第4話 お絵描きロジック3

諦めない私は翌日の放課後も特別棟の3階の隅っこの部屋へと行ってみると……。


「いた」


今日はいた。普通に居た。

今回は前みたいに中の様子をうかがうことなく。私は普通にドアを開けて中に入る。が、ドアを開けた時に先輩がこちらを見ることはなかった。なんで無反応なのだろうか……。


そして近づいてみると先輩はまた1人で黙々と…。マスを塗っていた。2日目前にしていたのと同じ雑誌らしい。2日目より少し進んだ気がする。って2日目に結構していたか。


「……」

「あっ」


すると、チラッと一瞬だけ先輩はこっちをみた。

ヤバイ。怒られる?とドキッとした私だったが。先輩はすぐに視線をパズルの方に……だったのだが。


「……また来たのか?」


と、再度顔をあげて聞かれたので。


「はい。面白そうな事していたので!」


と私が答えると――。


「……」


先輩は少し私を見ていてからまたパズルの方へ。


「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……あれ?」


いやいや、会話終了?えっ?ですよ。えっ?マジで終了?

先輩はそれから声を発することなく。黙々とパズルをしていた。


これは…。本当に会話終了だったらし。


それから私が何度近くで見たり。話しかけたところで……先輩が返事をすることはなく。結局チャイムが鳴るまで先輩はまたパズルとにらめっこしていた。


♪♪~


先輩が塗って現れる綺麗なイラスト見れましたけど。っておかしいよね?私がおかしいのかな?


なんで私無視され続けた?とかをチャイムがなったらからも考えていた私。

すると私の前では先輩が2日前と同じようにパズル雑誌を片付けて筆記用具も片付けて。立ち上がった。


ここで今日は何か話しかけてくるだろうと私は思っていたのだが……。

思っていたのだが……。


先輩は普通に静かに帰って行った。


「……」


まさかの2回目のスルー。無視?された私だった。


私……今日も先輩の前に居たんですけど。目の前で見ていたんですけどー。

が……まあ私はスルーされた。


その場で目をパチパチしていたら……先輩は本当にいなくなっていた。ドッキリ的な感じで戻って来るということももちろんなかった。


特別棟3階の教室は静かになった。

まあ今までも先輩のマスを塗る鉛筆の音しかなかったんだけどね。


「全くわかんない」


と、私のつぶやいた声が良く聞こえたくらいだった。


……。

……。

……。


そして翌日は先輩留守。私がまた1人で特別棟3階に居るという光景だった。


特に何もすることなく待っていた私なので……曜日でも行ってようか。


「今日は木曜日です」


もちろんそんなことを私が行っても返事をくれる人は居なかった。って私1人で何してるんだろう?ってもし今誰か来たら思われそうである。


それからも椅子に座ったり。教室内をぶらぶら。そして廊下を覗いたりしたが先輩は来なかった。


……。

……。

……。


そして翌日は金曜日。


放課後私が特別棟の3階に行ってみると――。


「居た」


先輩は普通にまたマス塗りをしていた……って今回は今までの雑誌ではなく。なかなか大きな紙の問題をしていた。机いっぱいに紙を広げていた。私はそんな状況を見つつ。


「こんにちはー」


と今日はちゃんと挨拶をして先輩の横。正面へと行ったが……。


「……」


先輩は安定のスルーだった。あれ?もしかして私嫌われてます?


とか、思いつつも。出て行けは言われないのでまた先輩の前で見ていたら……しばらくして先輩がやっていた大きな問題が終わり。かわいい動物たちのイラストがたくさん現れて私がのぞき込んでいた時に…。


「……また来たのか?」


――って、なにこの時間差。

びっくりだから。私はもう話しかけたこと忘れてるから!

無視されてる思ったのにいきなり話しかけないでよ!。である。ホントびっくりしたから。ってえっと返事返事。


「……えっ。あ、まあ、暇だから来ました」

「そうか」


少し話すと先輩はまたパズル誌へ。って、もしかしてこれで会話終了かい!?


ってか。もうすぐパズル終わりですね。気が付いたら雑誌の最後の方の問題を先輩は始めた。

ってか。パズルしだすと先輩全く私を見ないんですけどー。


♪♪~


そして下校時間のチャイムが鳴ると先輩帰っていった。私3度目の放置でした。


まあ1週間でわかったことは……。

先輩パズルばかり放課後にしている。1人。話は少ない。反応のタイミングが謎。

あと月曜水曜金曜日だけ現れる?かな。うん。まあでも楽しそうな雰囲気だね。


謎ってか――おもしろそうだった。 

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