第41話 ハリセン

金曜日の放課後。いつもの場所。

特別棟3階の教室に…。通常は響かない音が響いていた。


パシコン!


それはいきなりだった。教室でいつものようにパズルをしていた俺は何故かハリセン?で後輩に叩かれていた。


そして俺をハリセンで叩いた後輩は…。

めっちゃいい笑顔をしていた…。

うん。謎だ。謎過ぎる。この後輩はなんで人を叩いて笑顔なんだよ。マジで謎すぎるわー。である。


なのでさすがに俺もパズルに逃走ではなく…。


「な、なんだよ。急に。っか痛いわ」


文句を言った。いやハリセンで叩かれたからな。さすがに俺はパズルを中断して後輩を見たよ。

すると…。


「先輩。なんで、水曜日私をほって帰ったんですかー!」


怒られた。って。あっ、なるほどそういえば水曜日この後輩めっちゃ集中していたな。と俺は思いだしたが…。ほって帰っては無いような…。頑張っていたから。そっとしておいたのだが…。って待て待て。

なんでこいつ怒りながら?めっちゃ楽しそう。笑顔なんだよ。マジでわからん後輩だな。

っかホント痛いな。おい。である。

っかなんでハリセンがあるんだよ。どこから出した?持って来たである。が…。まあとりあえずは…。

まあ水曜の事実をだな。言わないとな。


「いや、お前めっちゃ集中してたし」

「いやいや、チャイム。下校時間になったらですね。声かけますよね?なんで放置なんですか!」

「まあ頑張ってたからな」

「いやいやいや。ってか先輩に放置。見捨てられた私はおかげでコソコソ帰るはめになったんですからね!」

「…。いつまでしてたんだよ」


いや、マジでもしかして夜中までいたのだろうか…。気が付いたら真夜中とか?それはそれで…。こいつ面白すぎるんだが…。

すると…。


「もちろん問題が終わるまでですよ!」


と言いながら貸してやった小冊子が机にポンと軽く叩きつけられた。なるほど笑顔だが怒っている。のアピールか。

多分だが…。っか実はドキドキワクワク体験できました!ありがとうございます。ではないかと思ったが…。まあそれはないか。まあ変に裏?を考えてもなので…。


っか、この後輩小冊子のパズル全部できたんだな。

ってことで…。


「あー、出来たんだ。最後難しかっただろ?」


と言いながら小冊子を手に取り…。パラパラ確認。そして…。チェック。うん。出来てるじゃん。あと字綺麗だな。この後輩。とか思いつつ見ていたら…。


「…。ホントマジ悩みましたよ」


後輩がつぶやいていた。まあ最後とか地味に難しい問題だったからな。


「でも…。全部合ってるみたいだな」


俺は再度パラパラと問題を確認。うん。これで小冊子は終了だな。

ってことで…。


小冊子の確認が終わると…。俺は今やっていたパズルを再開した。


まあまだ後輩はなんか言いたいかもだが…。俺特に何もないんでパズルに戻ったんだが…。どうなるか。なんか言ってくるか?と俺は思ったが後輩は…。静かにこちらを見ていた。

なので俺は…。普通にパズルが出来てよかったよかった。だったな。


「…」

「…」

「…」

「…」


結局それからずっと後輩は無言。ってか静かだったな。

静かってことは集中できたので無事に最後の問題まで俺はたどり着いたのだった。

教室に来た時はいきなり叩かれたが…。その後はびっくりするくらい静かな教室でしたとさ。

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