第27話 反撃!!
私は攻撃の出所がわからない様に、馬車から降り草むらに中に隠れている。
そして馬車から距離を置く。
14人いた護衛の騎士の半分はやられてしまっている。
中には逃げ出す者もいる。
命が掛かっているものね。
恐怖には勝てないよ。
騎士が居なくなったおかげで、ブラッディベアの周りには邪魔者は居なくなった。
私はストレージの中の岩を弾丸サイズに細かく砕く。
『創生魔法』で『硬化』と『不変』を施し加工する。
これで強度は出たはず。
後は空気を圧縮してっと。
準備完了!!
レナ行きま~す!!
〈〈〈〈〈 マシンガン!! 〉〉〉〉〉
「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!
「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!「「ド!!
「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!
「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!「「ドドッ!!
「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!「「ドッ!!
私は両手をブラッディベアに向け、ストレージから『硬弾』を発射する。
物凄い音と共に『硬弾』は発射されて行く!!
しかしブラッディベアは後ずさりするだけで、致命傷にはなっていない。
所詮は岩、やはり駄目だ!!
それならと焦る気持ちを抑え【スキル】世界の予備知識で何かないかと情報を捜す。
あっ、これだわ!!
私は倒れた騎士の剣をストレージに収納し『硬弾』に加工した。
こんどこそ!!
いけ~~!!!
「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!「「バン!!「「ドドドドッ!!
「「ドドドドッ!!「「バン!!「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!
「「バン!!「「ドドドドッ!!「「バン!!「「ドドドドッ!!
「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!「「バン!!「「ドドドドッ!!
「「ドドドドッ!!「「バン!!「「ドドドドッ!!「「ドドドドッ!!
「「バン!!「「ドドドドッ!!「「バン!!「「ドドドドッ!!
効いてる。
効いているわ!!
〈〈〈〈〈 グワォ~!! 〉〉〉〉〉
ブラッディベアは最後の雄たけびを上げ動かなくなった。
ふぅ~。
危なかった。
私のやったことは簡単なこと。
【スキル】世界の予備知識で調べた範囲では、銃弾の素材に求められるのは『小さくて重いこと』。
大きさが同じなら同じ初速で発射した場合、重い方が空気抵抗に打ち勝つ力が強くなる。
同じ重さならサイズが小さい方が、空気抵抗も小さくなり遠くまで飛ぶ。
だから岩よりも鋼の剣の比重が重く、遠くまで飛び威力が上がったのね。
〈〈〈〈〈 テレレレッテッテッテー 〉〉〉〉〉
『レナはレベル15から19へレベルUPした。【スキル】並列思考を覚えた』
そんな声が聞こえた。
でも今はいいわ。
後で確認しようかしら。
ブラッディベアに近付いてみると、体は『硬弾』で蜂の巣の様になっており眉間や目は貫通していた。
「もう大丈夫です、公爵様」
私は馬車に声を掛ける。
「本当かね。終ったのか」
そう言うと公爵達は馬車から降りて来る。
もう一台の馬車からも侍女達が降りてきた。
「きゃ~!!」
「な、なんということだ?!」
当たり一面、木々が倒れている。
護衛の騎士は倒れ、ブラッディベアは体中から血を流している。
まあ、毎回こうだけど。
その惨事を見て侍女達は悲鳴を上げ、公爵は目を見張る。
「これ、ヘーゼル。見てはいかん!!」
「ですが、おじい様」
「いいから馬車の中に戻るのだ」
そう言われ執事のカドマスさんにも促され、ヘーゼル公女は馬車に乗り込んだ。
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