第41話 『食卓を囲む/食卓に囲う』/お題「ごはん杖」
この子達にお腹いっぱい食べさせて、健康的に大きくするのが私の仕事。
「給食や外食よりも、よそのお家の料理よりも、お母さんのごはんが一番おいしい」そう言わせたい。
主人と出逢った時、恋人になりたいと思って、料理教室に通い始めた。
「今時花嫁修行なんて」と友達は笑ったけど、「家庭的な子がタイプ」と公言する彼の胃袋を掴むため。見事成功して、お嫁さんになれた。
「今時男も料理すべきだよ」と言っていたあの子は、いまだに独身。
家族の健康管理は私に任せて。ごはんで家族を支えたい。歩き疲れた時に杖をつくと、楽に歩けるようになるでしょ。そんな存在に。
……なのに、どうして?
娘は、杖をつかないと歩けないようになってしまった。
私が作ったごはんを見るだけで、吐き気を催すんですって。
冗談でしょ。
食卓につかせるために腕を掴んだら、びっくりするほど骨張っていて、今にも折れてしまいそうだ。
「お母さん…杖ってね、昔は罪人を打つ為の刑具だったんですって」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます