第36話 体調不良ではない

今日は雨だ。

ちょっと薄暗い教室だが…。窓際なら問題なくパズルはできる。薄暗いなりにも電気をつけなくてもいけるレベルだったからな。


ってかこのどんより感は…。俺のこの後の未来をいっているのだろうか…。いや先週のことがあってというのか。

まあ喧嘩とかではないが。言葉のミス?があったからな…。

あいつが休みで忘れてくれるか…。まあここに来なくなるか…。とか思いつつ。

俺は放課後になると。いつものように特別棟の3階。隅っこの部屋に居る。


するとドア開いて…。っかなんか今日は遠慮なくこっちに向かってきているような足音が…。これヤバイ?やばいよね?うん。どうしましょうかね。


…。よし。また気がつかないフリ作戦か。これしかないな。新しく買ってあったパズルになったし。問題数には全く問題はない。ずっとできる。うん。


よしパズルパズルパズルパズルパズルパズルパズルパズル…。

ってか。今回の問題は難しいから普通にやってればいいか。

いやさ、1人の時にしてしまおうと。今日は最終問題。最難関の問題からやっているからな。

そう簡単にはできないだろうし。とか思っていると…。


「先輩」

「…」


うん。声かけられたが…。ちょっと待ってくれ。マジであと1箇所ってか。引っかかり?てかスタートがな。今見つからなくてな…。っか声が怒ってませんかね?気のせい?気のせいだよね?って引っかかりが…。見つからん。


「いきなり無視されたー」


だからちょっと待ってくれ。今…。なんか見つけそうなんだよ。あー、やっぱり難しい問題は楽しいが…。マジで進まん。


…。

…。

…。


そしてマジで俺はずっと考え込んでいたからか。

少しすると前から心配しているような声が聞こえてきた。


「先輩どうしたんですか?頭でも痛いんですか?大丈夫ですか?」


そしてさらに俺に近づいてきたのか。声がいつもより近くで聞こえてきた。


が。

あとちょっとあとちょっとで見つかる…。いやこの辺りが怪しいんだよ…。多分。だからマジでちょっと待ってくれ。


「…」


ちなみにだが今俺は。数独の激鬼ムズ。とかいう問題をしている。

いや1番最後にな。信じられないくらい。わけわかんない問題がついてるんだよ。まあ解けない問題ではないんだが。ヒントはほぼないし。引っかかりを見つけないとなんだが…。それがな見つけるのマジで大変でよ。


数独は1から9までしか数字は入らないはずなのに進まないんだよ。あったまに16までの数字を使うのもあるがな。基本1から9だ。


だからはじめは頭が痛くなるが…。解けた時がめっちゃ気持ちいいんだよな。

っか今回のはマジでわからん。とか俺が思っていると…。


「ひまー」


とかいう力の抜けそうな声が聞こえてきた。

いや、マジで聞いたら俺も力抜けたわ。

ちょっと一瞬かわいい。とかも思えたが…。いやいや待てである。俺はかなり必死に探しているんだから…。


…。

…。

…。


そしてその「ひまー」とかいう力の抜ける声から1時間くらいしてから…。

ついに引っかかりを見つけた俺は…。ゆっくりと問題を解いていき…。


…。

…。

…。


…。ペンを置いた。


「…。できたー」


そして俺は背伸び。

いやー、できたよ。

なんとかなったよ。

いや埋まり出したら早いからな。はじめが見つかるまでが大変なんだよ。この問題はホント。

にしても疲れたー。めっちゃ疲れた。寝転びたい気分だ。まあでも、できたからスッキリ。だな。よし。俺頑張った。


とか思っていると俺の前でかなり前になると思うが「ひまー」とか言っていたやつが…。


「やっとできましたか。お疲れ様です先輩。そしてひまーでした」


と言ってきたので…。


「あー、また居たんだな。ってか暇と言われても知らん」


と返したのだが。あまりに難しい問題をやり終えてスッキリしていたからか。先週のことなど俺はすっかり忘れていた。


って。多分だが向こうも普通に話していたからこのことに関して俺がこの後思い出すことは…。なかったんだがな。


「毎回居ますからね?暇なんです」

「っか…。お前はなんでいるんだ?」

「え?まあ今日は暇でしたが。見ているのは楽しいですから」

「何が?」

「だから…。観察?」

「…」


観察?観察ってなんだよ。それ面白いになるのか?意味わからん。とか思っていると…。心を読まれたらしい。


「あ、意味わかんないから無視しようって思いましたよね」

「…」

「無視だー」

「…」


うん。なんか変に考えると心を読まれそうだったんでね。っか、観察とか意味わからんのは意味わからんよ。

ってか、今日はまだ一問だけ。休憩もしたし。はじめの問題をやっていくか。とか思いつつ俺は…。


「…。集中できるときに難問終わらすつもりだったんだがな。難しかった」

「え?」


あっ。自然と余計なことを呟いてしまった。これは余計な事だったな。うん。


うん。よし。

パズルやろう。パズルパズルだ。

はじめの問題は楽勝だからな。ヒントいっぱいどんどん数字が埋まるならな。と始めると…。


「早っ!」


とかいう驚きの声が聞こえてきた。


それからしばらく俺がどんどん問題をやっていたのだが…。前にいるやつはなんか驚いている?ような声だけ出していて…。って、これ見ていて楽しいというか。驚きってどこから出るのだろうか…。とかもたまに俺は思いつつも。

スラスラできる問題を一気にやっていると…。


♪♪~


チャイムがなった。

うん。疲れた。今日はいつも以上に頭使った。ってことで…。


「じゃ」


と。言ったら…。なんかぶつぶつ言われるかと思ったが。俺の前に居たやつは…。

特に何も言わなかったので俺は片付けをして帰ることにした。


うん。

なにもないっていいな。

変に捕まると大変だが。まあすんなり帰れたからよしだろう。

っか…。パズルをなんであいつはあんなに見ているのだろうか…。


気になるなら自分でやればいいのに…。


ってこれが最近の日課というか。俺の帰り道での考え事になっているな。

なんであいつはいつのか。この問題もなかなかの難易度だからな。

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