第25話 キラービー
私達はセロンの街に向う街道を馬車で進んでいる。
馬車の中での会話も尽き私は窓の外をただ眺めている。
途中、昼食になりみんなは干し肉を出して食べようとしている。
仕方がない。
私はストレージからテーブルを出し、鍋から暖かいスープをお皿に入れる。
「おぉ、これは?!」
護衛の騎士や公爵が驚いている。
まさか収納できるのは資材だけだと思っていたようだ。
「こんな使い方があるとは、思いつかなかったよ。なんと便利なものだ」
いつ、何があっても良い様に、食料は大目に収納してある。
「みなさんも食べますか?よかったらどうぞ」
「おぉ、頂けるのか?!旅先でこのような食事ができるとは…。有難く頂こう」
公爵の許可があり私はストレージから、人数分の皿とパンを出して配る。
さすがに人数が多いから、持って来たスープとパンは無くなりそうだ。
みんなでテーブルを囲み、立食で食べている時にそれは聞こえた。
〈〈〈 ブ~ン、ブ~ン、 〉〉〉〈〈〈 ブ~ン、ブ~ン、 〉〉〉
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〈〈〈 ブ~ン、ブ~ン、 〉〉〉〈〈〈 ブ~ン、ブ~ン、 〉〉〉
「なんの音だ?」
そこにいた人達が一斉に森の方角を向く。
〈〈〈 ブ~ン、ブ~ン、 〉〉〉〈〈〈 ブ~ン、ブ~ン、 〉〉〉
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〈〈〈 ブ~ン、ブ~ン、 〉〉〉〈〈〈 ブ~ン、ブ~ン、 〉〉〉
これはまるで羽音のようだわ。
「公爵様馬車の中にお戻りください」
危険を感じたのか、護衛の騎士が叫ぶ!!
「きゃ~!!」
「なんなの!!」
侍女達も慌てて馬車に逃げ込む。
次第に羽音が近づき大きくなっていく。
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そして大き羽音と共に森から現れたのは、数えきれないほどの蜂の群れだった。
「キラービーだ!!キラービーがでたぞ!!」
騎士のそんな声が聞こえる。
私は思わず馬車の窓を開けた。
「レナさん、危険だ!!」
「少しだけ確認させてください。公爵様」
窓を開けて見たものは辺り一面、数百、いいえ何万とも思われる全長15cmくらいの蜂の大群だった。
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