第20話 未来断捨離~未米絶シャリ
産後の恨みは一生、というのは大袈裟ではない。
一人息子が十歳になった今でも、まだあの時の夫を許せていないと自覚している。
でも、「子どもにとっては、両親揃っている方が幸せだ」という固定概念が捨てきれず、ここまでズルズルときてしまった。
未来断捨離を決意した。
私にとって不要だと思う夫との未来を断つ。
近い未来に、夫を捨てる。
執着心はとっくにないので、離れることは容易いだろう。
もったいない……と逆に夫に思わせてやる。
そのためにも、長年ストレスと共にため込んだこの贅肉を落とす必要がありそうだ。
未来断捨離のために「未米断シャリ」を実行せねば。
未米は造語がすぎるなと笑う。
「今日はお父さん、残業で夕飯いらないんでしょ? 回転寿司行こうよ」
宣言後すぐの洗礼。
茶碗蒸しなどサイドメニューでなんとかなる?
「お父さんいなくて寂しい?」
不安になって聞いてみると、息子は晴れ晴れとした顔で言う。
「お母さんと二人の方が楽しい」
私の未来は、決まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます