」いく夫婦の形の物語。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!ねがい、かなう。
よき家にうまれ、ゆたかな才能をもち、将来を嘱望され。
とんとんと、輝く階段をのぼってゆき。
そのさきにあった、王妃の座。
でも。
ヴェルラクシェは、ことほぎの子。
大きいが故に、ふつうの方法では接することができないほどのちからを持って。方法は、彼女にも、名家であるおうちのだれにも、わからなかった。みつけることが、できなかった。だから、道は、遠ざかった。
だれも、彼女の能力を、信じなかった。
ただひとり。
詐欺師とよばれる、ひとりのおとこを除いては。
ヴェルラクシェの願いは、ひとびとに日々のあたたかさをもたらすこと。
ヴェルラクシェの願いは、世界に、わたしがいたんだという軌跡を残すこ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!違う二人だから、一緒に生きれば新しい世界が見える。
魔導士試験に落第したヴェルラクシェは、追い出される形で「詐欺師」の元へと嫁がされる。しかしそれは、彼女が新たな人生を歩み出す、ターニングポイントとなるのだった。
真面目で頑張り屋なヴェルラクシェと、いつも余裕でからかうような言動をとるジオ。この二人の掛け合い、距離の縮まっていく様子が極上です! 時にコミカルに、時に甘く、色っぽさやギャップも織りまぜながらのやり取りに、様々な方向からガッチリ心を掴まれてしまいます! 二人の間に確かな愛情と尊敬が感じられるのも素敵です。
また、ハイファンタジーならではの、その世界独自の文化や風土などがしっかりと描かれています。習わし、国のシステム、伝承……。詰…続きを読む - ★★★ Excellent!!!奥様の魔法はお天気次第!
極寒の土地、魔導国家エミリアでは、魔法の力なくしてはまともに生活していくことができない。
火の魔導爵家に生まれたヴェルラクシェは、三属性の魔法を扱える優秀な娘だったが、ある時からうまく魔法を発動できなくなってしまう。
魔導士の試験に落第してしまった彼女は、王子との婚約を破棄され、かわりに外国出身の一代貴族、パトラス恩爵のもとへ嫁がされる。
だが、この出会いこそがヴェルラクシェの運命を好転させることとなった――
世界観が、すごくすごく良いです!
オリジナルの世界観なのに、わかりやすい。
ワクワクするファンタジー要素が満載なのです。
素直で頑張り屋さんのヴェルラクシェと、スパッとはっきりした…続きを読む