第2話 お絵描きロジック
私が高校に入学してからしばらく経ったある日。
まあある程度学校生活に慣れてきた頃ですね。友達もある程度できた。ってか、勝手に集まってきたー。って言う方が正解かな?男子からはどんどん声かけられたからね。メッセージアプリの連絡先一気に増えちゃって大変なことになりましたよ。
そしてなんかいろいろお誘いが来るから……断る理由考えるのが大変ってやつですね。ちなみに女の子のお友達はまだ手で数えれるくらいしか居ないんですよね。
陰口はすでによく聞くのに……まあ怖い怖い。
まあ、それはどーでもいいこと。
基本私は1人でも楽しく過ごす方法をしってるし。
それに……人と違うことをするのが好きだから!
まあ授業中や休み時間は普通に過ごしてますがね。授業中からぶっ飛んでいるのは……ですからね。でも授業中にニコニコ普通にしていたからか。いろいろな男子が寄ってきて、女子からは陰口というなんか変な状態にすでになってしまったので…。
初めから授業中もぶっ飛んで居た方がよかったかな……とか思わなくもないんですが……うん。でも授業を真面目に受けて入ればテストは楽勝なので。結局今も授業中は同じスタイル。いい子ちゃんをやっています。
でも放課後は自分の時間。
親にも勉強だけちゃんとしていれば何も言わない。と言われているので、中学の頃からだったかな?テストはほぼ全科目90点以上。100点になかなかならないのは……まあ詰めが甘いんですかねー。ちょっと間違っちゃうんですよねー。でも高校に入ってすぐあった実力テストでは平均95点ですからねー。1つ100点もありましたし。なので親はなにも私の生活に文句は行ってきません。
中学の頃から部活には入らず担任の先生が良く私にいろいろ行ってきたり。中には家まで来る先生も居ましたが……私は親からの言いつけは守っているので問題なし。
放課後ちょっとどこかへぶらりと消えてもOK。まあちゃんと遅くなる前には帰ってましたがね。中学生ですし。
でも今は高校生レベルアップですよ。
もちろん自分の好きなことをしたいので高校でも部活とかには入らず。なんか早い頃に部活動のオリエンテーションみたいなもの。部活紹介がありましたが。あれをボイコット。いや、放課後、授業終わってからだったんでね。普通に帰ってやったら……翌日先生にいろいろ言われましたが。私は聞き流しました。
だって放課後は私がしたい事をする時間。
高校生になったんだから行動範囲は広がります。
はじめのうちは高校の周りってまああまり周りを知らなかったからね。くるくる学校の周り探索してみて――。
って、大したものはなかったんだよねー。
普通にコンビニや、郵便局。あとは家しかないし。
毎日通ってみたい隠れ家的なお店とかこのあたりにはなかったんだよねー。そんなところがあったらなんか面白そうな放課後が始まりそうだったのに…。ですよ。
そして高校近くでは何もなかったのでさらに遠くへ。は……まあ放課後に行くのはなかなか厳しくて……。
でもそんなときにそうじゃん。学校内でなんかあるかもじゃん。と思ったわけですよ。中学の時より生徒数も増えたしなんか面白いことをしているところがあるかもしれないと。
そしてとりあえず教室がある棟をめぐってみましたが。まあ特に普通の教室とかでした。
なので今度は特別棟へ。
まあ噂話から早朝や放課後の特別棟はカップルの居場所でイチャイチャのいけない現場が……。
とか聞いたことあるけど……まあそれにぶち当たったらぶち当たったとか思いつつ。ってまあスルーだね。
私が探してるのはそういうのではなくて、もっと楽しそうなこと。イチャイチャしているところ見ても楽しくないですからね。
とか思いつつ放課後に特別棟をぶらぶらしていたらですよ。まあ普通に部活してる部屋もあって……まあ階段ではカップルが居座ってたからスルー。
とまあしばらく探検していたのですが部活以外はとくに無しかなー。至って普通のよくありそうな放課後の風景だった。と私の中でまとめようとしたらですよ。
最後に特別棟の三階を歩いてみたら……。
「……うん?」
1番隅っこの部屋で1人の男子?が黙々と机に向かって何かをしていた。
この部屋は……と思いつつ頭上。入り口の上にある○○教室とか書かれているプレートのところは白紙。何も書かれてないし。
ぱっと見部屋は空き部屋。っていうのか。雑に机や椅子が置かれていて……明らかに普段使ってませんオーラの中。1人の男子が窓際で黙々と何かしている。もしかしたら補習?いや、謹慎処分部屋?とか思いつつ。
まあそんな光景をちょっと後ろのドアから覗いていた私。
まだ中に居る男子生徒には気がつかれていない。
男子というのはここからわかっただけど……同級生か先輩なのかはここからじゃわからない……って、わかった。
スリッパの色から2年生の色だから先輩だ。
この学校スリッパの色で学年がわかるのでね。私が履いている色と同じスリッパなら同級生。それ以外なら先輩になるのでね。って個人的な事なんだけど。このトイレのスリッパみたいなのが校内では必須ってのがわからないんだよね。歩きにくいし。ダサいし。ってそのことは今はいいか。
って、なにしてるか気になるけど……。
先輩だと近づきにくいな……はあったんだけど。
この何をしている部屋なのかわからない場所で何してるんだろう?の興味が勝った私はそっと後ろのドアを開けて男子生徒に近づいた。
今のところ……静かに開けたからか。男子生徒は気が付いていない。いや、音がしたから気が付いてこっちを見てくれた方が話しかけやすかったんだけど……私こっそり開けるプロだったみたい。
まあ実は先ほども思い浮かんだことだけど、謹慎処分とかで課題をしてる生徒だったら……があるから今も即撤収できるように後ろのドアから近づいたんだけど……って、この先輩……近づいても全く気がつかないんだけど……。
だって私もう先輩の真後ろにいるんだけど……とか思いながら。何をしているのか気になっていた私は……まあ遠慮なく後ろから覗き込んでみると……。
「うん?絵?」
なんかこれは雑誌?かな。パズル誌?たまに本屋で見るあれかな?脳トレや、プレゼント付きの問題がある。って、とりあえずこの先輩はなんかマスを塗っていた。机には今言った雑誌と。鉛筆。消しゴム。まあ筆記用具が置かれている。
ってか。この先輩。どういうこと?私が声出したのに全く振り向きもしないし。見もしないんですけど……。
どういうこと?私……透明人間だった?マジ?それならこんなことしてないで他に行くんだけど……。
ってか。なんでこの先輩放課後にこんなところでマス?を塗ってるの?ってよく見たらなんかの絵に見えてきた。
再度雑誌の方を見ると……なんかマスの周りに数字がいっぱいかいてあるから…。
なんかルールがあって。それに沿って塗るとイラストが出てきてそれが答えになるのか。とか勝手に私が思っていると。
それは突然だった。
「……何してるんだ?お前」
「あっ、やっと気が付いた」
ここでやっと手を止めて先輩がこちらを見てくれた。いや、ちょうど問題が1つ終わったらしい。ちょうど先ほどまで先輩が塗っていたところにバイオリンかな?のイラストが出来があっていた。
ってか雑誌じゃなくて今は先輩の方を見ないとか。怖い先輩だと。大変なことになるかもしれないからね。
って、うん。まあ印象は……パッとしない雰囲気。大変失礼かもしれないけど。なんか大丈夫そうな先輩って勝手に思っちゃった。
で、長めの髪、くせ毛?かな。で、顔はちょっと隠れ気味だし。でも……顔のパーツは良くない?うん。良いと思う。ジーっと見ると普通にいい気がしてきた。
とか観察してたら……。
「……」
先輩は普通にまたパズル誌をやり出した。あっもしかして私が無視……いやいや今の会話。先輩が話しかけてきて、私は返事したから先輩のターンだったでしょ。なのに何も言わず……パズルに戻っている先輩。
おいおい。である。
突然来た私に興味ないの?もうちょっと興味を持つというか。聞こうよ。私は今先輩の事ちょっと興味あるんだけどー。1人で放課後の特別棟でパズルやってる先輩。
ちょっと面白いじゃんって感じで。
まあちょっと男だから警戒をって思ったんだけど。直感的に大丈夫そうだし。他に誰かいる雰囲気もないし。勝手に大丈夫ってしたんだけど大丈夫だよね?先輩、いきなり襲ってこないよね?悲鳴は上げる準備しておいた方がいいかな?
「とりあえず先輩。変な事しないですよね?」
ということは聞ける雰囲気ではなく。
ってか結局それから先輩は黙々とマスを塗っていき……私は前で見ている。という感じに自然となったんだけど……見てるといろいろと絵が出来ていた。
アニメのキャラクターや。普通に芸能人?とかのイラストもできていたし。文字が出てきているのもあったかな。
♪♪~
「……えっ?」
そしたらいつの間にか下校時間になった。
教室にある時計を見ると…。確かに下校時間。外を見れば夕焼け空。
そして今まで見ていた先輩の方を見ると……。
先輩は片付け始めていて……雑誌や筆記用具をカバンにしまって……立ち上がり。教室を出て行った。
そう。出て行った。
私には全く触れずに普通に教室を出て行った先輩だった。
「……………………えっ?」
である。
まさかのね完全スルー。びっくりだよ。
ってか、実はめっちゃ私迷惑だった?って、これ部活だった?なんだったの?とわからないことだらけだった。
結局1人特別棟の教室に残された私。聞くこともできないので……何もわからないまま。
私と先輩の初日は終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます