第47話 郵便局2


ここの郵便局は町にあるというか。まあ小さな郵便局だ。

都市部にあったりする大きな郵便局ではないので。所長さん?と職員さんが2人。または1人居るだけの小さな郵便局。

そして俺がかなりの頻度で利用している郵便局でもある。


「こんにちは」


俺はいつもの流れで職員さんの方に向かって挨拶しつつ窓口へと向かう。そして俺は…。


「えっと94円の切手30枚ください」

「はい。94円30枚ですね。2820円になります」


俺は入ってすぐに職員の人に切手を頼んで…。支払いをしていると…。後ろから…。


「先輩先輩」

「なんだ?」

「いえ、なんで切手買ってるんですか?」

「え?」


こいつ…。なんで郵便局に来て切手買っていることがおかしいようなことを聞いてくるのだろうか…。と俺が疑問に思っていると…。


「いや、だって月曜日に封筒に入れるまでしてましたよね?だったら封筒渡しちゃって貼ってもらえば…」


と後輩は言ってきたのだが…。うん。いやね。まあ…。と俺が説明する前にどうやら後輩は気が付いてしまったらしい。


「もしかして…。封筒を家に忘れてきたと」

「…」


うん。1発で当てられた。

そうなんだよ。なんか知らんが。封筒を普通に家に忘れてきたんだよ。悪かったな。である。


「お馬鹿ですね。二度手間ですね」

「うるさいな」


そんなことを後輩とと話していると。窓口の職員さんが切手を準備して…。渡してきた。


そして…。


「今日は彼女さんと?」

「えっ?」


いきなりそんなことを聞かれたのだった。

まあ職員の人とは普段も少し雑談するからな。ちょっとしたことはいつも話していたのだが…。ってか今日は俺なんかおまけを連れてきてしまったから…。気になるよな。うん。ということで事実をとっとと伝えることとした。


「これ単なるストーカーですから」

「ちょっと待てい!ストーカー!?」


事実を言ったらなんか後ろで騒いでいるやつがいた。いやいや事実だろ。と俺が思っていると…。


郵便局の職員さんは…。微笑ましく?というのだろうか。そんな表情でこちらを見つつ…。何か思い出したのか後ろを向いた。


その間に俺は後ろにいるやつに再度言った。


「ストーカーだろ?」

「意義を申し立てます」

「窓口前で騒がないように」

「なっ…。先輩が真面目なことを…。ってことでこの後に異議を申し立てます」


と後輩とそんなやりとりをしていると…。


「ホント仲良しね。あっ、よかったら2人とも飴どうぞ」


いつの間にかこちらを向きなおしていた職員さんの手には小さなカゴが…。そして後輩に向けてカゴが差し出されていた。


「えっ?あっ、ありがとうございます!」


後輩が受け取ると職員さんは俺の前にもカゴを…。だったので1つ飴玉を俺ももらった。


「どうも」


ということで郵便局で切手を買って少し職員さんとの交流?があった後。

俺達は郵便局を後にした。


ちなみに…。まだ後輩が後ろに居る。なので俺は早めに…。と思いつつ。


「じゃ」


と別れの挨拶をしたのだが…。


「いやいやもう解散ですか?」

「郵便局に切手買いに来ただけなんだが…」

「まだ普段なら下校時間になってませんよ。ってことで寄り道しましょう」

「いや、帰るから」

「いやいや先ほどのストーカー発言に関しては文句を言わないとなので。まず目の前にある自動販売機で紅茶の購入を先輩に希望します」

「いやいや帰る」

「ダメです」

「なんでだよ」

「いいから買ってください。かわいいかわいい美少女ちゃんのお願いですよ?」

「自分で言っていて恥ずかしくないか?」

「美少女ですから」

「…」

「うわ。この先輩ひどーい」


この後輩なんというか…。なかなか帰らせてくれない後輩も酷いと思うのだが…。と思いつつ。まあ無視して歩き出せばいい気もしたが…。まあそれをすると間違いなくうるさいので…。っかこんなところで騒がれてもだからな。下手したら郵便局の人に見られるかもしれないし。うん。


「…。まあうるさいから買うけど」

「優しい!」


結局後輩に飲み物を奢った俺だった。

ちなみに俺はお金を入れるだけ。

そしたら後輩は自分でぽちっとボタンを押して飲み物取り出していた。


まあ俺に「何が好きだと思いますか?」的なのが来るよりはるかにマシだったな。うん。自分で勝手に買ってくれてありがとうである。


そしてその後輩は今は俺の隣で飲み物を飲んでいる。


「あー、歩いたから美味しいですね。って暑い中美少女ちゃんを歩かせたのでマイナスですね」

「何がマイナス何だか」

「そりゃ…。なんですかね?」

「考えてから言えよ」

「まあまあ、放課後デート楽しいじゃないですか」

「単に付きまとわれて。ジュース買え言われたんだが…」


うん。今デートとかこいつ言っていたが…。どこにデート要素があったのだろうか。である。

ってか結局その場で少し後輩と話すことにその後もなったので俺も飲み物を買って、まあ話相手というのかそんなのをしていたので…。ホント帰れなかった。うん。


なので俺はタイミングを見計らって飲み物を…。飲み終えたタイミングで…。


「よし。飲んだし帰る」

「ちょ」


と動きだすと…。まあ後輩も後ろを慌てて付いて来たのはわかったので…。


「自分の家帰れよ。明るいけど遅くなるとだろ」

「…」


と途中の交差点で声をかけると後輩は大人しく止まってくれたため…。まあ無事にというかやっと帰れた俺だった。


後輩が止まるのを確認したら俺は即家へと歩き出したので…。その後の後輩の行動は知らない。


まあ多分俺の気のせいだと思うが…。


「逃走早っ」


とかそんな声が聞こえたような…。聞こえなかったような…。

でもまあ気のせいだろうな。後輩なんかの相手をしていたから疲れたからなんか違う言葉がそう聞こえたのだろう。うん。


と、ちょっと今日はいつもと違う放課後でしたとさ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る