第28話 お荷物預かります

 ブラッディベアを倒したのは良いけど、辺りは酷いことになっていた。

 木々は倒れブラッディベアはボロ雑巾の様になっている。


 馬車から降りて来たマドック公爵と、執事のカドマスさんはその光景を見て顔をしかめている。

「これは酷い」

「そうですな」


 倒れた木々をことをいっているの?

 それとも穴だらけのブラッディベアを見て行っているのかしら?


 でもこのままにしておくわけにも行かないわね。

 私はストレージに倒れた木々とブラッディベアを収納した。


 ふぅ~。

 これで証拠隠滅ってか?


「しかし大したものだ。レナさんの魔法の破壊力は…」

 公爵が言えばカドマスさんが答える。

「全くです。しかしこの惨事は…牙や爪、魔石は売買できますが、素材としては…」

「そうですね。毎回これでは、周りを巻き込まない様にしないといけませんね」

「はい、ここまでいくと毛皮は無理でしょう」

「レナさんには、これからの課題と工夫が必要になりますね」

「そうなりますね。でもどうやったら」


 今までストーンバレットや、ストーンランスだったからどうしても威力に欠けた。

 でも今回からマシンガンが使える。

 これなら攻撃力もUPする。


 それを単発で撃てることが出来れは、更に精度が高まるはずだわ。

 後で試してみようかしら。


 ブラッディベアの戦いで騎士14人中7人が亡くなった。

 遺体はそのままにしておくわけにも行かない。

 公爵と話しタラスの街に戻ってくるまで、ストレージで預ることになった。

 もちろん有料です!!


 しかしその収納の容量に驚かれ冗談交じりに益々、我が領地にほしいと言われた。

 そしてこのことは他言しない方が良いことも。


 通常、世の中に出回っている収納用のアイテムはマジック・バッグだ。

 収納容量はまちまちだが、こんなに収納できることはないと言われた。

 その能力があれば国に雇われ、一生安泰だとも…。


 私はやんわりとそれを断った。

 そんなことになれば、面倒な話になるかもしれないからだ。

 権力者は怖いからね。


 馬車は再びラルフの街に向けて走り出す。

 護衛の騎士が六人になってしった。

 馬車二台に対して六人は余りにも少ない。

 私は仕方なく追加料金をもらい、最初は嫌だった護衛を請け負った。

 なぜなら馬車に乗っていることを考えたら気が楽だからだ。


 馬車の中は会話が持たないしね。


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