訳あり魔法使いと家に帰りたい勇者

　日本在住の峯岸史郎は、二十歳を目前に交通事故でこの世を去ってしまう。後悔ばかりの人生の中で、「神」を名乗る謎の少年にとある取引を持ちかけられる。その取引とは「現代とは違う世界に転生し、その世界を救う事ができたらなら、現代に蘇る事ができる」というものだった。取引に応じなければそのまま絶命するという、選択肢のない中で、峯岸史郎は当然のようにその選択を受け入れる。
　何もかもが謎に包まれた中、新しい世界で「シロウ」として放り出された折、そこでならず者と敵対していた魔法使いを名乗る女性「クレセント」を助けることになる。クレセントの話によれば、先のならず者はこの世界の支配者「四王」と呼ばれる存在なのだという。強大な力を持つ支配者を退けた力を持つシロウに興味を持ったクレセントは、シロウの「現代に蘇り、…続きを読む