第22話 告白水平線

「実はこういう状態でして……」

 告白された水平線を目の当たりにして、彼は何を思うのだろうか。




「顔はかわいいし、スタイル抜群で性格もすごくいい、完璧な彼女だよ」

 彼が自慢するたびに心が痛んだ。

だってたった一つ、でもとても大事なことを嘘ついているから。


 まず外堀を埋めていき、好みをリサーチしまくった。

童顔だけどボンキュッボンがタイプらしい。

酒購入時に身分証の提示を求められる私は難なく童顔をクリア。

ダイエットと並行して筋トレも欠かさないから、ウエストは細い方だし、おしりだってキュッと上がっている。

だけど……


 初めての夜を迎えるにあたり、もうこれ以上ごまかしきれない。

観念して、分厚いパッドを仕込んだブラジャーを外す。


「うひょー! たった一つの欠点だと思っていた巨乳が幻とは!」

 興奮状態の彼。

「ちっぱいじゃ物足りない。つるぺた大好きなロリコンなんだ」

 外堀にも漏れていなかった本性を知り、気持ち悪くなった。

急いで服を着て、部屋を出た。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る