概要
特攻隊から帰還し、代議士のガードマンになった浪川勇の人生譚。
十五歳で予科練習生として海軍に入隊した浪川勇は、志願兵として特攻隊を目指すが、零戦不足により特攻を断念し、ラバウル戦線へ送られる。終戦を迎え、米軍の捕虜になった勇は米国兵からボクシングを教え込まれ、内地帰還後、プロボクサーとしてデビューする。若いボクサー高橋貞一郎を腎臓破裂させてしまい、悩んだ勇は誘いに応じて代議士のガードマンとなる。貞一郎がガードする女性代議士がテロリストの一団に襲われ、勇は矢面に立って襲撃を跳ね返すが、逃げた敵は高橋貞一郎だった。勇は貞一郎の母で遊郭の女郎の高橋美千代といい仲になっていたが、入院した鳳病院の看護師藤吉佐和子に惚れ、結婚する。しかし家事の苦手な佐和子と不和になり、結局佐和子と別れて美千代を身請けする。勇の隣家に住む鳳病院で顔を合わせた貞一郎と、店の乗っ取り仇