第38話 『忍ぶ恋を取締り』/忍者ラブレター
忍ばざるを得ない関係の二人。
学校一の美少女と現役数学教師なのだから、当然だろう。
配達は心から信頼する親友に頼んだ。
彼女は忍者の如く、誰にも気づかれないように職員室へ忍び込み、教師の鞄にラブレターを忍ばせた。
「糊付けされた封筒をバレないように開けて読んだ内容では、やはり二人は深い仲のようですね」
親友は、校内の秩序を守る秘密警察の密偵だった……。
諜報活動こそ、忍者の真骨頂。
「報酬を授けよう。昨年の期末テストの問題と正答まで記入済みの答案用紙だ」
「要りません」
「ほほう。君は優秀だ。あの男の裏の顔まで調査済みなんだな?」
「私は親友を裏切ったのではありません。ただ彼女の幸せを願って……」
実は、先ほど鞄に忍ばせた手紙は、もう一通あった。
忍者ラブレター、つまり、ハニートラップの種。
教師にとって本物の純愛なら、忍者の誘いには乗らないだろう。
来てほしいような、来てほしくないような、複雑な心境で待ち構える。
……扉が開く音がした。
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