第50話 静寂

『創生魔法』が私の思い描くものを創れるならお願い!!

 私は追ってくる魔物と向き直り右手を挙げ全身の魔力を集める。


〈〈〈〈〈 シュウゥ~~~~~!!  〉〉〉〉〉


「 収納!!」


〈〈〈〈〈 ゴンッ!!  〉〉〉〉〉


 その瞬間、魔物たちと私の間の地面は真横に幅10m、深さ5mくらいの大穴が空いた。

 底に硬化させた岩針の山を創る。

 大穴近くにいた魔物たちは後続に押され、次々に落ちつらぬかれていく。


「ギャア!! 「グギャア!! 「ギャア!!「グギャア!!

 「ギャア!! 「グギャア!! 「ギャア!! 「ギャア!! 

  「グギャア!! 「ギャア!! 「ギャア!! 「ギャア!! 

 「ギャア!! 「グギャア!! 「ギャア!!「グギャア!!

 「ギャア!! 「グギャア!! 「ギャア!!「グギャア!!

  「ギャア!! 「グギャア!! 「ギャア!!「グギャア!!


 大穴を迂回しどんどん、洞窟から魔物が押し寄せてくる。

 ゴブリン、オーガ、ウルフの魔物が100単位ではなく、1,000単位で進んでくる。


 その時、私は思わず片膝をついた。

 今まで『創生魔法』を使っても消費が少なかったのか気にならなかった。

 しかしここまで大技になるとさすがにきつい。



 でも村が、いいえ街が襲われてしまう。

 ギルドに知らせるにも間に合わない。


 そして私は更に願った。

『力をください神様。いいえ、女神代行様!お願い!!』

 私はこの世界に来る前に出会った、エリアスという少年の顔をなぜか思い出した。


 すると体が急に熱くなり、ストレージから何かが飛び出していった。


〈〈〈〈〈 ガァォ~~~ン!! 〉〉〉〉〉


 すると突然、大きな鳴き声があたりに響いた。

 見上げるとそこには大きさ約10m、以前倒した飛龍とも呼ばれる大型モンスター、ワイバーンがストーンワイバーンとなり翼を羽ばたかせていた。

 残しておいたストレージの中のワイバーンの魔石が魔物化したようだ。


 奴らを倒して、お願い!!

 私はさらに強く願った。


〈〈〈〈〈 オォ~~~ン!! 〉〉〉〉〉


 ワイバーンは返事をしたかのように一鳴きすると、魔力を貯めだした。


 わ、わ、やめて。

 レベルが上がった私のMPは695。

 それが圧縮されどんどん、減っていく。


 MP695⇒751⇒634⇒557⇒369⇒289⇒155⇒98⇒45


 こ、これ以上は、あっ!!

 貯めた魔力を吐き出すように私は呪文を詠唱する!!


 『神の息吹ゴッド ブレス!!』


〈〈〈〈〈 ドォゴ~~~~~ン!! 〉〉〉〉〉


 ストーンワイバーンの息吹攻撃は、魔物たちだけではなく地面や木々を巻き上げる。

 ブレスはあらゆるものを破壊し、静寂だけが訪れた…。

 そしてレベルアップの声が遠くに聞こえた。



 はあ、はあ、はあ、

 これで全てが終わったのかしら。

 私の目の前には空爆を受けたような大きな穴が空くえぐれた大地。

 大きく風景も変わり洞窟があった山ごと吹っ飛び、魔物の跡形もない状況だ。

 大そんな惨事の後を目の当たりにしている。

 やばい!これどうしよう。


 ストーンワイバーンは全てが終わった後、私のストレージの中に戻ってきた。


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