『E-de-n』　～葬送の少女天使は《あい》を謳う～

世界大戦によって多くの人々が死に絶え、『わたし』はただ独り都市に取り残された。

『エデン』。背中に翼を持った少女は、何十年も帰らぬ人を待ち続けていた。死ぬこともできず、ただ生き続ける日々――そんなある日、空から一人の少年が降ってくる。
背中の翼を広げ、空へと飛び立ったエデンに少年は笑ってこう言った。
「やあ天使――僕を迎えに来てくれたのかい？」

不遜に笑う少年――『イオン』の肌はひどくただれ、体の多くを包帯で覆っていた。病に蝕まれた痛々しい姿でエデンに笑いかけると、彼は一つの要求を押し付けてくる。

「僕が死ぬのを見届けてくれ。それまでは君と一緒にいることにするから」

あまりに言い草にエデンは言葉を失うが、すべての歯車はここより回り出す。
促されるままにエデンは都市の過去を語り始める。…続きを読む