第21話 出発
私は冒険者ギルドに来ている。
応接間でギルドマスターのライアンさんと、指名依頼の件で話をしている最中だ。
「私は荷物を収納し、道中は同行しているだけでいいのでしょうか?」
「まあ、そういうことになるな。護衛も要求したら君は断るだろう?」
「もちろんです!!」
「ならば契約成立だな」
「期間は何日くらいになりそうですか?」
「運搬先は隣り街のラルフだ。天気が良ければ馬車なら朝一で出れば、夕方には着くだろうよ」
「何泊くらいでしょうか?」
「それも確認する」
「わかりました。それでお願いします」
「公爵には伝えておこう。出発日が分かり次第、連絡するから」
「ありがとうございます。それから集合場所はギルドでしょうか?」
「まさか、公爵家に指定された時間に行くのが常だろう」
「そうでしょうね」
「気を使う度になると思うが、それも一時的だ。レナさんはきっと侍女と同じ馬車になると思う。まさか公爵と同じ馬車に冒険者を乗せるとは思えないからね」
「そうですよね、あははは!」
あれから一週間が経った早朝、公爵が指定してきた日がやってきた。
私は公爵家に向い大きなお屋敷の前に立っている。
お屋敷は木々が植えられ、まるで自然公園規模の大きさだ。
そして庭先で紹介をされた。
マドック公爵は40歳前半の小柄な紳士。
そして側にはアドリアナ公爵夫人。
年齢は公爵より少し下かな。
他には息子夫婦のロベルト侯爵とクレア侯爵夫人。
歳は20代半ば、私より少し上かもしれない。
今回同行するヘーゼル公女。
10歳位。
次は弟のニール公子、8歳位。
そして執事のイカツイ顔した50代のカドマスさんだ。
他に護衛の騎士が14人。
そんな少なくて良いの?と思ったけど、貴族の馬車を襲う野盗は居ないそうだ。
貴族も名誉がありそんなことをすれば、殲滅するまで追われるそうよ。
それなら安全な?旅人や相乗り馬車を襲った方が割りが良いことになる。
馬車は二台で通常なら衣装や侍女を含めると四~六台になるそうね。
しかし今回はその分の衣装を、私がストレージで収納するので馬車は二台で済む。
その分、護衛や侍女が必要なくなるので依頼したと聞いた。
普通は馬車やお供をたくさん連れ公爵家の力を示すそうだ。
それほど私に会いたかったのかしら?
貴族も大変ね。
まあ、後から聞いた話だけど。
いざ、ラルフの街へ出発!!
そして今、私は公爵が居る馬車に乗っている。
なぜこうなった?
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