☆ あとがきと零れ話
賢いヒロインコンテスト応募作品、完結しました。
ずっと書きたかった医療モノ、中編にも関わらず書きたいことをふんだんに盛り込めたので、文献と睨めっこし苦しみながらも本当に楽しく書き続けられました。
読んでくださりスズにエールをくださった皆様、本当にありがとうございます。
ストーリーの進行上、本当なら書くべきだけど省いた部分がたくさんあるので、本当の意味での零れ話として最後に少し紹介したいと思います。
【尿道カテーテル】
じいさんの手術中のこと。全身麻酔なので当然、尿が漏れ出さないよう尿道カテーテルを挿入していました。練習のためにマルヴィンが陰茎の模型を作ってくれて、アズリールは縮み上がりながら何度もカテーテル挿入の練習をしました。
このシーンを入れると途端にジャンルが変わってきそうなので、省きました。笑
【輸血】
じいさんの手術のために、スズはこっそり輸血の準備もしていました。じいさんとスズは同じ血液型だったので、手術中に何かあれば自分の血液を抜いて輸血するつもりでした。事前にアズリールとマルヴィンにだけは説明していましたが、その辺りを説明すると面倒なことになりそうだったので、アーサーやエリカ、教会に対しては敢えて伝えていませんでした。
【巨赤芽球性貧血、ピロリ菌の検査】
スズは血液検査で「巨赤芽球を見つけた」と言いましたが、これは少し違います。血球ははじめ骨髄で作られ、その過程で巨赤芽球となり、大赤血球として末梢血管内に出てきます。正確に言うとすれば「大赤血球を見つけた」なんですが、わかりやすく上記のように表現しました。スズが行ったのは、末梢血塗抹検査というもので、血液をスライドガラスに薄く延ばして染色する方法です。「薄く延ばす」というのが難しいので、不器用なスズは苦労してようやく大赤血球を見つけ出したのでした。今後は器用なアズリールにお願いする予定です。
ピロリ菌の検査について。エリカは血液検査後に、呼気検査を行いました。通常、血液検査でピロリ菌抗体を見つけることもできますが、スズはこの世界でまだピロリ菌には出会っていません。抗原であるピロリ菌がなければ、抗体であるピロリ菌を見つけるための抗原抗体反応を利用した検査ができないため、スズは呼気検査を行いました。呼気検査も正確性は95%と言われているので、ほぼ確実な検査法といえます。
【HEPAフィルター】
スズがマルヴィンと一緒に作成した、空気清浄機。ガラス繊維ろ紙をスズが作成し、蛇腹に折ったものをフィルターとしてウイルスや菌をキャッチする仕組み。現在では当然電気で動くものですが、風魔術で空気を循環させる術式を記述することで魔石を動力源に動いています。
【特許】
昔は「発明者登録」のような呼ばれ方をしていたようですが、わかりやすく「特許」という言葉を使いました。
マルヴィンのじいさんの魔石ストーブの特許料のおかげで、マルヴィン一家は生活に困ることはありませんでしたが特段裕福ということもありませんでした。
スズも生活のために最低限の特許申請を行いましたが、特許申請後の独占販売期間の短さと特許使用料の安さに対し意見書を出しています。自分がどうこうというよりは、他の発明者の生活を守るために意見したスズでした。
【完結】Dr.スズは褒められたい pico @kajupico
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます