第19話 指名依頼
ジゼルさんと二人で私達は冒険者ギルドに戻って来た。
冒険者ギルドは夕方前なので、人はまだまばらな時間帯だ。
ジゼルさんとはここでお別れだ。
「今日はありがとう。本当に助かったわ」
「また機会があればお会いしまょう」
そう私が言うとジゼルさんは掲示板に仕事を探しに行った。
私は素材を売るために、真っ直ぐ解体のワイアットさんのところに向かう。
「こんにちは!ワイアットさん」
「レナさんかい。今日の買取はなにかな?」
そう言えばワイアットさんて、いくつなんだろう?
筋肉マッチョで髭を生やし、50歳くらいかな?
「はい、今日はサーベルウルフです」
「ほほう、よくあの面倒な狼を倒せたな。戦えば援軍を呼ぶし、攻撃回数も多い厄介な魔物だったろう?」
「えぇ、まあ。あはははは!」
私は笑ってごまかした。
「そこの場所に出してくれるかい?」
「数がちょっと多いのですが…」
「何体だ?」
「265匹です」
「なに~?!そんなにいたのか?」
「はい、東の森の奥で出会いまして、次々に援軍を呼ぶので調子に乗りまして…」
「調子に乗ってなんて言うのはお前さんくらいだよ。普通は倒せないからね」
そう言われ、私は頭を掻く。
指定された場所にサーベルウルフを山積みに出していく。
「しかし、よくこれだけ倒したな。小さい穴が無数にできている。素材の傷が目立たない倒し方だな。レイピアか何かの武器で刺しているのかね?」
「まあ、私のスキルは特殊ですから」
相手から距離を開けて影からこっそり攻撃ですから。
「明日にはできているからな」
「わかりました。明日の朝、報酬を受け取りに来ます」
「おぉ、待っているぞ」
そう言うと私は掲示板に向う。
なにかいい依頼はないかな?
掲示板を見ていると受付のリンダに声を掛けられた。
「丁度良かった。レナさんに指名依頼が入ってますよ」
指名依頼?
近距離攻撃が出来ない私に?
私は首を傾げ受付に向かう。
「こんにちはリンダさん。私に指名依頼ですか?」
「こんにちはレナさん。そうです、あなたに指名依頼が入ってます」
「でも私は戦闘は苦手で役には立ちませんよ?」
「ご冗談を…。苦手な方がサーベルウルフを265匹倒せる訳がありません」
私の場合はゾンビゲームの要領で、弾が尽きるまで撃ちまくる!なんだけど。
弾切れしたらOUTなので、その分、森に入ると岩を補充しているけど。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読んで頂いてありがとうございます。
面白いと思って頂けたら★マーク、♥マークを押して応援頂くと励みになり嬉しいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます