第51話 終業式後
そういえば今日は就業式だった。ということに気が付いたのは学校に来てからだ。
普通なら明日から夏休み!となるはずなのだが……俺はそれどころではなかった。
いやマジでわからなかったのだよ。
あの後輩のフルネームが。
絶対どこかでは……名前を見ているはず。とか思って休みの間も記憶の中の事を振り絞って考えて。思い出していたのだが……全く出てこなかった。
ちなみに途中気分転換にというか。
まあ土日なのでね。親たちが忙しいため家事をしつつだったのだが……ホント何をしても思い出すきっかけになることはなく。
ついに月曜日の朝となってしまっていた。
ちなみに俺は寝る時間も削って考えていたのだが……。
いや、マジであいつに名前知らない。とか……本人に言えないじゃん。あいつあれでも絶対クラスで、いや学年?下手したら学校内で人気ありそうなくらいのやつだからな。そんなやつを俺は知らないとかになると……。
あいつの事だとなんか変な噂を即流す。という可能性もあるからな。
だから睡眠時間も削ってマジで考えたんだが……。
――。
今のところ1文字もわかっていない。
ちなみに朝一に学校に来て1年の教室を見る――という方法もあったんだがな。
なんか俺の直感的にあいつが朝から教室で待機していたら……それで負けだからできなかったんだよ。うん。
あー、俺があいつを1年と断定していたのはスリッパの色な。スリッパの色を覚えていたからで――というかあいつが先輩先輩と言ってきていたから1年ということは知っていたんだよ。
まあそれが嘘で3年……スリッパも上手にどこかで交換していた……とかいう可能性もあったが……ちなみに2年生ではないのは確定していた。
いや2年なら絶対今までの学校行事で嫌でもあいつを見ているはずだが……。
1年2年の時に俺はあいつを見たことないからな。
まあこれも病気で1年間休んでいました。とか言われたら……なんだが、まあそんなことはないだろうとか思っている俺だった。あいつめっちゃ元気そうでウイルスとかに普通に気力で勝ちそうだからな。
まあそんなこんなで普通に学校に来た俺は、何となく周りの動きに合わせてというか。まあ考えながら歩いていたりしたからな。
ほとんど自分がどのように行動したか覚えてないのだが……うん。気が付いたら式もなんか知らぬ間に終わっていて……ホームルームも気が付いたら終わってしまっていたので……もしかしたらずっと席に座っていた可能性も……だったが。
いや、それはないな。体育館に行った記憶は少しだけあるからな。大丈夫だ。
とりあえずもう放課後ということで――クラス内は夏休みだ!という感じだったが。俺はそんな雰囲気になることはなく。とりあえず特別棟3階の教室で最後の考えというか。思い出し作業をすることにして。移動したのだった。
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