2歳のときには5ヶ国語を話し、複雑な数式や分子構造もあっという間に理解した主人公のスズ。7歳のときに高校教育の全てをマスターしたスズは、現在24歳で臨床医として働いていた。
けれど、突然発生した大地震によって、彼女は魔術のある異世界へと転移してしまう。
どこにいても堂々としていて、冷静な判断でテキパキと行動するスズのかっこよさに、きっとみんな惚れちゃいます!芯が強く、人の命を預かる覚悟を持っている彼女がとても眩しかったです。
そんなかっこいいスズですが、異世界で初めて会ったマルビィンやアズリールに可愛らしいあだ名をつけるなど、茶目っ気があるところも魅力的でした。
科学が未発達の異世界で、スズはどのようにみんなを納得させ、治療していくのか。ぜひ読んでみてください。とても面白かったです!
今回のお話は最高に優秀な女医、研究者なスズが異世界に飛ばされ、若返りつつチートをゲットして無双……
するわけじゃなく、なんと治療チートを使わず、現代医学で病気と戦うお話である。
そう、このお話は、スズがチート持ってるのにも関わらず、使わないのだ。
最初、「え?そんな便利な力あるのに……」と思うだろう。私も最初はえ、どういうことだ?と不思議に思った。
けど、スズは魔術に頼らずとも、人間の時間をかけて積み上げてきた医学の知識。
それが如何に尊いことなのかを伝えてくれるお話だ。
それに、スズの回答はいつだってシンプル。
「患者のためになにが最善なのか」なのである。逆風も追い風も、そのシンプルかつ、強い意志がスズの一番強いところなのかもしれない。
そんなスズが好きで、エピソードをリアルタイムで追っていた。本当に考えさせられることばかりだ。
こんなにも「生死」について、「治療」について、考える機会はあったのだろうかと思う。
目を背けたいような現実も勿論ある、でも私達はいつだって、現実と戦い、その時の最善を選んで来た。
そういう事を思い出させてくれる。本当に素敵な作品である。
天才であるDr.スズは、ある時、突然異世界に飛ばされてしまい、何故か身体が縮んで10歳くらいになってしまう!
しかし、Dr.スズは医者。
どこにいてもそれは変わらない。
はじめて出会った異世界人を助け、事故で怪我を負った少女を助け、不器用を自称しながらも周囲の手を借り手術を行う……。
その根底にあるものは、人々を救うという想い。
本作は、主人公がチート持ちの異世界もの……と、それだけ聞くとありふれたものですが、Dr.スズには上述のような熱い想いがあります。
また、彼女が持つチート能力は、彼女が持つ医療知識があって、はじめてチートなり得ます。
すなわち、現代医療×魔術。
現代医療×魔術という組み合わせで、次々と病名を突き止め、治療をほどこしていく様は、異世界人からすれば神の御業のように見えます。
しかし、そこはDr.スズ。
どれだけ自分が卓越していようとも、先人たちへのリスペクトを忘れず、驕ることもなく、ただ医療に専念する様は好感が持てます。
彼女が異世界に飛ばされたことに、どのような意味があり、彼女はこの世界に何を見いだすのか。
この先の物語で、Dr.スズが異世界でどう変わるのか。
先が気になる一作です。