竜はファンタジーにおける「キング・オブ・モンスターズ」だが、自分は竜のことをほとんど知らない。
イメージとして恐竜に近いから今までこわさしか感じなかったが、この小説を読んで初めて竜に聖性と愛らしさもあるとわかった。
魔法を使う戦闘場面に迫力があって、さらに急速に邪悪になっていく魔法使いや、一見頼りない若者の意外なたくましさ、そして謎の案内人の正体など自分好みの要素もあって、読んでいて楽しかった。
短編なのに一人のキャラのいろんな側面を描いているのはすごいと思った。
とくにフランシスのようなキャラは冒険小説でよく見るが、ファンタジーではあんまり見ないから貴重な気がする。
ラストはほっこりした。
愛猫を胸に抱いたときのような温かさを感じた。
この温かさを味わうために、ぜひ御一読をおすすめします。