第2話 ストレージと『創生魔法』

 気が付くと私は道に立っていた。

 整備されており、どうやら街道のようだ。

 服装を見るとRPGのような旅人の服を着ていた。


 え~と、まずはステータスかな。

「ステータスオープン!」

 そう呟いてみる。

 すると視界に画面の様な物が現れ表示される。


 名前:村野 玲奈

 種族:人族

 年齢:23歳

 性別:女

 職業:社畜

 レベル:1

 HP 50

 MP 500


【スキル】

 異世界言語

 鑑定:Lv.1

 時空間魔法ストレージ

 創生魔法


 職業:社畜てなんだ。

 それにHPに対してMPが多い。

 しかも魔法は使えないのに…。


 まあ、使えそうな魔法はストレージと創生魔法。

 とりあえず能力確認といきますか。


 え~とまずはストレージから。

『生き物は収納不可。ただし生命力が弱いものは可能』

 そうだよね。

 生き物もできたら怖いよ。


 私は目の前にある大きな岩を収納することをイメージする。

 バギッ!!バギッ!!バギッ!!

 大きな音と共に岩が砕けて収納されて行く。

 残ったのは岩があった跡だけだった。

 ストレージの中を覗くとそこには『岩』の文字が…。


 しかしこれでは攻撃手段が出来ない。

 そこで私は空想を膨らました。


 まずは岩を剣の形にイメージをする。

 読んでいたファンタジーの本では剣も好きだった。

 それを思い出しバスタード・ソードを形成した。

 バスタード・ソードは片手でも両手でも扱え、刺突と斬撃の両方が可能な刃を備えた刀剣だ。

 握りは長く両手で力を込めて使う。

 重量バランスは工夫すれば片手で白兵戦に挑むことも可能だ。

 そこにどんなものでも切り裂く切れ味と、破壊できない『不変』を追加する。


 私は拳を握りしめ、木々を相手に剣を振るう。

 ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!

  ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!

 まるで何の抵抗もなく岩でできた剣に切られ木々が倒れて行く。


 念のため、見てみようかな。

【鑑定】石の剣

 けして砕けることのない『不変』の剣。

 しかし重い。


 そうだよね、岩だもの…。

 重くて動く相手なら役に立たない。

 レベルが上がるまでは収納しておこうか。


 これでは武器として使えない。

 今度は岩を指の爪くらいに砕き強度を上げ同じように『不変』にしていく。

 そして周りの空気を収納し圧縮する。

 ゴォ~、空気を吸い込む音がする。

 そして吸い込んだ空気を圧縮し一気に岩の破片を発射する。


 ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!

   ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!


 圧縮された空気に押し出された破片は、弾丸のように飛んで行き木々を破壊した。

 これが剣と同じなら凄い威力だわ。

 岩と空気は無料だし、取り放題ね。


 しかもこちらの方が実用的。


 そう思い私は周りに転がっている折れた木々と、岩と空気を収納して歩き出した。


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