【完結】Dr.スズは褒められたい

　天才医師が中世的異世界に転生したあと、現代科学の知識をフル活用して、大活躍するお話しです。

　但し、この作品の一番の魅了はいわゆる《知識無双》ではありません。
　なんと言っても、主人公が異世界で出会った人たちの理解や協力を得ながら問題を解決していくところにあります。
　その奢らない姿勢や、言動の節々から感じられる医師としての矜持にきっと心打たれるでしょう。

　物語を通して医療小説的また中世世界観的緊張感があり、はらはらする一方でひとの温かさを感じ、ほっこりすることの出来るそんな味わい深い素敵な物語です！

2歳のときには5ヶ国語を話し、複雑な数式や分子構造もあっという間に理解した主人公のスズ。7歳のときに高校教育の全てをマスターしたスズは、現在24歳で臨床医として働いていた。
けれど、突然発生した大地震によって、彼女は魔術のある異世界へと転移してしまう。

どこにいても堂々としていて、冷静な判断でテキパキと行動するスズのかっこよさに、きっとみんな惚れちゃいます！芯が強く、人の命を預かる覚悟を持っている彼女がとても眩しかったです。

そんなかっこいいスズですが、異世界で初めて会ったマルビィンやアズリールに可愛らしいあだ名をつけるなど、茶目っ気があるところも魅力的でした。

科学が未発達の異世界で…続きを読む

ガチガチの医療系のお話と異世界ファンタジーをミックスした物語でまず『面白い！』。

漫画やドラマではなんとなく雰囲気で何をしているか把握できるものですが、文章のみでできる限りわかりやすい表現がされているところに驚きました。『何をしているか』という動作の描写がとても丁寧。途中用語の解説が入るのもありがたい。

一貫して「人を救う・助ける」ことに尽力する主人公の考え方も素敵ですね。

主人公だけでなく作者も褒めたい1作。おすすめです。

今回のお話は最高に優秀な女医、研究者なスズが異世界に飛ばされ、若返りつつチートをゲットして無双……
するわけじゃなく、なんと治療チートを使わず、現代医学で病気と戦うお話である。
そう、このお話は、スズがチート持ってるのにも関わらず、使わないのだ。

最初、「え？そんな便利な力あるのに……」と思うだろう。私も最初はえ、どういうことだ？と不思議に思った。

けど、スズは魔術に頼らずとも、人間の時間をかけて積み上げてきた医学の知識。
それが如何に尊いことなのかを伝えてくれるお話だ。

それに、スズの回答はいつだってシンプル。
「患者のためになにが最善なのか」なのである。逆風も追い風も、そのシンプル…続きを読む

天才であるDr.スズは、ある時、突然異世界に飛ばされてしまい、何故か身体が縮んで10歳くらいになってしまう！
しかし、Dr.スズは医者。
どこにいてもそれは変わらない。

はじめて出会った異世界人を助け、事故で怪我を負った少女を助け、不器用を自称しながらも周囲の手を借り手術を行う……。
その根底にあるものは、人々を救うという想い。

本作は、主人公がチート持ちの異世界もの……と、それだけ聞くとありふれたものですが、Dr.スズには上述のような熱い想いがあります。
また、彼女が持つチート能力は、彼女が持つ医療知識があって、はじめてチートなり得ます。
すなわち、現代医療×魔術。

現代医療×魔術と…続きを読む