第42話 悩んでいる子

先週は漢字の勉強ではないが…。まあ漢字のパズルをしていた俺。


まああれをやっていればそこそこ漢字を覚えたり熟語。四字熟語を覚えたりはできるかと思うが…。まあ学校の勉強。試験に役立つかは微妙だな。

ってそのことはまたでいいか。


結局先週の金曜日はちょうど最後の最後の問題が終わると同時くらいにチャイムが鳴って…。うん。完璧なタイミングだった。


…。

…。

…。


「ぴったりですね」


とか後輩に言われたんだよな。

まあ確かにホント奇跡的なくらいぴったり終わったな。そして俺は片付けをしつつ。


「ああ、小冊子やってもらってよかったわ」

「って、今週中に終わらないから私にやらせたんですか?」

「そうだが?」


うん。いや協力ご苦労的な?


いや、うん。毎回来てるしなんとなく言ったらやってくれたというか。楽しんでくれてると思ったのだが…。


何故か…。帰ろうとしたら後輩にハリセンでまた叩かれたんだよな。痛かったわ。あれは…。


パシコン!


まあいい音がまた教室に響いていたよ。思い出すだけで痛い。

そして叩かれた俺は…。後輩といろいろ言い合っていたな。

こんな感じに…。


「だからなんで叩かれるだよ」

「気分です!」

「俺先輩だよな?」

「さあ?」

「おい」


とまあそんなことがあってから帰った俺だった。ってマジでなんで叩かれたのかだよ。それはわからなかったな。


っかこいつ絶対に俺のことバカにしているよな。ってのはわかったんだが…。謎な行動が多すぎるんだよな。あの後輩。


とまあこれが先週の金曜日のその後だ。


…。

…。

…。


そして今週はまたパズル雑誌が新しくなる。


先週無事に終わったからな。


ちなみに現在はかわいいイラストが隣同士とかに並んだものを…。

って普通に今やっているまちがいさがしのことを説明しようとしていたら。今日も普通に放課後教室にやってきた後輩が聞いてきた。


「先輩なにかわいいイラスト見てるんですか?」

「いや、普通にこれまちがいさがしだが?」


そう。まちがいさがし以外に何があるんだよ。と、思いつつ返事をちゃんとしてやると…。


「急にレベル下がったー」


とかなんか後輩が騒ぎ出した。

っか失礼だな。レベルは下がってないしむしろ…。


「いやいや、レベルならめっちゃ上がったぞ?」


と後輩に言ったのだが…。どうも信じていないらしく…。

さらには…。


「はい?まちがいさがしですよね?そんなの私でもスラスラ出来ますよ?」


とか言っていたので…。まあまたやらせてみたらいいか。と俺は思い。


「ならするか?」


と後輩に聞いてみた。


「はい?」


そして俺はなんか驚いている?後輩にパズル雑誌を渡したのだった。


俺が雑誌を渡すと、とりあえず雑誌を持った後輩はいつも自分が座っている場所。

俺の前だな。その椅子に座り…。


「やってやりますよ。すぐに終われせて見せますからね。これくらい余裕です。朝飯前です。えっと…。この問題は…。まちがい1つ…。はい!?1つの間違いを探すんですか!?」


とかなんか騒いでいるが…。

まあこのあと楽しそうなことになりそうだったので…。


「その問題はそうだな。ほらスラスラどうぞ」


と俺は言いながら後輩の様子を見ることにした。

そして後輩はその後すぐに問題をはじめたが…。


「1カ所…。1カ所…。ここは…。一緒」


…。

…。

…。


「ここも一緒…。ここ…。ちょっと違…。いや同じか」


…。

…。

…。


「あっ色が…。いやこれは同じか。大きさ…。うーん」


…。

…。

…。


「ぬぬぬ…」


うん。後輩がめっちゃ悩んでいた。そして頭を抱えていた。

けれど今のところまちがいは見つからないらしい。


まあ1枚のイラストでまちがい1つはなかなか難しい方だからな。


が、見つかると気持ちいいぞ。と思いながら俺が見ていると…。


「…」


完全に後輩はフリーズしていた。まちがいがやっぱりわからないらしい。


「めっちゃ難しいだろ?」


と、途中で俺が後輩に聞いてみると…。


「黙っててください。気が散ります」

「はいはい」


怒られた俺だったが…。

この後輩見つからないのがかなり悔しいらしい。

ってか焦ってる?


別に見つけれなかったら罰ゲームとか言ってないし。普通に軽い感じでやって…「こんな難しいのわかりませんよ!」とか言ってくるかと思ったが…。

こいつ負けず嫌い?そういや小冊子もなんやかんやで完璧に終わらせて返してきたからな。ってか、そんなことを思いながら見ていたら俺はまちがいを見つけた。


っか、ほんとこの後輩ガチで悩んでいる感じだった。集中している?のかはわからないが。イラストとずっとにらめっこをしていた。


それから少しして俺が暇になったというのもあるが一応報告として…。


「ちなみに俺見つけたから」


と言ったら…。


「先輩。うるさいです」


また怒られた。っか、雑誌貸したから俺することなし。見ているだけになってしまったので…。


「…。暇だな」


と今度はつぶやいてみたら…。


「普段の私は大人しく見てます!」

「はいよ」


と再度怒られた?のかはわからんが。そんなことを言われたので俺はそのままおとなしく見ていることにした。


さらにしばらくすると…。


「…。わかんない…」


そんな声が聞こえてきた。なので待ちくたびれた俺が…。


「答えは…」


と言い出したらすぐに…。


「あー、まだまだ」


とか後輩に言われた。

でもよマジで俺暇なんだよ。超暇。することない。


だったので…。


「いやいやこのままだと俺が出来ないんだが」

「いいじゃないですか」

「いや。暇だし。いろいろ予定が詰まる」

「私がわかるまでダメです」

「…」


うん。


いろいろ言ったがまあ雑誌は返ってこない雰囲気だったので…。

これは雑誌を貸したのがミスだったか…。と思いつつ。俺は切り離してあった応募ハガキに必要事項を書いて待つことにした。


パズルの雑誌には何枚か応募ハガキがあってな。


まあ住所や氏名、年齢、電話番号とか書いたり…。って。そういやたまに職業もあるが…。あれってなんかのデータになるのだろうか?どの職種が雑誌を買っているか?とか言う調査でもしているのだろうか…。とか思いつつ俺はハガキを書いていった。


ちなみに応募ハガキ以外にも普通のハガキや封筒での応募も可能なパズルがある。


ってか住所やら書くのって地味に大変なんだよな。

ふりがなも居るし。とか思いながら俺は朝熊…。やら郵便番号やらやらを書いたりして後輩がまちがいを見つけるのを待っていると…。


「あったぁぁぁ!!石ころの形だぁぁぁ!」


ついに長き戦いを後輩は終えたらしい。後輩は叫んでから机に潰れていた。


「やっとか」


俺は応募ハガキを書く作業をやめて後輩の方をみた。


「ふん、見つけましたからいいんです。私は頑張りました」


とかなんか言っていたが。とりあえず問題をやりたいので…。


「はいはい。じゃ返してくれ」


と俺が言うと意外とあっさり後輩はパズル雑誌を返してきた。

どうやら満足したらしい。というか。も疲れて何もやりたくないとかそういうやつかもしれない。


ってか俺がパズル雑誌を後輩から返してもらって問題を始めてすぐだった。


♪♪~


下校時間を知らせるチャイムが鳴った。


「え?」

「あー、終わったか」


そろそろ鳴るな。とは思っていたが。パズルをはじめてすぐ。下校時間となったのだった。っかチャイムが鳴ると後輩がめっちゃ驚いていた。


「え?えー!もう下校時間!?」

「だな。明日頑張るか。誰かがずっとやっていたからな」


俺はそんなことを言いながら片付けを始めると…。


「あ、いや、先輩…。その…。なんかすみません。時間がこんなに経っているとは…」


何故か後輩が謝り出した。


まあずっと悩んでいたからな。パズルはできなかったが。まあ宛先書いたりしていたから俺は別にいいんだが…。と思いつつ。


「いや、問題数は少ないから問題なしだ」


と言っておいた。

まあ漢字やらやらのパズルよりまちがいさがしは問題数少ないのでね。

多少の遅れは問題なしだ。


「そうですか」

「じゃ」


そして片付けが終わった俺が立ち上がり帰ろうとしたら…。


「あ、先輩途中まで一緒に行きましょう」


とか急に後輩に言われた。


「え?なんで」


と俺が聞くと…。


「なんでって、下駄箱までは絶対同じですよね?」

「…。たしかに」


うん。そうか。そういえば下駄箱までは必ず同じだよな。下駄箱って1箇所だけだし。と俺が思っていると…。


「まさか、今まで下駄箱も違うとか思って1人で…。帰ってました?」

「い、いやいや、そんなことはないからな」


ほんとだよ。何を馬鹿なことをこの後輩は言ってくるか。って…。いやちょっとは思っていた。何故か勝手に教室出たら別々だろ?っと。いや、うん。なんで教室でたら…。と俺は思っていたのか…。だが。

うん。まああまり触れないが正解だな。とか思っていると…。


「怪しいですが…。まあ行きましょう。いつも放置されて寂しいんですから。ってか背伸びー。身体バキバキー」

「猫背でしてるからだよ」


と、まあなんか流れで後輩と教室を出ることになった。

そして学校の校門までは一緒に歩いたのだった。

何気に初めてのことをした俺だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る