第8話 てんつなぎ

翌週、ちょっと今日は朝から天気が悪い日ですが……まあ私の行動予定は変わることはありません。せっかく先週ちょっと変化があったのでね。もちろん継続ですよ。

授業が終わったら私は教室をすぐに出て特別棟の3階へ。

今日は途中誰も他の生徒とは会いませんでしたね。

階段でよくイチャイチャしているカップルも居ませんでした。

そして静かな廊下を進んで行くと……。


先輩は放課後特別棟3階隅っこの教室にすでにいました。


「やっほーです」

「……」


って、すでに先輩はパズルをしていたから返事なしですね。ってか先輩まだ放課後になって数分なんですけどね。どんな瞬間移動なんですか?めっちゃ早いですよね?


とか思いつつ私が近づくと……。


あれ?また変わった。今日は……数字をつないでいる先輩。あー、これてんつなぎですね。

なんかこれは私もしたことあるパズルです。

とか思いつつ私が見ていると……。


先輩スラスラと1問終了。


「お前ホント毎回来るな。暇なの?」

「へ?」

「毎回最近来るから」

「あー、まあ私部活入ってませんし」

「そう」

「はい」

「……」


とそこで先輩は次の問題へ。

って……あれ?先輩が問題してないときはちょっと話してくれるようになりました?なりましたよね?あー、やっとやっと私を認識しましたか。先週の変化?は正しかったみたいです。土日を挟んでも変わらなかったですね。


うんうん。


ってか先輩は土日何をしているんでしょうかね?やっぱりパズル三昧?

あー、ちなみに私は……何と真面目にお勉強をしていました。

いい子ちゃんでしょ。まあこうやって放課後に来るためになるべく宿題は空いている時に終わらせる子です。

そしてそのほかの時間は買い物に行ったり。部屋でのんびりしていましたね。


そんなことを思いつつ。私はまた先輩の前に座り先輩の観察。


ってか今気がついたけど。私この先輩の名前知らないや。これ結構重要なことかもしれないけど……私馬鹿先輩とか連呼していただけで。名前知りませんね。

まあ……いいかですけど。名前を知らなくても話すことはできます。はい。


それにそのうちわかるよねー。です。

とか思いつつ。私は先輩を見つつ。


先輩が1問問題が終わると。


「先輩。ホントパズル好きですね」


と、話しかけてみると……。


「好きだな」


ちゃんと返事くれたー。このチャンスは逃してはいけませんね。ということでさらに話します。


「毎週1冊くらいのペースですよね?毎週違うパズルしていますから」

「……」


とここで先輩次の問題へ……。


「……」

「……」

「……」

「……」


いやいや今いい感じで話していましたよね?なんで話している途中。というか。パズルの問題やりだしたら急に周りが、見えなくなるんですかね?聞こえてますよね?私の声聞こえてますよね?ホントもうこの馬鹿先輩は……困ったものです。


そして本当に無言のまま。先輩が走らせるペンの音だけが教室に響きました。点つなぎなのでサラサラというか一定の音が響いていましたね。ってか先輩すらすらつなげてくな……。


とか思っていたら1問終了……すると……。


「基本1週間で1冊終わるな」

「……先輩。話の間が15分て待ちくたびれますから」

「……」

「って、また次の問題はじめたー」


うん。この先輩。私と会話する気ないんですかね?私のこと嫌いかな?とか思いつつ。てんつなぎはペースが速いので。って早いと言ってもそこそこ大きな数字の問題は時間がかかっていましたが。まあ今までのパズルからみたら何回か先輩と話すことがあり……。


ってまあ、ホントちょっとずつですが。先輩と話して。私が先輩を観察。そしてまた話して。観察を繰り返して……。


まあそんなことをしていたら今日の放課後も……チャイムが鳴り終了。


そして先輩はいつものように手際よく片付けて……。


「じゃ」

「あ、はい。」


普通に1人で帰っていった。


毎回チャイムが鳴って教室に放置されるというのは変わりませんね。

でも今日はいつもより多く話せましたね。

ってまだまだ謎が多い先輩ですが……って謎の塊のような気もしますが……。


面白いってことに変わりはありませんね。

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