第17話 秘密警察を宣伝してみる

【有力な情報提供者には相当の見返りを用意】

 最初は控えめな噂の流布だった。

段々私怨が募っていき、大胆に宣伝するようになった。


「ボス、情報提供者です」

 着崩していない規定の制服姿でメガネ着用。よし、スクールカースト上位者じゃないな。信用できそうだ。

 

「昨晩塾帰りに目撃しました。証拠写真もあります」

 スマホの画面を向けてきた。

「でかした!」

「報酬は昨年の期末テストの問題と正答まで記入済みの答案用紙と聞いていますが……」

「あぁ、怠惰な日本史教師は毎年同じ問題だとよ。先輩から受け継いだ秘伝の書さ」

 ははぁーとお代官様から受け取るようにメガネ君は傅いた。


 学校一の美少女と数学教師のスキャンダル。

我が校の秘密警察が、三軍以下に宣伝してみたことによって暴かれた。

ビラをばらまくようなことはしない。だって、アイドルを泣かせるわけにはいかないだろ。


 端から相手にされると思っていないボスが目指すは、破廉恥外道の追放のみ!

アイドルはみんなのもの!

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