第11話 可愛いの規準
私は冒険者ギルドで登録をしている最中だ。
「ではこの水晶に手を翳してください」
「こうですか」
私は言われた通り、水晶に手を翳した。
すると水晶が光りカードが出て来た。
「はい、これで登録は完了いたしました。このギルドカードを身に付けていれば、倒した魔物もギルドカードを調べればわかるようになっています。それと身分証にもなるので、無くさないでくださいね」
そう言われギルドカードを手渡された。
「逆に犯罪を犯せばその記録も残りますので」
おぉ、怖い。
そこまで機能が進んでいるのに、その割には街の文化は遅れているみたいだけど。
「次に冒険者についての説明をいたしますね」
「お願いいたします」
それから話を聞いた。
冒険者のランクは9つで下からF、E、D、C、B、A、S、SS、SSS。
依頼を達成していくことによってギルドポイントが貯まり、一定のポイントになるとランクが上がってく。
Cランクからはランクアップのための昇格試験がある。
試験官と手合わせをして試験官が、ランクアップ可能と判断した場合のみランクアップとなる。
また大きな業績を残した場合は一気にランクアップすることもある。
依頼は自分の1つ上までなら受けられる。
テンプレの通りの内容ね。
「依頼は討伐だけではなく薬草採取もありますから、初心者の方はここから始めるといいですよ。しかしレナさんはダイアウルフを既に討伐しているのでDランクからスタートです。説明は以上ですが、何か質問はありますか?」
「いえ、大丈夫です。何かあれば聞きに来ますから。それとギルドが忙しい時間帯はいつでしょうか」
「そうですね。朝一番で新しい仕事が掲示板に貼りだされるので早朝と、夕方に仕事を終えた冒険者が帰ってくるので朝と夕方です」
「では比較的、日中は空いていると言うことですね」
「そうなりますね」
「ありがとうございました。また来ます」
もっとゆっくりギルドを見てみたかったけど日を改めてだね。
パウロさんを待たせているので。
あぁ、その前に…。
「パウロさん、お待たせいたしました」
「無事登録は終りましたか」
「はい、終わりました」
「では我が商会に向いますか」
「その前にちょっとお待ち頂いても宜しいですか」
「いいですよ。どうされましたか?」
「その~、トイレに…」
「これは失礼いたしました。さあ、どうぞ」
そう言われ見送られながらトイレに行くのもなんだか恥ずかしい…。
トイレの中に入ると大きな壁鏡があった。
見てみるとそこには身長162cmくらいで肩まである黒髪、平たい顔の黒い瞳。
生前の私のままの黒髪の黒い瞳、東洋系顔の自分が写っていた。
日本人は若く見えるていうからね。
だからみんな子供に接するような言い方をしてたんだなと、改めてわかった。
でも『可愛い』とか『愛らしい』とか言われたわ。
転移したから容姿も可愛くなったのかと思ったのに…。
レナは知らなかった。
可愛いの規準も所変われば変わると言うことを…。
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