第52話 終業式後の特別棟
終業式とホームルームの後。
俺は特別棟の3階で悩んでいたのだが……まあ土日でわからずの事がこの教室に来たら答えがあり。
わかる。とかいうことはもちろんなく――。
俺がこの教室に来てから少しして……。
「やっほー。先輩明日から夏休みでしたね。先輩がいつも通常モードの放課後だったから忘れてましたよー。って……」
ちゃんと後輩はやって来たのだった。
出来ればここに来てほしくなかったが……いやだってマジで名前分かりません。ってな……言いたくないし。とか思っていると……。
「先輩。目のクマやばいですね。寝ました?」
どうやら俺の顔を見たらどのような土日を過ごしていたのか。こいつはわかるらしいので……ここで粘ってもなので俺は正直に……。
「マジでわからん」
「……はい?」
「お前の名前」
「……先輩……ド変態だったんですね」
「なんでだよ!」
うん。なんでわかりませんでした。って正直に言ったらド変態とか言われるんだよ。なんか一気に目が覚めたよ。である。
「いや、何があっても答えて、私を丸裸にしていじめるつもりだったんでしょう?最低ですね」
「まてまて、なんも俺言ってないし。っかなんでそんなことするになってるんだよ」
そりゃ……これだけかわいいやつの……って見たくないから。
見たくないからな?
何を言わせるんだ……って俺が勝手に思っただけか。
ってこれじゃマジでド変態というか。バレないように普通に普通に……だな。とか俺は思いながら――。
「先輩は謎な行動しますから」
「しねーよ。ってか、マジでおまえ誰だ?」
普通に聞いたのだった。
「うわー、ひどーい。一応これでも1カ月以上ここに来てますよ?それに放課後お出かけもしましたよね?」
「勝手に誰かさんが付いてきていたからな」
「まあそれはいいとして……これで私の勝ち。ですかね?本当は紙に答えを……だったんですが……必要なさそうですね。じゃ先輩はなんでも言うことを聞いてくれると」
……その時ふと俺の頭には……そんなこと言うなら……と。
「まてまて、なんか謎なルールになっているが。なら俺からも問題だ。おまえ俺のフルネーム知らないだろ。お前も書いてみろよ」
と提案してみた。
そうだよ。俺もこいつに名前をちゃんと言った覚えはない。うん。これでイーブン。と思ったのだが……。
「なんですか。あ・さ・ま。あ・ず・ま・先輩」
………………こいつ普通に――。
さらっと。それも一文字ずつ。ちゃんと言いやがった。
さらにこいつは教室に無造作に置かれていた……多分昔のチラシ?とかを手に取ると……その裏に……。
『朝熊あずま』
と、書いて俺の前に置いた。
綺麗な字だった。こいつ……なんやかんやで優等生?とか思いつつ……って綺麗な字とかはまたそのうちでいいから……肝心なのは――。
「……なんで知ってるんだよ。俺も言った覚えないぞ。ってか書いてもやがるし」
「まあ先輩から直接聞いたとかではないですね。ってか先輩はお馬鹿ですからねー」
「お前俺のストーカーやらやらでめっちゃ調べたな?実は俺の教室忍び込んだり……」
まさかの俺なんかの追っかけ?いやストーカー?をこいつはして調べていたのか……?とか思いつつ言うと――。
「失礼な。私は誰にも聞いてませんからね?あと先輩の教室は知りませんね。行ったことないので」
「いやいやわからんな。今お前だって俺から直接……って言っただろ?」
「まあ先輩から直接は聞いてませんよ?だって、前に先輩が応募はがきを書いている時にフルネームをチラッと見て。あとフリガナまでしてましたからね。それで知りました。応募はがきに偽名は使わないだろうなー。と思ったので。偽名とかペンネーム?ですか?まあそれでもプレゼントは家に届くのかもですが……まあ普通は本名書くだろうってことであの一瞬で覚えました。なので先輩。とりあえず私の言いなりになってください」
と後輩が言って――あっ。そういえば応募はがきを書いている時に……と。
いやでも短時間だったはずなのに――っかフリガナをしていたのはパズル雑誌に付いていた応募ハガキだけだから……。
ちなみにハガキ大の紙の方はな。
フリガナと記載がない場合は俺書いてなかったので……ってそうなると……あの短時間で…… こいつは覚えたのか。マジか。ある意味すごいわ。とか俺は思いつつ。
「……あの時にってホントちょっとの間だろ。俺置きっぱなしとかしてなかったはずだし」
「マジです。ってことで先輩。たくさんお話をして私の気をそらそうとしているのかもですが、言いなりになってください」
「言いなりとか……」
いや、もうこれ最悪の未来予想図だな。俺この後奴隷にでもなるのだろうか……。こいつの。とか思っていると……。
「先輩にはちゃんと後戻りできないことを言いました。ってことで……部活作りましょう!」
「……はい?」
うん。良い笑顔でそんなことを俺の正面に居る奴は言ったのだった。
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