親睦を深めつつ
「……それじゃあ、その目的地とやらへ行くために路地裏に入り込んで、散々歩いて迷った挙げ句に男二人に絡まれて逃げ出した、と。そういう事で良いのかな?」
「う、うん。それでだいじょうぶ」
事態が完全に収束した後、鷹音と紗夜は隣立って街の通りを歩いていた。
放心状態にあった禿げ頭の男は、あの場に放置してきた。恐らくは騒ぎを聞きつけてやって来た警官達が応対してくれるだろうと判断したからだ。
加えて、事情聴取などと言う余計な手間を取られるつもりも無かったので、鷹音は少女を連れて早々に立ち去ったという訳である。
特に行く宛も無く歩を進めながら、鷹音は彼女に、どうして一人で路地裏に入ったのか、その理由を訊ねた。
――行きたい場所があって、調べた地図に従って小道に踏み入ったらいつの間にか道に迷ってしまっていて、大通りに出ようとあちらこちらを彷徨っている最中にあの二人組に絡まれ、追い回された。
紗夜の返答と言うのは概ねこのようなものであった。
どんな理由があれど、非力な少女がたったひとりで裏通りに入るのは非常に危険な事だ。
その旨を話すと、小柄な少女は僅かに縮こまり、「ご、ごめん、なさい……」と消え入りそうな声音で言った。
あまりに恐縮されても困る訳で、鷹音は若干の気まずさを感じて沈黙する。
思えば、今までの生活で年下の女の子とまともに話した経験など、そう多くないように思える。〝年齢が下の少女〟と言う点においては四つ年下の妹がいるが、当然の如くあれは例外である。
同じく気まずそうに顔を俯ける彼女を、鷹音は再度眺めた。
愛嬌のある整った貌はやはり気の弱そうな陰影を帯びていて、彼女の性格が如実に表れていると言える。ありふれた言い方をすれば、紗夜は男の庇護欲を掻き立てられる、そんな容姿を雰囲気を持っていた。
目立ち過ぎない愛らしい顔立ちと頼りなさげな仕草。
時折見せる、穏やかな優しさを思わせる微笑。
今は緊張からかぴしっと背を伸ばしているが、それでも背丈は鷹音の肩に届くかどうかと言ったところ。
こうして傍から見れば、下手をすれば三つ以上の年齢差があるのではと疑うほど。
身に纏っているのは、無地の白シャツに黒染めされたロングベスト、丈の短いパンツとハーフブーツと言う、小さな体躯から受ける幼い印象とは少し掛け離れた、大人っぽい装いであった。
白く細い指を薄い胸の前で絡ませながら、時折、鷹音の顔を見上げてくる。
視線がかち合う度に彼女は素早く顔を逸らすので、気まずさは一層深まるばかりだ。
(……もしかしなくとも、きっと怖がられてるんだろうな)
少年は諦観にも似た溜息を吐く。
無法者二人を力に訴える事なく撃退しようとしたのは良いものの、その方法が些か常識外れだったと、今更になって思えてきた彼である。
殴られるのは嫌いだ。加えて自分から誰かを殴るのも同じくらい嫌いなため、何とかして暴力沙汰に発展する事なく状況に収拾を付けようと思った結果が先程の悶着だったのだが、確かにやり過ぎだったと言えよう。
時として、どうにも一般的な思考判断からかけ離れてしまう事を、鷹音は自覚していた。そしてそれが、自身の持つ機士としての一面に起因しているという事もまた嫌というほどに。
神を屠る極大の咎を背負い、死地を駆ける最先端の戦闘者。本当の意味でその肩書きを有する者は、皆どこかしらに異常を潜めている。
そして、自覚するたびに少年は微かな憂鬱に見舞われるのだ。
沈みかけた気持ちと先程から続く沈黙に耐えかねた鷹音は、不意に問いかけた。
「そう言えば、君が行こうとしてた目的地って言うのは、裏の通りに建ってるの? 此処みたいな表通りから外れた場所には、ろくな建物が無かったと思うけど」
投げられた質問に、紗夜は数瞬の思案を挟んだ後、薄く口を開いた。
「うん。えっと、地図を見ると確かに裏通りにあるみたい。でも、一歩内側に入れば何だか迷路みたいに入り組んでるし、どこをどう曲がって良いのか分からないまま進んでいったら、どんどん柄の悪い人達が増えていって……」
「――ん? 地図?」
鷹音は少女の発したひとつの単語に反応し、首を傾げた。
「路地裏の地形に関しては殆どと言って良いほど位置情報の把握が難しい訳だけど。このご時世、通信衛星サービスが惰弱になった事で一般の地図アプリじゃ見えない領域が増えた所為でさ。ネット上で当たり前に公開されてるものじゃ、裏のルートが載っているマップデータは存在しない筈だと記憶しているよ」
「う、うん。
その瞬間。
ふと、鷹音の頭にひとつの予感が浮上した。
けれどその予感は、どちらかと言えばあまり好ましくないものであった。
ふと顔を顰め、ひょんな事から知り合った紗夜という少女の相貌をまじまじと見つめる。
(……いや、ありえない。こんな虫も殺せなさそうな小さな女の子が、〝あの世界〟に踏み込んでくる筈が無い。まだこの世の中は、そんなに落ちぶれてはいないだろうに……)
差し向けられた鷹音の視線に、しかし少女は気付かない。
何やら物珍しそうに、周囲の街並みをキョロキョロと見渡している。
そんな彼女へと、訊ねる。
「……すまないけど、君が見ていたその地図を見せてもらう事は可能かな」
「え? あ、うん。別に大丈夫……だと思うけど」
曖昧に頷いてから、紗夜は丈の短いパンツのポケットに手を突っ込み、内から小型の携帯端末を取り出した。
それは現代において、残存している各国の人々の間で共通に使用されているスマートフォンの一種だった。
人類の衰退によって日本はおろか世界に存在していた大手電気通信事業者の殆どが揃って撤退した事により、今や無料通信サービスを継続している通信関連の株式会社は、エアクラウド・モバイルグループ、通称『AMG』と呼ばれる事業体のみとなってる。
八年ほど前から少しずつ新規通信事業者の立ち上げが見られるようになり、シェアの割合を伸ばしてはいるものの、未だ世界は当該企業に依存し切っている。仮にその会社が潰走などしてしまえば、人々の生活には更なる波乱が巻き起こるだろうと思われる。
紗夜はAMGが発売した新型端末の電源を入れると、即座にマップデータへとアクセス出来るようにしていたのか、数秒と待たぬうちに画面をこちらに見せてきた。
――この時、鷹音の予想は確信へと変わった。
何故なら紗夜の持つ地図が、彼にとっても見覚えがあるものだったからだ。
確かにこれは一般に生活している者が手に入れる事の出来る代物ではない。
然るべき手順を踏んでようやく入手が可能な、間違っても第三者からの横流しによって得られる類のものでもない
鷹音は紗夜から端末を受け取り、画面に表示されている目的地とやらの位置、そして現在地から最も短時間で辿り着くとされるルートを確認する。
そして漏れかけた深い溜息を呑み込んで、口にする。
「……俺で良ければ、案内するよ」
「えっ? 筱川さん、この建物が何処にあるか知ってるの⁉」
驚愕を露わにして鷹音を見上げてくる少女の顔は、何ともキラキラと眩しく輝いていて。
そんな彼女に、だが少年は僅かな逡巡を置いてから、努めて冷淡な声音で言葉を投げた。
「君が何の目的で〝この場所〟へ行くのか、まぁ大体の予想はついている訳だけど。その上で言いたい。――今の君はまだ引き返せる。これからも平和な世界で生き続けていたいのなら、絶望や悲嘆なんて負の感情と向き合う事が怖いのなら……その小さな背中に、神を屠るという最大の冒涜を背負えるだけの覚悟が無いのなら、今すぐ君はこのマップデータを消去すべきだ」
「……え?」
唐突に告げられる鷹音の台詞に、紗夜は呆然としたように表情を硬直させる。
もしかすればかつての自分も、真実を知らされたときはこんな顔をしていたのかも知れないと、そんな益体無い事を考えながら、鷹音は達観したように細めた双眸に、何やら複雑な色を込める。
そして、出来ればもう赴きたくは無かった〝その場所〟を思い浮かべながら、こう締めくくった。
「とは言え君の自由を俺が縛り付ける事なんて出来ない。だからせめて
※
どうしてこんな入り組んだ路地の奥まった場所に建物を造ろうと思ったのか、かつて少年は何度と無く疑問に思っていた。
余計な厄介事に巻き込まれぬよう道を選んで再び裏通りの世界へと踏み入った鷹音は、紗夜を先導しつつかつての記憶を懸命に掘り起こしながら、細い路地をぐんぐん進んでゆく。
とっくに人や車の喧騒は遠くなった。今はただ、寒気を帯びた風が家屋の間隙を吹き抜ける際の不気味な音しか聞こえてこない。
「……ふむ、この分かれ道はどっちに曲がれば良かったかな。俺の記憶が正しければ右に曲がるのが適切だと思う」
「ここ周辺は何となく見覚えがある。どこかで道を間違ってしまえば必ずここへ辿り着くんだ。すまない戻ろうか」
「マップには載っていないけれど、そこの家を通り抜けさせて貰えれば近道になるんだ。急いでいる時は活用すれば良い」
「あぁ因みに、今の俺達は君の端末が表示している地図とは全然違う経路を辿っている。だから今の内にマッピングしておけば、帰るときに困らないと思う。まぁ『裏町』に入って二十分は過ぎてるし、もう遅いかも知れない訳だけど」
「こういう袋小路になってる場所にはなるべく踏み込まない方が良い。さっき君を追っていた二人とは比べ物にならないほど厄介で暴力的な連中が蔓延ってるからさ。……いやほんと、踏み込んだ後に言うのも何なんだけど」
背後から割れたビール瓶を振り上げて襲ってきた輩の顎を肘で打ち据えながら、のんびりとそのような事を言う鷹音。
そんな彼を、紗夜は遠巻きから何ともハラハラした面持ちで見守っていた。
既に周囲には八人ほど、同じように品無い格好をした男達が倒れている。道を間違えた挙句、野蛮な連中が挙って巣食うエリアに侵入してしまい、幾人もの輩から襲撃を受けたのだ。
けれどもそれを鷹音は 器用に細道などへ誘導しつつ一人一人確実に対処しながら、尚且つ紗夜へここ周辺の区域に関しての情報を教えていた。
少年の肌にも衣類にも一切の傷は見受けられない。
息の乱れも感じられず、とうとう最後の一人を地面へと組み伏せた。
「あぐぁッ……!」
「すまないけど、君達の領域を通らせてもらうよ。俺達はただ、道に迷ってここへ彷徨い込んだだけなんだ」
男の右肩を関節が外れるぎりぎりの力で捩じりつつ、今更のように謝罪をする。
別段、誰一人として意識を失うほどの『返礼』を受けた訳では無い。ある者は足首を捻られて立ち上がる事が出来ないだけ。ある者は頭部を強打されて脳震盪を起こして伏せっているだけ。ある者は鼻骨を折られて痛みにのたうち回っているだけ。
誰も彼も、意識だけはあった。
「それじゃあ行こう。随分と時間を食ってしまったし少し急ぎ目にね」
「あっ、う、うん……」
事の始終をずっと端から見ておくだけだった紗夜は、地面に倒れている男達に少しばかりの同情を抱きながら、鷹音の後を追った。
以降、どんな分かれ道に差し掛かろうと一瞬とて彼が迷う事は無くなった。
周囲も劣悪な環境からは脱したようで、再び気味の悪い静けさが紗夜の身を刺激し始める。肌表面を撫でる風も僅かに寒気を増したような気がして、紗夜は心持ち、前を歩く少年の背中へと近付いた。
「……あの人達、いつもあそこにいるの?」
そう訊ねたのは、辺りに漂う静謐から感じる怖気を少しでも紛らわせようとした結果だろうか。
鷹音は少女の方をチラリと一瞥すると、前を向いたままに応じた。
「そう、彼等はいつだってあそこにいる。雨の日も、雪の日も、台風の日だって変わらずね。もう少し警官の数が多ければ、彼等のような『放浪者』も少しは減るんだろうけど、この裏町は治安の悪さや住宅の密度の高さに反して、巡回する警官の数が少なすぎる。トラブルの巣窟だよ、本当に」
少年の語気には、この街の闇を知っているが故の強さがあった。
この街に限らず、枢機市は総じて無理矢理な土地開発の末に出来上がった地方都市だ。
なるべく人の活気を失わないよう活性化を最大の目的として開発が推し進められ、それ故に最低限の生活水準を満たせぬ者は呆気無く弾き出される態勢が生まれてしまった。
鷹音の住む枢機市第三経済特区に限っても、おおよそ住民の二割近くが裏町に追いやられた者なのではなかろうか。
「な、何て言うか……思ってた以上に危ないところなんだね、第三特区って」
「……ん?」
少女の言葉に引っ掛かりを覚えた鷹音は、眉根を潜める。
「その口振りだと、君は別の特区から移ってきたのかな?」
「うん。生まれも育ちも第七特区」
なるほど、と鷹音は顔には出さずに納得の意を示した。第三特区に来て間もない者であれば、裏町の危険性に関して何の知識を持っていなくとも当然の話である。
「こんな中途半端な時期に越してくる人は、まぁ、この三区じゃそこまで珍しくは無い訳だけど。でも君の場合は、単に親の仕事の都合だとか、以前住んでいた街の急速な衰退だとかじゃないんだものね」
その問いに、紗夜は神妙な面持ちで頷いた。
そして、ポケットから先程のスマートフォンを取り出し、大切に握り締める。
強張った気持ちを和らげるように深く息を吐いてから、ふと思い出したように鷹音の顔を見上げた。
「そっ、それにしても、筱川さんが機士だったなんてびっくりしたよ。〝あの場所〟が何処にあるか知ってるって言われた時は不思議に思ったけど、機士の資格持ってる人なら当たり前だよねっ」
紗夜の端末にあった、一般のネットワーク上では決して手に入らないマップデータ。
鷹音にとっても見覚えのあったあの地図は、機士になる資格を得た者にのみ提供されている貴重な代物だ。勿論、暫く使っていないとは言え鷹音の端末にだって同じものがダウンロードされている筈である。
とどのつまり、その事柄が示す内容と言うのは……、
「……驚いたのは俺も同じだ。まさか君のような女の子が機士だなんてね」
前線から退いたとは言え、一応は鷹音も名の通った機士の一人である。そんな彼でも、雪村紗夜と言う名に聞き覚えは無かった。
仮に他の支部に所属している機士だとしても、それなりに顔の広い鷹音であれば何らかの情報を有している。にも拘わらず覚えがないという事は、彼女は本当につい最近になって機士となったばかりの新米なのだろう。
先ほど、三日前に引っ越してきたと言っていたか。
つまるところこの少女は、機士になる資格を得たと同時に、
「いやまぁ、機士って言ってもまだ一度も戦場に出た事は無いし、『監理局』に行くのだって今日が初めてなんだけど……」
「あぁ、そう言う事」
今、鷹音と紗夜が目指しているのは、機士の間では一概に監理局と呼ばれている建物だ。
東京エリアに散見される数多の機士の個人データ、及び死廃領域に跋扈する神屍に関する情報のすべてを一挙に監理する事を目的に設立された機関で、紗夜のように新たに戦闘者たる資格を得た者は局を訪れ、幾つもの書類手続きをこなさなければならない。
懐かしい記憶だが、鷹音も経験した然るべき手順である。
「俺も最初は道に迷ったよ。監理局ってそもそも、なるべく無関係な人間には見られないよう入り組んだ路地の最奥に造られた建物だからさ。先方から送られてくるマップデータも、今にしてみれば十分に理解が出来る構造だけど、初めての人間にとっては酷く不親切なんだ、これ」
「そうなの?」
「せめて赤線とかで順路を表示するくらいの親切心はあるべきなんじゃないかと思う訳だけど。昔っから一向にアップデートされる様子も無いし。まぁ、このマップデータを作成した人は恐ろしいくらいに機械音痴だから、これでも十分に健闘した方なんだろうけどさ」
肩を竦めつつそのように言う鷹音。
ここ二年近くは全くとして顔を合わせていない、とある女性の顔を脳裏に思い浮かべながら、口許にそっと微笑みを湛える。
暫く疎遠になっていた場所へ久々に赴くときの気分は、何とも言えない複雑なものだ。懐かしさもあれば気まずさもあり、高揚感もあれば引け目もある。
とは言え、紗夜との出会いも然り、これもまた何かの縁かも知れない。
とっくに戦場から離れてしまった自分があの場所を訪れると言う行為には遠慮にも似た気持ちがあるが、今さら引き返そうなどとは思えない。
紗夜を預けた後、適当に挨拶でもして急ぎ早に退散しよう。そう気楽に考えて、鷹音は更に足を踏み出す。
自然と隣に並び立って歩いていけば、再びの沈黙が両者の間を縫い始める。
裏の通りに入って既に一時間近くが経過しているが、何度か余計な悶着に巻き込まれた事もあって目的地である支部にはまだ着かない。
鷹音も自分の端末を取り出し、長らく開いてなかった地図アプリを起動させて支部が作成したマップデータとリンクさせる。するとこれまで自分達が歩んできた道筋が明滅し始め、それを確認した少年は浅く瞼を潜めた。
「……あと数分も歩けば到着する。まったく、久々に歩いてみたけどやっぱりあそこは不親切極まりない。昔、散々『もっと辿り着きやすい場所に建物を移すべきだ』と申告しても聞く耳を持ってくれなかったし」
「そ、そうなんだ。でも監理局ってあんまり大々的に位置を特定されるわけにはいかないって聞いた事が……くちゅんっ」
唐突に、紗夜の口から可愛らしいくしゃみが漏れた。
「……寒い?」
「うん、ほんの少し」
改めて思えば、鷹音達の今いる場所は周囲を住宅やビルの外壁が覆う閉鎖空間だ。
時おり吹く風は狭い隙間を通り抜ける事によって圧を増し、彼等の身体を撫でる。秋も過ぎ行く頃合い、風には少しばかりの冷気が感じられた。
加えて、鷹音はその身に厚手のパーカーを着ているから良いものの、紗夜はショートパンツを穿いている為、脚部の殆どが外気に晒されている。白く細いすべらかな脚は、艶めかしいと言うよりかは健康的な印象が強いが、見る者の目を惹きつける不思議な魅力を醸していた。
どうしてこんな時期にそのような格好を選んだのかは聞かなかったが、確かに寒気を感じて当然ではあった。
ふと紗夜の方を一瞥した鷹音は、けれども特に身を案じるような言葉は掛けず、そのまま歩みを再開する。
「まぁ、もう少しで辿り着くし、我慢出来ない事も無いと思う訳だけど」
「う、うん……」
そこで自分の上着を貸してやらない辺り、彼の人間性が現れていると言えた。
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