第37話 距離近め

水曜日。

俺は月曜日の続きで数独をスラスラ解いていた。

いやいや、マジでホント激鬼ムズ以外ならまあそこそこスラスラ解けるからな。

はじめた頃は…。うん。かなり簡単な問題でも時間がかかっていたのだが…。まあやっていれば慣れというのか。ヒントが多ければ多いほどスラスラいけようにはなったな。コツというのか。なんかな。やるかたを掴んだというか。まあうん。やっぱり慣れだな。うん。俺説明下手だな。まあいいか。


「…」

「…」

「…」

「…」


ちなみにすでに俺はなんか監視。観察?だったかをされている。

こいつやっぱり今日も普通に来たんだよな…。

そして普通にというか。俺を見ている。いや俺を見ているではなく。パズルを見ているのだろう。前に確かパズル?を見ていたからな。多分そうだろう。


っか今日はあまり話しかけてこないから静かである。

マジで見るだけにしたのだろうか?とか俺が思っていると…。ちょっと気がついたことが…。


こいつさ。


今日…。近くない?


いつも以上に近くで見ている気がするんだが…。うん。なんかいい香りがしていましてね…。。で、ちょっと集中がな。


ってことで…。


「…。なあ、近くないか?」

「え?」


と聞いてみたのだが…。

こいつは俺の近くにいる自覚はなかったらしい。

いや、マジで近いと思うぞ?と俺は思いつつ。


「…。お前の場所場所」

「…。あー」


やっと自覚したらしい。


今のこいつは俺が使っている机の前に椅子を移動させていて結構間近で見ているからな。そりゃまあなんかいい香りするし…。まあうん。全部が近いというか。

声をかけたので目の前のやつを見ているが…。やっぱこいつかわいいんだよな。って、変なこと考えるとダメだな。この距離だとすぐにバレるというか。

こっちが変な行動したらすぐ茶化すというか…。なんかしてきそう。

ってか…。うん。近い。近すぎるである。お前の顔が目の前にあるっておかしいよな?うん。おかしい。


だってよこれ…。うん。気にするとドキドキってか。

そうだパズルパズルだ。

パズルに集中集中。

パズルパズルパズルパズルパズルパズルパズルパズルパズルパズルパズル…。


とか俺がいろいろと思っていたら…。


「ってか、先輩から話しかけてきたー。レアですね!」


と言われた。

そういや…。確かに…。と俺は思いつつ。

パズルパズルパズル…。で、ちょっと落ち着いたからか。

俺は普通に話しかけた。


「いや、まあなんか近かったし」

「もっと近くもいけますよ?」


あー、うん。こいつうざいというか。

隙みてなんかしてきそうだな。警戒警戒だ。危険生物である。とか俺は思いつつ再度パズルに逃走。


すると…。


「…」

「うわ、無視だ。問題に逃げた」


そんなことを近くに居るやつに言われたが…。うん。安心のパズルである。

パズル見ていりゃこいつを見なくていいからな。落ち着くわ。うん。


「…」

「先輩」

「…」

「先輩ー」

「…」

「先輩先輩」

「…」

「馬鹿先輩?」


って、うざい。うるさい。何回呼ぶんだよ。

反応してないんだから待つとかないのかよ。


って…こいつは待つとかなさそうだな。ということで…。


「…。なんだよ。何回も」

「なんで馬鹿先輩で反応するんですか」


いや、それは偶然だ。とか思いつつ。

って、なんで馬鹿と俺が言われないとなのかだ。ってそれを言い出すと長くなりそうだから…。


「いや…。集中できないから」

「それはごめんなさい。ってか、先輩集中しすぎですよ。めっちゃガチじゃないですかー。話しながらとかできないんですか?」

「無理」


うん。こう答えるが正解だ。間違いない。である。話しながらできなくもないがな…。

余計な話をすると…。なんのボロがでるかわからないし。とか思っていると…。


「即答ー」

「ってか、先輩数独ってそんなスラスラできます?実は先輩天才?」

「いや、勉強は赤点ギリギリ」


うん、これはマジ。勉強はな…。全部がパズルならやる気になるのに。勉強とパズルこれは違うんだよ。うんうん。

とか思っていると…。

なんか問題の上に誰かさんが手を置いてきたんだが…。邪魔である。っかできない…。とか俺が思っていると。


「…。なら勉強もしましょうよ」


と、言われた。のだが…、いやいや勉強ってしてるんだが。と。思いつつ。


「いや、してる」

「見たことないです」

「家でするからな」

「まあ、そりゃ、そーですね。ってか今日はよく話してくれますね」

「お前が問題隠してるからな」

「バレたかー」

「バレバレだろ」

「ごめんなさーい」


全く謝っている感じは…。いやまあなくもないが…。

って、なんでこいつこんなに楽しそうなのか…。

笑顔がめっちゃいいというか…。ホントわからんな。こいつは。


とか思っていたら手がどいたので…。


「…」


よし。パズル再開再開だ。

って、流石にそろそろ難しくなってきたな。

間違えて数字書くとだからな。消したりが面倒だから注意深くっと…。


ちなみにその後は大人しく俺の前に座り…。観察?監視。かは知らないが、、、。なんか楽しそう?ニコニコ?の奴がいたような…。うん。居た。


っか、結局近いってのはそのままじゃないかよ。まだいい香りがしてるよ。ホント集中できないから。


…。まあでも、いい香りがするのは…。悪くはないが。とか思っている俺だった。 

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