紡ぎ深まる夫婦の形、その名は特別な貴方に。

魔法が使えない貴族は後ろ指を差され、
そして夢見た魔道士には、決してなれない。

火の家系に生まれ落ちたヴェルラクシェは魔道士になるべく血の滲むような努力を重ねるが、いつの日か魔法の発動すら出来なくなり、最後の魔道士試験も落第した。
そして母に追い出される形で詐欺師と呼ばれる恩爵、パトラスの元へと嫁いでいく。そんな彼との生活は驚愕と擦り合せの毎日で─────。

この作品はパトラスとヴェルラクシェの夫婦を中心に、魔導国家エミリアの政治的背景や結婚披露宴までの話がとても美しく、そして明瞭に描写されています。

また、恋愛物として特筆すべきは「初夜の儀」なるものでしょう。ディープな内容と思いきや、この主人公が中々に純情で堪りませんね。そして話数を重ねての夫婦の口上と渾名………最高です。

設定も新しく王道を行く純愛。
恋愛物を書く人も読む人も、これに触れて欲しい。
そしてこの夫婦の未来を皆で応援しましょう。

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