第46話 郵便局
水曜日。
俺は放課後のなると。いつものように特別棟3階に行ったが…。
今日は教室には入らず。教室の前で待機している。
理由は…。まああのここ最近この教室にやってくる後輩に言われたからだな。
俺真面目。というか。まあ月曜日の放課後帰る時の事をちゃんと覚えていたのでね。
とか思いつつ。特に何もすることなく立っていると…。
「あれ?先輩教室の前で何しているんですか?」
いつもの後輩の声が聞こえてきた。良かった良かった。これで今日に限って後輩が来なかったらどうしようかと思っていたよ。とか俺は思いつつ…。
「やっと来たか」
「いやいや、やっとって放課後になってまだ3分くらいしか経ってませんからね?私これでもかなり早い方だと思いますよ?先輩が来るのが早すぎますからね?ってなんで廊下に居るんですか?ついに勝手に使っているのがバレて入れなくなりましたか?」
「いや、言っただろ?今日は郵便局に行くんだよ。切手買いに」
「あー。そういう事ですか。ってことはこれは待ち合わせだったんですね。ってことは…。待った?」
「はいはい」
何がしたいかわからんが。後輩を待っていたことで少し時間を無駄にしたため…。早く郵便局へと向かいたい俺だった。
「うわー。美少女の演技を流しよったよこの先輩。ひどーい」
「お前たまに変な話し方するよな」
「この先輩マジで叩きましょうか」
「もう叩かれたことあるんだが。っか行くぞ」
「あっ、はい。付いていきます」
ということで俺たちは教室に入ることなく。下駄箱へと向かった。って、なんだよこの無駄な行動である。
すると移動中。後輩が話しかけてきた。
「そういえば先輩」
「うん?」
「いろいろ聞きたいことがあるんですが。なんで先輩パズルばかりやってるんですか?」
「いや好きだから。あとプレゼント目当て」
「プレゼントも目当てだったんですね」
まあ暇つぶしからスタートだったんだがな。でも今は暇つぶしと…。プレゼント目当てだな。とか俺は思いつつ話を続けた。
「結構当たるぞ?」
「えっ?そうなんですか?」
「じゃあちなみに最近当たったものは何ですか?」
後輩に聞かれたので俺はちょっと最近当たったものを思い出す…。思い出す…ってその前に…。
「えっと…。って靴持ってくるわ」
「あっ、はい」
後輩と話していると下駄箱に到着したため。
俺は後輩と一時別れた。話の途中だったんだがな。まあとりあえず靴に変えないと郵便局向かえないしということで話は一時中断。
そして靴に変えてから…。また後輩と合流した。
「で、何話していたっけ?」
「いやいやプレゼントですよ。記憶力大丈夫ですか?」
いや、うん。大丈夫と思うがな。
まあいきなり先ほどの話を再開するより良いかと思って言ってみたんだが…。どうやら俺の頭の心配をされただけだった。うん。会話とは難しい。やっぱり1人の方が楽だなとか思いつつ…。
「めっちゃ馬鹿にしてるよな?」
「先輩馬鹿ですからね。で。何が当たりましたか?」
「馬鹿馬鹿よく言うやつだな…。ってまあ最近ってか今年だと…。図書カードだろ」
「それはまたパズル買うのに役立ちますね」
「後はグルメカタログも当たったな」
あれは…。親が喜んで勝手になんかケーキ。お菓子もらっていたな…。とか思いつつ。
「ほー、そういうのもあるんですね」
「あっそうそう5000円当たったな」
「現金も当たってたんですか。って結構当たってますね」
「で、1か月くらい前に置き型のゲーム機当てたな」
そういえばゲーム機どうしような。
ソフトがないから普通にまだ置いてあるんだよな…。と俺が思っていたら。何故か後輩が騒いでいた。
「ちょっと待ってください。先輩めっちゃ当たってません!?」
ふと後輩を見てみると…。なんか驚いた表情になっていた。
いやまあそりゃなんか今回はよく当たるな…。とは思っていたが。まあ俺自慢ではないがかなりの種類のパズル雑誌をやって応募してるからな。
当たる時はポンポンと届くんだよ。うん。
「まあ今年はよく当たる時だったみたいだな。当たらない時は当たらないが。っか切手代やら本代があるから損しているかもだがな」
「いやいやゲーム機当たる時点でプラスでしょ。って、あー、先輩ハガキとかも買ってますもんねー」
「送らないと当たらないからな」
そう懸賞とかプレゼント。どうせ当たらないから無駄なことしない…。という人もいるかもしれないが。そもそも送らなければ何も当たらないからな。うん。送るの大事だぞ。
「っか先輩そもそもなんで家でパズルしないんですか?学校より集中できると思いますが?私なんかが邪魔してくることもなかったんですから」
「邪魔している自覚はあったか」
「いやだなー。邪魔してるなんて。してないですよー」
「いやいや今自分で言ったよな?」
「さあ?」
「お前の方もなかなかの記憶力だな」
「失礼ですねー、先輩は。でもまあ私は優しいので許してあげましょう。ってか。なんで家でしないんですか?」
「いや。まあ親がな…」
そう。ホントは家でやっていればいいんだろうが…。ね。俺の親は…。とか思っていたら。
「あー、あれですか。パズル禁止!とかなんですね。大変ですね」
「いや逆」
「逆!?」
「親もパズル好きすぎてな。俺がやっていると勝手に口挟んできて。最悪本持ってかれる」
そう。そういうことだ。もうわかっている気が付いている人もいたかもしれないが…。
俺のところの親は…。というか家族全員がこういうパズル好きなんだよな。
自分用に買っても気が付いたら終わってるとかいうこともあったし。
だから家ではなかなかな。ゆっくりとパズルが出来ないんだよ。ちょっかいもかなりの確率で入るし。
「…。パズル一家だったかー、ってじゃあなんで火曜日と木曜日は先輩放課後居ないんですか?」
「うん?あー、火曜と木曜土日は親が2人とも居ないってか。俺んとこ店しててな。月、水、金はお手伝いさんが居るからで母親が家に居るからいいが後は2人ともいなくてな。家事しないといけないからだよ」
「なんと。先輩家事出来るんですか?」
この後輩。今嘘ですよね?みたいな感じでこっちを見ているが…。いやいやできるからな?俺普通に火曜日や木曜日。土日は家事してるんだからな?である。なので強めに…。
「できるからな!?」
「うそだー」
と言ったのだが。即嘘だろうと返された悲しさである。マジでやってるんだがな。
「してるからな?小学生の頃からしてるんだから」
「あっ。なかなかの期間。ってお店してるんですか?」
「ああ。気持ち悪いほど仲良しでちょっとしたお菓子屋をな」
「うわー。なんかイメージが出来ないんで。そのうち訪問します」
「やめろ」
「なんでですかー。お客さんですよ?お客さんは大切じゃないですか?」
「いや…。お前見てるとなんかいつも乗っ取ってくる母親に見えてくるから」
「私ママじゃないから!」
バン。
なんかいきなり叩かれたんだが…。って俺なんか変な事…。言ったような言ってないような…。ってうん。こいつ母親となんか似てるんだよな…。嫌なこっただよ。学校でも似たようなちょっかい出してくる人が居るとか。ってかこいつ…。
「地味に力強いよな」
「失礼な事言いましたからね」
「っかマジで…。なんか意気投合とかされたら勘弁だから」
「ってことは…。なるほどやっぱりこれは訪問確定ですね」
「絶対教えん」
「えー。って先輩。郵便局通過してますよ」
と後輩に言われて気が付いた。
目的地だった郵便局を話していたら通過していたという。ちょっといろいろ話過ぎたな。うん。
「マジだ。お前が変な事言うから」
「私変な事言いましたっけ?」
「訪問とか言うからだよ」
そんなことを言いながら俺たちは空いた自動ドアをくぐり郵便局の中へと入っていった。
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