第7話 生き写しバトル

「誰かに……いや、大勢の人に刺さりたい」

 

 そのためには、少しばかり尖った方がいいだろう。

それで、どんどんエスカレートしていった。

時にアンチに応戦してバトルになったけど、炎上したもん勝ちとばかりに燃料を投下。

尖りに尖って、言葉の刃は研ぎ澄まされていって……


 もちろん、個人情報につながるような投稿をするほど間抜けじゃない。

……なのに、特定班によって顔写真が晒された。

なぜだ。

 

「生き写しだったのが運の尽きだな」


 バトルをしかけてきた奴を開示請求して驚いた。

顔が似ていると、思考回路も似てくるのかな。

無実の奴に罪を押し付けるのは気が引けるけど、誹謗中傷していたんだから天罰が下っても自業自得だよな。


 俺の身代わりに、仲間であるはずの過激派アンチの1人から刺された男。


「お前はバトルに負けたんだ」


 特定班にわざと釣らせるように、ネットの渦に顔写真を放り込んだのさ。

もう既に、俺は整形で顔を変えている。


 おかげで、これからも平和に毒づけるよ。




#毎週ショートショートnote

2023年6/25~7/1のお題「生き写しバトル」

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