応援コメント

すべてのエピソードへの応援コメント

  • ちょうどこのお話を拝見している時に「リスペクト」にコメント頂きました!
    それでちょっと思ったのですが‥‥‥
    モーパッサンはラシェルが処刑される結末を思い描いていたのだけれど、それに反して登場人物達が、ラシェルを幸福に導いてしまったのかもしれない、と。
    (勝手な想像ですみません)

    シチュエーションが同じでも結末が正反対になる事が、小説でも現実でもありますよね。
    このお話もノンフィクションっぽくて、結末までハラハラしましました。

    教会の鐘の深い意味は分かりませんが、あの日から再び鳴らされるようになった事で、何か明るい希望を感じる事が出来ました。

    作者からの返信

    ふうこさん、コメントをありがとうございます。
    作者が予期しないところで登場人物が勝手に動く、って面白いですね。いつものパターンだと読者はバッドエンドを想像すると思うんですが(自分はそうでした)先生の意思に反して神父さんがかくまってしまったのでしょうか。
    あとで付け足した部分は「そこまで必要かな」と思ったりするんですが、普通負けで終わる話にこうして救いがあるとより幸せを感じさせますね。リアルをリアルのまま描写するのではなくてそこにドラマを描くのが自然主義作家だとモーパッサンが何かで書いていたような。
    鐘の音は将校の遺体を見送る=撤退するプロイセン軍を見送る、みたいにも感じます。何より清々しい印象を与える音ですね。神父は影の存在として大活躍だったと思います。

  • 皆さん助かったのがなにより・・・^^

    新年のあいさつをする英国紳士!もう魂を感じますね、かっこいい・・・✨

    というか男性、陶酔もいいとこですね。人魚姫!うん、至福の感じ伝わってきます・・・チューもしときましたね。死ぬかどうかの時ならわからないでもないですよ。

    手紙のやりとりで20年・・・成就しなかったのですね~ 手紙に夫のことを書かない彼女、思いやりですかね?

    ほんとにモーパッサン先生はキャラにとってざんね~ん!に感じさせるお話が巧みですね・・・^^

    作者からの返信

    神原さん、こちらにもご感想ありがとうございます。
    そうですね、まずはみんな助かってよかったです。
    父親の新年のあいさつは一番好きなシーンです。いかにも英国人っぽいイメージで。これがやりたいがためにこの設定なのかなあ、なんて思いました。
    死を覚悟したときの不思議な陶酔が伝わりますよね。現実味を失うような感じなのか、夢のような妙な幸福感……。
    神原さんも思いやりだと思われますか。この辺の人の心理も書かれていないから想像を掻き立てます。ほんとに、この作家の主人公にされるのはある意味つらい運命かも知れません……(笑)

  • 悲しいけど、美しい詩のような物語ですね。
    私のような女々しい読者は、結ばれなくてよかったと思ってしまいます。
    白髪の彼女と、喧嘩したり、憎みあったり、そんな現実が訪れていたかもしれないのですから。

    恋は、時に成就しないから美しい。
    夫のことを書かない彼女も意味深で面白いですね。

    作者からの返信

    「たられば」というやつですね。結ばれても一気に冷めてしまったかもしれないし、老いていく姿を見なければならないし。でも一方で都合よく幸せな結末を想像して、何もできなかったことを後悔したり。
    この話は最初から結ばれないようにできていたと思います。女性の心理が描かれてないだけに、読者に色々想像させますね。
    まとめるのが難しかったのですが、ご感想頂けてとても嬉しいです。ありがとうございます。m(__)m

  • せつないですね。仮に主人公がもし彼女と結ばれても、すぐ冷めてたかもしれない。成就しなかったからこそ憧れ続けられるのかなとも思います。
    それにしても「あけましておめでとうございます」に痺れました! 危機的状況でこんな心の余裕をもちたいものです。

    作者からの返信

    橋本さん、ご感想ありがとうございます。そうですね、吊り橋効果の二人は長続きしないという話もあるそうで。成就しなかったからきれいなまま残っているんでしょうが、手紙のやり取りがかえって生殺しみたいな残酷な気がします。
    「あけましておめでとうございます」のシーンは僕も一番好きな個所です! ほんとにかっこいい。このパパには勝てませんね。父親の存在もこの作品では重要だったと思います。

  • もし彼女が英国人でなくフランス人ならば違う結末だったのだろうか、というのがずっと疑問でしたが、柊様の文章からは何人であっても同じ結末だったのかと思わされました
    どうでしょうか?

    彼の心は「あの夜」の中にいる…なるほど、そこから出てがっかりするのが怖かったのかもしれませんね

    取り上げて下さりありがとうございます!感激です(*ノωノ)

    作者からの返信

    カナリヤさん、こんな感じでしたけど大丈夫だったでしょうか? この話まとめるの難しい…短いのに…全文がフラグ、みたいな。これでいいのかなあってかなり悩みました。煮詰まってないといいんですが。
    英国人の父親がくっついてくるところがミソだなと思いましたよ。このパパには勝てません。これは英国人だから効くような気もします。うまく言えないですけど…。
    いっそ文通などしない方がよかったんでしょうね。下手にリアルな彼女の近況を知らない方が、もっと幸せに記憶の中にいられたのに。
    リクエスト嬉しかったです。いい勉強になりました。もう一つも反芻中です。書いた時にはまた見ていただけると嬉しいですm(__)m

  • 手紙のやりとりはあるのに、ぐいぐいアタックできなかったのが悔やまれますね。本当に、心が難破船に置きっぱなしになってしまったんでしょうか。
    吊橋効果で結ばれたカップルはうまくいかないといいますが、始まってすらいなかったという💧
    あのキスが精一杯?その直後に父親の所へ戻るシーンが印象的です。まるで、その一瞬に人生が決まってしまったかのような。そんなことないんだけど^^;

    作者からの返信

    黒須さん、読んでくださってご感想もありがとうございます。
    すみません、書いてなかったんですけど、事件から2年後に手紙が来た頃にはもう結婚してアメリカにいたのです。ここら辺もほんとは突っ込みどころなんですけど、大事なところ省いちゃったかもで、すみません。
    そもそも女性の気持ちが主人公のそれとは違うんですよね。父親に呼ばれて返事をしてすり抜けるシーンが象徴しているように見えますね。
    最初から結ばれないようにできてたと思うと、ここまで主人公の気持ちを盛り上げる作家の筆が残酷だなあと思います(^^;)

  • 難波船という朽ち果てたものと、満潮の夜の海の恐ろしさ。新年を祝う明るさと、人魚姫のような淡い恋。暗さと明るさと恐ろしさと陽気さ。
    女性の本心は読者の想像に委ねられているのですね。私は、良い雰囲気になった過去の男性として、思い出のひとつになっているんじゃないかと。
    同じ時間を共有したはずなのに、気持ちも思い出の捉え方も違う。
    ひとつのキャンパスに、明るく淡い色と暗い色がのせられたような捉えどころのない物語に感じます。
    難波船という特殊な空間をもってきて、運命の恋のように盛り上げたけれど、単なる一夜の出会いでした。残念!
    みたいな、モーパッサン先生のお茶目な意地悪心を感じますけれど???


    あとですね、『死の先にあるハッピーエンド』下書きに戻しました。読んでくださっていたのにすみません。私も座礁しました^^;



    作者からの返信

    遊井さん、コメントと、それからたくさんの星を下さってありがとうございます。先生も喜んでくれてるでしょうか。
    夜の満潮の難破船というシチュエーションのなかで燃え上がる恋心、というイメージが鮮やかですね。個人的には父親の新年の言葉が一番好きなんですけど。
    女性の気持ちが一切書かれてないですね。わざとなのかも知れませんが、彼女の行動から想像するしかありません。吊り橋効果と書きましたが、片道だったのでは、というのが正直な感想です。ていうか片道ですよね。あと、父親の存在はとても大きいと思います。
    同じ出来事でも角度が違えば違う思い出になってしまう。思い続ける主人公は切ないですね。男目線だけど男に厳しい先生です(笑)

    御作品はどうか遊井さんの納得されるものを書いてください。座礁ではなく停泊中です。^^


  • 編集済

    モーパッサンの気持ちが投影されたような物語ですよね。
    男性作家が書く女性って、やはりとても興味ふかいと思います。ちょっと違うと感じつつ。

    吊り橋効果の恋。まさに。
    ただ、女性に全くその効果が現れてない。父親が呼ぶと、すぐにすり抜けていく。恥ずかしかったのか、それとも気持ち悪かったのか。判断がつきかねます。
    でも、手紙には夫のことを書かない。

    こうした心理や感情を描くこと、本当にうまいなって思います。

    作者からの返信

    雨さん、とっても同感です。特にこの年代の作家だと、どうしても女性を見る目が表面的というか……これを読むまではもう少し深いところで結ばれているものを期待したんですが、若さと美しさとか、理想像の方が勝っているなあと思って。
    しかも女性の側の気持ちが雨さんの仰る通りですしね。夫のことを書かないという微妙な優しさ(?)もかえって主人公に妙な夢を見させてしまうし……。うーん、この言葉にならない部分が本当にうまいですね。
    ご感想いただきすごく嬉しいです。ありがとうございますm(__)m

  • 一瞬タイタニック号の映画を思い出してしまいました。

    主人公の想いとキスをしまくる行為がわかるような気がします。
    命の危機状況で主人公の男性としての本能が……恋に。

    夫の事を手紙に書かない彼女、主人公への気遣いかもしれませんね。

    作者からの返信

    タイタニックですか。恥ずかしながら実は観たことないんですよ……。
    もう死ぬと思った時の発作的な衝動は本能から来るものですね。本当は彼女とこのまま沈みたかった、というのはギリギリに追い詰められたところで恋を成就する唯一の方法だったような。

    僕も主人公への気遣いだと思っています。彼の方はそうは思ってないようですけど。こういうのって自分に都合よく解釈したくなるんでしょうね。
    ご感想頂き嬉しいです。ありがとうございますm(__)m


  • 編集済

    やり取りするようになった手紙で、どうして恋の告白とかプロポーズとかしなかったんでしょうか……。それとも彼女は帰ってからすぐに結婚してしまったか、元から許婚者がいたりしたんでしょうか。手紙には決して夫のことを書かないというのが、実は脈があったんじゃないかとしか思えず……ジレジレします(笑)
    でもその一方、もしもこの恋が成就していたら、吊橋の揺れが収まった途端という感じで長続きしなかったのかなあとも思いますねえ。「あのとき」のドキドキをずっと未練がましく想い出にしているほうが幸せなのかも? うーん、いずれにしても切ないですね。


    追記:そうだったんですね。わざわざ詳細をありがとうございます。ちょっとすっきりしましたw
    結婚の申込みはともかく、もう救かったときにちゅーした勢いでそのまま一緒にいればよかったのかもですね。父親が邪魔だったんだな……w

    作者からの返信

    烏丸さん、ご感想ありがとうございます ^^
    ごめんなさい、省略しちゃったんですけど、最初の2年は音沙汰がなくて、手紙が来た時にはもう結婚してアメリカにいたんですよ(そこを省くなって?w)本当は別れる寸前にもう少しで結婚を申し込みそうになった、という文もあるんですが、それは性急ですよね。あと一週間一緒にいられたら申し込んでいただろうに、人間は弱い、という文もあります(だからそこを省くなって?すみませ~ん!m(__)m)
    彼は彼女が夫のことを書かないのを自分に都合のいいように解釈してるかな、と思います。それに、仰るようにこういうきっかけで出会った二人が長続きするかは別の話ですよね。
    個人的には手紙のやり取りが続いてお互いが(特に彼女が)老いていくのを見なければいけないのがつらいんじゃないかなあと。あのままばったり連絡が途切れてしまった方がよかったのかも知れません。男の女性に対するエゴっぽい気持ちとロマンチストな弱さの両方を感じますね。

  • うおっ、どうなっちゃうんでしょう。女性を海の幸に重ねあわせるのが生々しいというか、この場合は不気味さがありますね。船体を死体や骸骨に喩えたあとだと尚更。
    波のない海がまるで死んだようにべったりと~のところ好きです。続きが待ち遠しいです。

    作者からの返信

    橋本さん、ありがとうございます。この例えって、若さやエロスや神秘的なものをいっぺんに書いてあって絶妙だと思います。読み手によって受け方も違ってくるでしょうね。
    死を感じさせる言葉で船を形容してあるのもちょっとフラグっぽいです。情景も全体的に不気味な印象が強いですね。
    このあとの展開もお付き合いいただければ!

  • いいとこで終わりますね。
    若い頃は私もこういう感情あったなあ。すごく分かります。
    で、後半どうなるんでしょうね。

    作者からの返信

    レネさん、共感していただけますか、嬉しいです。主人公の感情の動きがこのお話の一番の焦点です。後半どうなるか、どうぞ見守ってやってくださいませm(_ _)m

  • 海だけに海の幸なんですね。山だったら何で喩えたかしら。
    どんな吊り橋効果なのか楽しみです。
    なぬっ?!って面白いです。ふふ。

    作者からの返信

    ハナスさん、ありがとうございます。すみません、海だけにとか余計なことを申しました(^_^;) わりとシリアスタッチなのでちょっと和らげようかなと思って。山だったら......キノコ?

    吊り橋効果、どうでしょう。後半もどうぞ見守ってくださいませm(_ _)m

  • 食べ物を引き合いに出しながら、その美しさを形容する。勉強になりますっ!
    『美味しそうな描写』って、当然ながら理屈をこねくっても駄目なんですよね。感性とかって、実に苦手な分野なので、ほとほと苦しんでおります。
    柊さんとモーパッサン先生の技を学びたく。欲求を擽り、詩情に揺蕩うような。
    勉強させて下さいっ!

    作者からの返信

    呪文堂さん、コメントありがとうございます。食べ物に例えることで新鮮さ(?)というか、若さの瑞々しい感じがダイレクトに分かりますよね。それでいて微妙にエロスが匂わせてあるという。
    他の作品でもこういう例えが出てきますが、内容によって匙加減が違うのが面白いですね。ここでは性的なものより詩的な憧れを強く感じます。
    僕にはありませんが先生の技をお伝えできれば、と思っております!


  • 編集済

    つづき、いいところで終わりました。

    引き潮と満ち潮で浜辺が変わる、レ島の縛りが、この物語を面白くしていますよね。
    モーパッサンの手腕、楽しみです。

    それにしても、柊さまの解説、いいところだけを抽出して、本当に面白いです。

    作者からの返信

    雨さん、ありがとうございます。
    もしかしてこの作品ご存じとか? 潮の満ち引きがスリルを与えてますね。
    活かすところと省くところが難しくて考え込んでしまうので、そう言って頂けるとめちゃ嬉しいです!

  • わぁ、難破船だぁ!
    柊様のかゆいところに手が届く情景や地理的説明がとてもわかりやすいです
    私の理解力がないせいでもやもや腑に落ちないお話でしたので、解説とても嬉しいです

    後半も楽しみにしております(^q^)

    作者からの返信

    カナリヤさん、リクエストをありがとうございました^^ 頑張って挑戦してみました。
    地理とかややこしいですよね。お言葉嬉しいです。
    ご期待にそえるか分かりませんが、どうか後半もお付き合いくださいませ!

  • おお、ピンチなところで続くのですね。気になります・・・

    かわいい女性を前にして海の幸のたとえ、突っ込みたくなるのを柊さんナイスフォローです^^ 女性に欲望を感じるのを「おいしそう」、とか「食指が動く」等言いますもんね。食欲と通じるものがあるのでしょうか・・・?

    続きを楽しみにしていますね♪

    作者からの返信

    神原さん、ありがとうございます。
    油断している間に満ち潮。怖いです。
    先生は何かと女性を食べ物に例えたがるんですよね。仰るとおりのメタファーですが、下品になる一歩手前で詩的な方向へシフトチェンジするのが上手いと思います。
    後半もどうぞお付き合いくださいませm(_ _)m

    編集済
  • このレビュー集(?)、素晴らしいです。私はモーパッサンという作家の作品は僅かしか読んではいないのですが、その作品はいずれもとても心に残っています。ツッコミどころ満載だったり、また登場人物があまり聡明でなくてハラハラし通しな点とかですかね(汗)。ある意味、人間的。

    この「首飾り」は、中学2年生の時、国語の教科書のワークブックに載っていました。読んだ後の課題として、「この主人公に、友人が首飾りの代金を全額払ったとして、幸せになれると思いますか? またそう考えた理由も書きなさい」というのがありました。中学2年生には難しい問題ですよね。導きたい答えは分かるけど、これ、私は幸せになってもいいと全力で思います。

    作者からの返信

    秋色さん、こちらに目を留めてくださり、嬉しいお言葉までありがとうございます。モーパッサンの作品はすでにご存じなんですね。確かに印象の強い話が多いですよね。仰る通り出てくる人たちがよくも悪くも人間的で。
    「首飾り」はオチがなんとも残酷ですね。その問題もけっこう誘導的ですが……(笑)失った10年間は戻りませんが、主人公の幸せを願ってあげるところがお優しいですね。
    バリエーションをなるべく広めに紹介していますので、またお時間のあるとき覗いて頂ければ幸いですm(__)m

  • とっても美しい物語をありがとうございます!
    「モーパッサンはお好き」を拝読してきた中で、一番「柊さん」を感じた作品でした。
    この章で改めて、柊さんはフランス語の本を日本語で表されているんだよな、と思いながら皆さんのコメントにも目を通しました。

    フランス語の原作は読めないし、日本語訳も読んだ事ないですが、おそらく柊さんの訳だから、これ程美しく感じるのだと思います。
    訳し方次第で味気ない作品になりそうですが、本当に美しく感じる自然と心情の描写でした。

    悲しい結末でさえも素敵でした!

    作者からの返信

    ふうこさん、こちらこそご感想下さりとても嬉しいです。ありがとうございます!
    「柊さんを感じる」とは思いがけないお言葉でした。どんな感じなんだろう。先生の作品に自分の気配を感じて頂けるとは畏れ多いです(笑)
    この作品は描写を削っては良さが半減してしまうので、たくさん引用しました。これでも端折っているんですが、美しいと思ってもらえて嬉しいです! 原文に忠実になるようには心がけていますが、自分が読んで受けた印象をそのまま日本語にできたらと思っています。
    ラストは悲しいけれど、それさえも自然の中に溶け込みそうな切なくてきれいな作品ですよね。
    すごく励みになるコメント、本当にありがとうございます!m(__)m

    編集済
  • 近況ノートにコメントありがとうございました。

    このエッセイのなかで、この「誰ぞ知る」がいまのところ、いちばん印象深いというか、単純に楽しめました。
    月頭男がいいキャラで、鮮明にイメージが浮かび、作品の世界へ入り込むことができたためのようです。
    オチも妙なリアリティがありますし。まあ、その理由は、本文に書かれていることが作用しているのでしょうね。

    いま、Amazon Kindle Unlimitedで、モーパッサンの短編集が読めるので、この作品を読んでみようかなと考えています。

    作者からの返信

    青切さん、改めてレビューをありがとうございました!
    この短編はどうしようか迷ったんですが、楽しめたと言って頂けると取り上げた甲斐があります。
    主人公にとりついた強迫観念みたいなのが月頭男に象徴されているんでしょうか。モーパッサンの幻想怪奇譚はやっぱり心理描写の上手さに尽きますね。ぜひ原作でお楽しみください。

  • 安寧の場が崩れていく、しかも、他者に奪われるのではなく、安寧の場が自ら自分をみ限るようにして消えていく。なんとも孤独な恐ろしさです。
    何が恐ろしいって、自らが壊れていく、それを呆然としながら眺めている。これ以上の恐怖があるでしょうか。一見するとコミカルな描写が、コミカル故に誰にも理解し得ないという絶望が、柊さんのご解説からひしひしと伝わりました。
    モーパッサン先生がどのようなお気持ちでこの作品を書かれたのか。なんだか、襟を正したくなる気分です。
    天国にいらっしゃる先生に、安寧あらんことを。

    作者からの返信

    呪文堂さん、最新話まで追いついてくださり、あたたかい評価をありがとうございます!しかもレビューまで頂けるとは!このようなマニアな作品に光を当てて下さって本当に嬉しいです。
    モーパッサンの晩年を思うと、その狂気と恐怖はいかばかりだったか...。まさに自分にしか分かり得ないことで他人が想像できる範疇ではないですが、こうしてその片鱗を「作品」として遺すところにプロの作家を感じます。作家としてだけでなく人生も短距離走者だったなと思うのですが、その分ひとつずつの作品が濃いなと思うのです。
    いつも深い洞察のコメント、レビューともにとても励まされます。本当にありがとうございます!感謝と一緒に早くのご回復をお祈りしております。

  • これは。戦争の本質を切り出したようなお話、なのでしょうか。
    大義も正義も成立し得ない、理由さえも後づけの。ただ、狂気のような殺戮への欲求が爆発し、外界を遮断して自己陶酔のなか完結しようとする。
    救われない気持ちになります。
    このような狂気が、一度転がり始まると止まることを知らない狂気が、戦争というものなのかもしれませんね。


  • 編集済

    シャーロック・ホームズの『赤毛連盟』を思い浮かべてしまいました。
    勲章って、とある行為を顕彰されることであって、鉄のバッチみたいのだけ貰っても意味ないと思うんですけどね。更にいえば、大切なのはその行為であって、顕彰されようがされまいが、自分自身がやり抜いた!と思えるかどうかに掛かっているんじゃないかなあ、と彼に言っても無駄ですね!やり抜かれちゃいましたしっ!あ、お下品をっ!失礼致しましたっ!

    作者からの返信

    そうなんですよね。勲章はあくまで結果であって、最初からそれに照準を合わせるからおかしな思考回路になってしまうんですよね。でもさっきの男と女じゃないですが、こういう名誉的なことに弱いのは圧倒的に男かなと思います。奥さんのしたたかさがこういう男を小馬鹿にしたようで一番こたえますね。


  • 編集済

    これは人生観が変わりそうなお話ですね!
    確かになあ。『大切にする』=『独占する』なんだろうか?という、壮大な疑問を投げつけられた感じです。
    確かになあ。独占欲って、いいもんじゃないですよね。醜いものです。争いの火種です。理性的でないです。
    でもなあ。大好きなこがいて、親友とはいえ、そいつらともイチャイチャしてたらなあ、許せないなあ。
    これは、『本能的欲求を理性で越えられるか』っていうお題で?うーむ。
    古代、母系社会はそんな感じだったのかもしれません。子供は女性たち全体で育てられて。
    今後、男社会は終焉し、女系社会になっていったら?
    でもなあ。独占欲って、女性も強いですよね?(物欲に関しては、女性は男性を圧倒するようにも思いますし。)
    とっても素敵な結末で賛同したいけど、自分では実践できなそうというジレンマ。
    なかなか考えさせられますね!

    作者からの返信

    呪文堂さん、お読み下さりありがとうございます!
    独占欲よりも運命共同体の気持ちが勝っている不思議な話ですよね。男には庇護欲みたいなのがあると思うんですけど、この蝿ちゃんに関しては自分ひとりじゃ手に負えないってそれぞれが分かっている気がします。みんなのアイドルであることで気楽につきあえるっっていう無責任さがあったのかなと。それが妊娠をきっかけに妙な連帯感が芽生えて「みんなで守ろう」みたいになるのが面白いです。自分もそういう気持ちになるかもしれないって思わせます。
    誰かの独占欲が抜きん出てしまったところで蝿ちゃんとの関係も5人の友情も壊れてしまいそうですね。男女どちらが焼きもちやきかというのは難しいですね。なんとなくですが、性別が逆だったらこういう話にはならないかなあ、なんて思いますけど...どうなんでしょう?

  • この椅子直しの女の人は幸せな気持ちで死んでいったとしても、これじゃ何か悲し過ぎますね。
    薬屋がドクターに言っている事が本心なのか分からないです。

    薬屋の男が歳をとって、死ぬ前に、ふと彼女の顔を思い浮かべて「ごめん。やっと分かったよ。子供の頃からずっとありがとう」って思ってくれたら、報われるのにな〜。
    勝手にハッピーエンドを作ったら、作者さんは怒りますかね?
    理不尽な事がいっぱいあって、ハッピーエンドにならない所がこの世の中なのかもしれない。
    そこが良いのかもしれないけれど、せめてあの世でのハッピーエンドを願ってしまいます。

    モーパッサンなんて全然知らなかったし、興味がある分野では無かったのですが、解りやすく楽しめて、色々考えさせられる、このコーナー、少しずつ楽しませて頂いています。ありがとうございます!

    作者からの返信

    こちらこそ読んでくださってありがとうございます!
    この話は切ないですよね。薬屋がドクターに言ったのはまさに本音だと思います。この作家が書きたがる残念な種類の男ですが、仰るように死ぬ前に気づけたら報われるかもしれませんね。そういう風に考えたことなかったので、ハッピーエンドを想像されるのがお優しいなと思いました。
    なかなかこの連載に興味を持つ方はいないと思いますが(笑)解りやすく楽しめると言ってくださって嬉しいです。どうぞお気の向かれたときに覗いて頂ければ幸いです!

    編集済

  • 編集済

    柊さん、お疲れ様です。更新ありがとうございます。
    前回のコミカルなミュージックからは想像できなかった結末でした!
    自分からすすんで療養施設に入るという結末。モーパッサン先生は御自分の神経が追い詰められていく予兆を感じて、それを作品に投影されたのでしょうか。月頭の古美術商とあわせて読むと家具の行進も幻視っぽくて、他人様に知り得ない領分を淡々と魅せる御話と云う感じもしました。
    神経を苛まれながら書くというところは、芥川龍之介先生と重なります。神経衰弱に陥りつつ、客観的な視点で執筆するというのは凄絶ですね。それができる凄さ、覚悟を感じます。本当の意味で怖いです。

    作者からの返信

    ひいなさん、こちらこそ後半もお付き合いくださりありがとうございます。家具の行進も月頭男もクスっと笑わせるような書き方をしてあるんですけど、それでも全体のムードは半狂乱になりそうな自分をなんとか抑えて語るという重たいものがただよってますね。モーパッサンは自分の人生経験を作品に入れ込むタイプだと思います。船とか、役人とか、女性関係とか…。この作品も本人と切り離しては考えづらいですね。まあ作家の人生を知って読む必要もないのでしょうが、投影するタイプの人だとどうしてもついて回るものですね。
    「神経衰弱に陥りつつ、客観的な視点で執筆する」病状が悪化するほどどれだけ辛いものかは当人にしか分からないですよね。芥川の例え勉強になります。

    編集済
  • 見るということは何なのか。分かるとはどういうことか。考えさせられます。
    好奇心。ここにある『奇』とは何か。
    奇妙。奇天烈。奇想天外。本来は『自分の知見では理解し得ないもの』をいうのだと思います。自分という小さく愚かなものを打ち破ってくれる知恵の実であり、人間を人間にした原動力でさえあったと思うのです。ただし、『自分という小さく愚かなもの』を自覚できたときにおいては。
    どうしたって自分が中心です。未だに我々は天動説のなかにある。自覚せねばなりませんね。
    近代科学は博物学が原動力となりましたが、やがてそれは鉱物学、生物学、考古学、化学などと進みました。それこそが探求心。真理を求める人の姿なのでしょうね。
    学ばせて頂きました!ありがとうございますっ!

    作者からの返信

    呪文堂さん、コメントをありがとうございます。
    興味とか好奇心って難しいものですね。裏表があるというか、仰る通り『自分という小さく愚かなもの』を自覚できていないと、その対象にとっては残酷なものにしかなり得なかったり。相手に対して敬意を(大袈裟なものではなく)持っているかいないかで知恵の実もただの欲求の解消にしかならないと思います。
    真理を求めて得たものが一部の人のものでとどまらず、教育として浸透することが大事なんだろうなとコメントを見て思いました。こちらこそありがとうございます!

  • なんとゆうか、ほんとに変なお話ですね。そしてモーパッサン先生は精神病院で亡くなられていたのですか。なるほど・・・かぶってます、主人公とかぶっているのですね!そんな先生のバックグラウンドが作品にリアルを感じさせるのですね~^^

    作者からの返信

    先生の晩年はとても悲しいですね。入院する直前まで書き続けるのが凄まじいです。他の作品も本人にかぶってる(と思われる)もの色々ありますが、このお話は特に強迫観念の苦しみが強く出ているのかなと思います。あ、そういえば今日は命日でした!

  • もう・・・なんですか、この展開^^ ズンタカタッター♪ にぎゃふんです!爆笑^^ 「ホラーなのにメルヘン」の予告に偽りなしですね^^ 柊さんのツッコミが止まらないところもラブリーです♡ 不思議な世界にいざなわれてしまいますね・・・笑

    ズンタカタッター♪ (気に入りました笑)

    続きが楽しみです♪

    作者からの返信

    神原さん、コメントありがとうございます。すみません、ちょっと悪ふざけしました (^^;) 笑ってもらえて安心しました。想像したらすごくシュールですよね。実際に自分で見たら嫌だけど(笑)

  • 昨日はコメントをありがとうございました。ぶれていた気持ちが真っ直ぐになりました。私が一方的にわーわー騒いでいるだけなのに、寛大な心で話を聞いてくださってありがとうございます。柊さんの優しさに甘えていますね。すみません。柊さんは上手にリフレッシュして気持ちを安定させているようなので、私も見習いたいです。

    モーパッサン先生の「誰ぞ知る」
    ストーリー的にはそこまで怖くないし、映像化したら楽しい感じになっちゃいそうです。
    なのに、お腹の奥がゾワゾワとなる怖さがあります。
    家族が病気になったとき、やはり幻覚を見たのですが、生が弱まって死が近づいているときの状態って、ちょっとこの世のものではないんですよね。そういうときの錯乱状態で文章を書いても支離滅裂だと思うに、ひとつのストーリーとして書き上げたモーパッサン先生はやはり才能があるし、頭のいい人だと改めて思います。でもだからこそ、幻覚に溺れながらも、それを客観的に眺めている自分がいる。自分に見えているもの、感じるものはどうやら現実的ではない。だったら自分の感覚と理性が捉えている世界はなんなのか。
    そうやって読み解くと、「誰に分かる? 誰にも分からないだろう」というタイトルに私も、モーパッサン先生の切羽詰まった心情を感じます。
    自分の見えている世界を話しても、誰にも分からない。でも、自分はその幻覚の世界に生きている。モーパッサン先生の恐怖と、それを眺めている冷静な自分とが混ざり合ったような感じが作品から伝わってきます。死と自分が自分ではなくなるって最高のホラーですよね。

    ってね!こうやって読むから、気分がジェットコースターになるのよね。お口直しには、シモンのパパがいいですね♫

    作者からの返信

    もともと持病を抱えていた人なので、それが進行して目とか神経を少しずつ損ねていくのは、それこそじわじわとした苦しみだったんじゃないかなと思います。人間の内面をえぐるのが上手いですし、他の怪奇譚も、現象そのものよりそこからエスカレートする自縛や強迫観念をじっくり描いてありますね。この作品は晩年に近いだけに、解説とかも本人の精神状態と結びつけて考えられることが多いようです。
    どういう心理状態で書かれたのかは僕にはなんとも言いかねますが、幻覚と現実の間でなんとか自分を保って書くことは相当なものだったのでは。底力というか、やっぱりプロの作家なんだなあと思います。
    まあでも個人的な好みで言えば皮肉な人間喜劇とかの方が好きです。
    丁寧なご感想ありがとうございます!今度は何かハッピーエンドなものを取り上げてみたいです。

  • 精神病で亡くなった。すごく繊細な神経だったのでしょうね。
    幻覚とか苦しかったのに、小説は理性的で現実的でもあると思うのです。もう1人の自分が自分を見つめて、追い詰めているような。

    作者からの返信

    この主人公の孤独主義はそのまま作家に重なりますね。病気がなければもっと書けたのかも…勿体ないです。もう一人の自分が自分を見つめて追い詰める。まさにそんな感覚があったでしょう。苦しみも作品に昇華してしまう、凄まじい熱量だと思いますね。いつもご感想くださり感謝です。ありがとうございます!

  • モーパッサン先生、そんな最後だったとは……:(;゙゚'ω゚'): 背景事情を知った上で読むと前半のコミカルな家具の行進も印象が変わってきそうです。原作、読みたくなってきました。

    作者からの返信

    先天性の梅毒だったので若い頃から視力低下とかに悩まされていたそうです。晩年の幻覚や錯乱状態は想像すると切ないですね。この作品を書いた時期はかなりつらかったのでは...。そう思うと印象が変わってきますね。つかみどころがない話でしたがコメント下さり嬉しいです。ありがとうございます!


  • 編集済

    柊栗介様。
    メルヘンなお話をありがとうございます♡
    おもちゃのチャチャチャやおもちゃのマーチの歌の世界が繰り広げられていて、ワクワクしちゃいました。孤独主義な男は、人間とは一緒に住めないが、家具とは一緒に暮らせる。そんな一風変わった男が家具と心を通わせるハートウォーミングな物語でしょうか。
    え?メルヘンではない?ホラーだって?
    嘘だぁー。長椅子はワニで、椅子がヤギ。小さなスツールはウサギって、まんまメルヘンの世界です(◠ᴥ◕ʋ)おまけにズンダカタッタッター♪って……孤独主義な男もつられて一緒に行進しちゃいますよね〜♫
    フランスに帰ってきた男が発見したものを予想してみますね。ズバリ!家具が使用人になっていた!美女と野獣に出てきた、蝋燭の燭台ルミエールや時計のコグスワースみたいな感じだと予想します。一万ポイント賭けます!

    ここまで長々と書いてきて、全然違っていたら、
    ズンタカタッタッター♪
    か~ぐのぎょうれつ、ズンタカタッタッター♪
    とメルヘン&コミカルに書いた柊さんに、遊井そわ香が騙されたってことになりますね。続きはまた明日読みにきます♡˖꒰ᵕ༚ᵕ⑅꒱

    作者からの返信

    遊井さん、コメントありがとうございます。栗介です。
    家具の行進はちょっと悪ふざけしました、すみません。どうしてもやってみたくって。
    ひとつの家に他の人がいるだけでも耐えられないというのはかなりなものだと思いますが、反動で静物の方に過剰な愛着を感じるんでしょうね。それって結局なにかに囲まれていたいことには変わらない気もしますが...。
    続きがどんな展開か、またご感想いただけると嬉しいです
    m(_ _)m


  • 編集済

    面白かったです。
    読者によって捉え方が異なる話でしょう。
    日本の幽霊画のようです。
    誰の作品か忘れましたが、「堕胎」を経験した事がある人が見ると恐怖を感じ、全くないと普通の絵として見られるそうです。
    頭で読む時と、心で読む時も違いますね。ん? 私もヤバい。笑

    モーパッサン先生、最期は大変でしたが、これだけのホラーを書ける才能
    いいなぁって不謹慎にも思います。

    作者からの返信

    とりとめのない紹介でしたが、面白かったと言ってもらえてよかったです!
    頭で読むのと心で読むのとでは違う、ああ、そうですね。こういう作品は頭で理解しようとするものではないのでしょうね。こういう心理を物語として書き表す才能はやっぱり文豪だと思います。
    コメント嬉しいです。ありがとうございます!

  • モーパッサン先生が、この3年後、精神病院で亡くなったと聞くと、これは本当に笑えませんね。
    モーパッサンほどの人だから、きちんと作品にして世に出しているだけの話で、常人であれば、錯乱しただけの、訳の分からない作品になっていたかもしれませんね。
    モーパッサン先生よく頑張ってくださいましたと、ねぎらうしかない気持ちです。

    作者からの返信

    作品に自分を投影しているものは他の短編でもありますけど、こういう闇の部分を物語として成立させるのは仰るとおり作家の手腕なんでしょうね。結構若いときから病気に悩まされている人ですし、どういう心情で書き綴るのかと思うと壮絶な気がします。
    ご感想いただき、ありがとうございます!

  • わかったような、わからないような…。思ったよりもブラックでしたね。
    しかも、三年後にはモーパッサン自身が…
    説明のつかない不気味さは、その点で少し腑に落ちたような気がします。
    誰とも共有できない恐怖、って恐ろしいものですね…(゚o゚;;

    作者からの返信

    そうですね、いったい何だったんだ、というモヤモヤ感が残りますね。第三者的に理解するのは難しい。。。
    でも誰にも分からない恐怖をひとりで抱え続ける、という部分は、読者も多少なりとも共感できるのかな、と思います。
    まとまりのない紹介になりましたが、コメント下さりありがとうございます!

  • ああ、自分の見たものが信じられないという種の恐怖だったんですね。ただでさえ人嫌いで独りでいたい人では、誰かに常に傍にいて支えてもらうことも難しかったでしょう。だからいきなり療養施設なんですね……そう思うと、なんだか寂しいですね。
    だとすると、古美術商の男というのも本当にいたのか、あれは自分の内に潜むもうひとりの自分じゃないかという不安かも? と感じてしまいますね。自分の感じている世界が実は現実ではないかもしれない……うん、これはやっぱりホラー、というか悪夢ですね。行進する家具より間違いなく怖いです。。。

    作者からの返信

    自分から療養施設に入るというのが、避難所に逃げ込むようです。自分の精神状態を疑うよりも、ひたすら男から逃げたいという切迫感ですね。自分で選んだ孤独に自ら煮詰まっていくようにも見えますし。
    古美術商がなんだったのかも分からない、色んな解釈ができると思いますが、こんなスパイラルに陥ると、まさに悪夢としかいいようがないですね。丁寧なご感想、ありがとうございます!

  • ホラーですよね。
    家具に行進、想像したら、ふふ。

    「自分が見たものを喋ったら自分こそ別の場所に連れていかれてしまう」
    ここで、ふふふってなりました。

    続きが楽しみです。

    作者からの返信

    ハナスさん、コメントありがとうございます。家具の家出は想像したら笑えますが実際に見たらぞー、ですね。
    別の場所に連れて行かれるのは困りますが、このあとの展開もかなり困ったことになります。どうか見届けてやってくださいm(_ _)m

  • 柊さん、更新ありがとうございますฅ^◕ﻌ◕^ฅ
    わぁ、家具の行列! ドビュッシー作曲『子供の領分から第六曲・ゴリウォーグのケークウォーク』が鳴り響き、続きましてモーツァルトの『トルコ行進曲』が私の脳裏をコミカルに流れております( ・◡・ )♫•*¨*•.¸¸♪ この行列は、いったい何処に行ったのかしら。孤独主義の彼の発見とは!? つづきも楽しみにしています🎹

    ねぇ、本当に好きな本だから何度も読みたくなるんでしょうね♡ 私の場合、内容が読めている本を更に読むと安心するのです。勿論、見落としたところに気付くことも出来ますよね。不要なドキドキ感、要らないって思うときほど再読しちゃいます(^.^)
    弁財天様に健康祈願してくださって、ありがとうございました✿˘︶˘✿ おかげさまで睫も生えそろってきたもようです(照れ笑い)。

    作者からの返信

    ひいなさん、こちらこそコメントありがとうございます。曲名まで具体的に脳内再生してもらえて嬉しいです(笑) さて、家具たちはどこに行ったのか...。後半もどうぞゆるりとお付き合いくださいm(_ _)m

    もう7月になってしまいましたね。本格的な夏だと体調も少し落ち着かれたのでは?そちらは暑いと思うので変わらずご自愛ください。睫毛が揃ってきてよかったです^^

  • あれ、ホラーですよね? 精神にじわじわくるんですよね? 腹筋を壊しにきてるんですけど(笑)アニメーションで見てみたいです。続きが楽しみ♪

    作者からの返信

    橋本さん、コメントありがとうございます。この家具の行進は精神にじわじわくるはずなのですが、腹筋にきてしまいましたか (笑) 後半も妙なアニメキャラが出てくるのでゆるくお付き合いくださいm(_ _)m

  • 羨ましい暮らしをしているなあ…多少痛い目を見てもそんなに胸が痛まない設定ですね。
    と思ったら、一家総出で笑わせに来た!!
    ディズニーアニメですか?生きのいい音楽かけてください♬
    一体何を発見したのでしょう。今度は家も出かけちゃったとか。
    続きが楽しみです♬

    作者からの返信

    黒須さん、コメントありがとうございます。暮らしぶりは羨ましいけど、ここまで神経質だとなんだか気の毒ですね。
    生きのいい音楽かけちゃってすみません。一度♪を使ってみたかったのです(^^; 筆者だけが満足です。
    続きもどうかゆるくお付き合いくださいませm(_ _)m

  • 作家のプロフィールに似た設定。
    これは、なんというか、そそられますよね。

    しかし、起きた事態はありえないこと。
    どうするんでしょうか、モーパッサン。

    つづき、お待ちしています。

    作者からの返信

    雨さん、コメントありがとうございます。
    こういう話の主人公ってどうしても作者の影がチラチラするんですよね。
    どうか続きもなまあたたかく見守ってくださいませm(_ _)m

  • ズンタカタッタッター♪ ……って、もう起きた傍から声だして笑っちゃいましたw えっ、ホラーなんですか? 法螺じゃなく。怪現象不気味系ホラーなら、映像化するならきっと監督はティム・バートンですね。っていうか、私だったらおまえら動けるなら掃除のたび云う通りにちょっとよけて、済んだら戻ってくれとか思っちゃいますね(笑)
    留守にして、戻ったとき……いったいなにが起こるんでしょう。続きが楽しみです♪

    作者からの返信

    烏丸さん、笑ってくださってありがとうございます。これがやりたかっただけなんです(笑) 想像するだけでもシュールですよね。
    ああ、確かにティム・バートンが喜んで作りそうですww 後半にも変なキャラが出てくるのでよろしくお付き合いくださいm(_ _)m

  • えっ、ここで終わりですか?
    いいところで終わりますね。
    それにしても家具の行列は滑稽ですね。でも夜中にこんなことが本当に起こったら、腰抜かすでしょうけど。

    で、旅行から帰って、何を発見するのでしょうか?
    私もこの男まではいかなくとも、人が苦手な方なので、同類の男が気になります。

    作者からの返信

    レネさん、コメントありがとうございます。家具の行列が可笑しかったのでこれを書きたいがために取り上げました(^^; でもこれ実際に体験したらぞ~ですよね。
    このあともヘンテコですがどうぞお付き合いくださいm(_ _)m


  • 編集済

    怖いお話大好きですっ!
    日記。これが重要アイテムですね!
    何が怖いって、自分がだんだんと壊れていく様を追っていくのが、やっぱり何より怖いものです。耐えきれずに、『外』に原因を求めたくなる・・
    ただ。この作品で面白いなあと思ったのは、壊れ始める『きっかけ』が分からないこと。見知らぬ土地を訪れたとか、奇妙なオブジェを倒してしまったとか、薄気味悪い老婆にじいっと見詰められたとか。そんなことはまるでなく、のんびりした気持ちの良い春の景色から始まる。そして、突然それは訪れる。ここが秀逸ですよね!必死に『原因』を探し、なんとか『ブラジル船』に漕ぎ着きますが。もちろん、対処法など分からない・・
    因果などという不透明なものにすがろうとして、やがては自らを滅ぼしてしまう不条理。さすがモーパッサン先生です!
    因果を示してくれる怪談は祓えるので気楽ですが、因なし話は祓えず途切れず続くもので。心が病んでいると憑かれてしまう。


    ・・あれ?耳鳴り?

    作者からの返信

    呪文堂さん、コメントありがとうございます!
    ホラーお好きですか!モーパッサンのは現象そのものより心理的な怖さの色が強いですね。物事に理由を探してしまう人間の性格を上手く利用してあると思います。因果を求めるのに逆方向ばかりのことが起こって、ブラジル船への結論もこじつけみたいに思えますが、本人としてはここでぜひとも結論づけなければ気が済まなかったんでしょうね。
    日記という手法は効果的ですね。ガンガンに煮詰まっていくのがダイレクトに分かるので、「これはヤバいな」と読者にも伝わりやすいと思います。
    頭痛、耳鳴り……ちょっとした体調不良からここまでとは……精神管理には充分気をつけたいものです!

  • 脱力系文学とでも言うのでしょうか!
    皮肉で愚かで健気ですね。
    何かを捨てる事で何かを得ると言うのは救いようもありますが
    この場合、マチルドは何を得たんだろう。
    これもしょうもねー!の中に深く考えさせるものがありますね。
    私の購入したモーパッサンの短編集のタイトルがこの「首飾り」でした。
    やっぱりますます読みたくなりました!

    作者からの返信

    脱力系(笑)ああ~このオチはまさにその言葉がぴったりですねえ。文章は普通というか真面目に書いてあるのに、使う語彙や言い回しにちょいちょい毒っぽさがあってそれがクスクス笑わせるんですね。それで登場人物のセリフはリアルな喋りなので、そこに阿保さ加減もよく出るという。うまいですね。
    何かを捨てっぱなしなマチルドは本当に気の毒としか言いようがなく(^^;)このえげつないオチが有名にしてしまったのでしょうね。
    「首飾り」の入っている短編集ですか。他にどんな話が入っているんでしょう。機会があれば教えてくださると嬉しいです。

  • うわあ〜怖いと思う以上に文学的な臭いがして
    なんとも素晴らしい作品ですね!
    最後の医者の言葉が全てを物語っていますが
    現代的な匂いを感じる作風です。今のSFやホラーにも通じますが
    それよりはもっと深いものを感じます。
    また柊さまの語り口が素晴らしく、これは読まねばならないぞ!
    と思わせてくれる作品ですね!
    いや、この作品。本当に興味深いです。こう言う小説が書けたら良いなと
    心からモーパッサンの才能が羨ましいです。

    作者からの返信

    mono黒さん、コメントありがとうございます!
    このようなふざけた紹介にも関わらず文学的な匂いを感じ取って頂けて何よりです。ただのホラーでなくてサイコな方が強いですよね。
    この病み方って昔ならただの変人でしょうが、現代だと「それもありうる」って理解されそうな気がします。医者の言葉がとにかく全てですね。人に危害を与えるわけでもないのでそっとしておいてあげれば彼も幸せだったのに…。

  • 笑っちゃいました!
    口では悪ぶったことをいいながら、押しに弱くて見て見ぬふりができない主人公。悪態つきながら妙に面倒見がいいのが笑えます。子供生んだらふてぶてしいまでの粘り強さを見せるヒロインが、なんだかリアルでちょっと背筋が冷たくなりますが・・
    クリスマスプレゼントは主人公自身でした~という、モーパッサン先生の自虐的ギャグでしょうか?
    実に面白かったですっ!

    作者からの返信

    呪文堂さん、コメントありがとうございます。笑って頂けてよかったです!
    モノローグでずっと喋ってるんですけど、文句言いながらやることはいい人なんですよね。まさかクリスマスイブにこんなことになろうとは思わなかったでしょう。スケベ心を出すと大変なことに巻き込まれますね(笑)ヒロインがストーカーに変身するのが怖いですが…(^^;) 
    あ、そうか、プレゼントは主人公だったのですね!作者の影がやけにチラチラして気になってしまいます。自虐的…なのかも知れませんね(笑)

  • 今回もまた強烈でした。ミロンじいさん壮絶ですね。解説も素晴らしいです。作者のいつものクールさが持ち味ですね・・・^^

    作者からの返信

    神原さん、コメントありがとうございます。
    戦争の話はどうしても殺伐としますね。まとめるのに苦心するので解説を誉めて頂いて安心しました^^
    戦争によって人間が狂っていくさま、モーパッサンの冷静な目が冴えてますよね。

    編集済
  •  モーパッサンなので何かあるとは思いましたが、奥さんが不倫していていて、しかも相手がロスラン氏となんて……(笑)
     サクルマン氏が欲しがっていた勲章は、やっぱり持っているとその人の格が上がるんでしょうか?

    作者からの返信

    これは皮肉たっぷりのコメディですね。自分の名誉ばっかり考えてると寝取られるよ、みたいな。
    勲章って多分かなりステータスのあるものだったと思います。もしかしたら今も。この時代の小説を読むと、この「レジオンドヌール」という名誉勲章は、どれも成功の証のように書かれますね。だから余計皮肉なんだと思います。

  •  日本では、どちらかが告白をして男女が付きあう流れが普通ですが、外国ではそうでないと聞きました。誰の子か分からないって、そういうことだから起こったことなんでしょうか?(笑)

    作者からの返信

    どうなんでしょうね。日本の方が「手続きを踏んで」付き合うことの方が多いのかな。なんとなく流れで付き合っていた、みたいなことって結構あるとは思いますよ。この彼女はかなり突飛ですけれども。この頃は自由恋愛も盛んだったのかも知れませんが、なるべくして…という感じですね(笑)

  •  「好奇心の目」ですか。なるほど。確かに人は、自分たちの枠の中に今までになかったものが現れると、それを見たくなってしまうものですよね。見られた人がどう思うか、それについて考えさせられる内容だなと思いました。
     またこの作品は、愛し合った二人が結ばれなかったため悲しい話ではありますが、アントワーヌが心から彼女を好いていたこと、愛していたことに救われるところがあるなと思います。

    作者からの返信

    悠栞さん、コメントありがとうございます。
    この話では好奇の対象は黒人ですが、メジャーの中に一人だけマイナーが入るとどこでも起こりうることですよね。そこに差別や偏見がないにしても動物園の動物みたいな気持ちになるんじゃないでしょうか。
    当時だと特に、本当に好き合った同士でも人種が交わるのは稀だったでしょうね。確かにアントワーヌがただの趣味ではなく彼女の中身を愛していたことだけは伝わります。それだけに何とも切ないです。

  • 今回はかなり物騒な話でしたね。
    柊さんの素晴らしい解説を読んでも、ラストは別にして、私にはミロンじいさんの気持ちが分かるような気がします。戦争とは、そういうものなのだと。
    末っ子を殺された恨みは、相当なものだろうと。
    しかし、自分が殺したプロイセン兵にも当然家族がいるわけで。
    結局戦争は、誰をも正当化できない、ミロンじいさんにしても、殺人鬼なわけで。

    読んでないけど、ある意味悲しい物語と言えるかもしれないと思いました。

    作者からの返信

    レネさん、コメントありがとうございます。
    この話はかなり重たかったですね。
    ミロンじいさんの気持ちは多くの人が共感するところだと思います。家族、特に自分の子どもを失ったら、と思うとその悔恨は相当だろうと。でも仰るように相手にも家族はいるんですよね。モーパッサンはそれも踏まえて書いているので、暴走するじいさんの狂気とか独善が際立って見えるように思います。本当に、戦争は誰をも正当化できないですね。
    殺伐とした中にずっと悲しさがただよっているような作品だと思います。

  • 奥の深い作品ですね。
    発端は理解できるけれども方法や度合いは理解できない、と読者も複雑な気持ちになります。
    こうしてみると、戦争をしていた国の国民同士が共に生きるって、実は凄いことなんだと改めて思い知らされます。
    誰かが終わりにしなくちゃいけない…その象徴がぶどうの木、なんでしょうね。
    戦争を直接知らない私たちは幸せだと、改めて感じます。

    作者からの返信

    黒須さん、コメントありがとうございます。
    そうですね、動機となる感情が理解できるだけに、そこからの行為には読者に複雑なものを感じさせるのでしょうね。戦争を経験した国と国の人々が共存するには、お互いに対等で敬意を持った関係が必要だと思います。決着をつけるって難しいですね。ぶどうの木が意味するものがとても象徴的で印象に残りますね。

  • 魂には魂ですが、まさかの16人に驚きました。
    もし戦争で父親と娘を殺されたら……想像つかないほど壮絶ですね。

    聖書のローマ12章に「愛する者よ、自分で復讐してはなりません。神の憤りに任せましょう。『復讐は私がする事である』と神は言う」とあります。

    復讐は悪だとパウロは言いますが、神様は何にもしてくれないじゃん! ってモーパッサン先生も思ったりして。そうした思いが絵画や文学に残っているような気がします。

    作者からの返信

    ハナスさん、コメントありがとうございます。
    連続殺人としてはかなりなものですよね。もう復讐に取りつかれてしまったとしか言いようがありません。
    サブタイトルに聖書の言葉を使ってみたので、エキスパートのハナスさんに触れて頂き嬉しいです。自分で復讐してはいけない、なら誰が晴らしてくれるのか…。皮肉ですが教えと反対のところにあるのが人間の本音だと思います。だからこそこれをテーマにした芸術が生まれるのかも知れませんね。

  • 殺伐とした内容もさることながら、「カニのように大きな手」が強烈に記憶に残りました! つきあいにくそうな爺さんの性格を何より表しているように思えて。うまいですね、モーパッサン先生。葡萄の木は生命の象徴。印象的なラストです。

    作者からの返信

    橋本さん、コメントありがとうございます。
    この形容はインパクトがありますね。僕は単純にじいさんの小柄なのにそこだけがっしりとした農民の手を思ったんですが、性格もそこに見出されたんですね。ぶどうの木が生命の象徴とは知りませんでした。そうすると余計に込められたものを感じますね。教えて頂けて嬉しいです。

  • 戦争は誰をも幸福に導かず、しかも、戦争という不条理は神を以てしても裁けませんので、人々は心に薄暗い感情を抱えて生きてしまいますよね。モーパッサン先生ᕦ⊙෴⊙ᕤは、この心の靄のような部分を想像させてくれる上に、在り続ける自然の美しさを描写されますから、そういうところ、私も「有意義」に感じられます。

    ところで、改稿された長編をチラリと拝読しましたฅ^◕ﻌ◕^ฅ 改行や三点リーダの扱いを変更されていますね! 以前から読みやすかったのですが、更に読みやすいかも!(^^)! 本当にお疲れさまでしたm(__)m

    作者からの返信

    ひいなさん、コメントありがとうございます。
    サブタイトルに使ったのは聖書の言葉だそうですが、人間ではなく本当は神が裁くべきことなんですよね。でも実際はどうなんだろう。戦争は強者が勝ってしまうもので、神は敗者の代わりに裁いてはくれない。人間の本音って、結局じいさんの行動そのものではないでしょうか。
    生産性のない復讐をしたじいさんの亡き跡に花や実をつけるぶどうの木が植えてあるのが象徴的だと思います。

    長編チェックしてくださったんですね!ずっとやらなきゃと思っていて、見た目はずいぶんすっきりしたと思います。あと内容は変わりませんが文章も手を入れました。時間をおいて見直すのは必要かもしれませんね。読みやすいと言ってもらえてよかったです。ありがとうございます ^^

  • すごい物語です。
    そして、敗戦側の美談でないところに、作者の深い思いがあって、舌をまきます。こういう作品こそ、芸術と呼べるのでしょうね。

    作者からの返信

    雨さん、コメントありがとうございます。けっこう強烈な内容なんですが、作者の目がシビアですよね。激しい恨みも俯瞰でとらえるような冷静な描き方をされていると思います。こういうのが自然主義というものなんでしょうかね。

  •  はじまりがとても酷かったので、どんな終わり方を迎えるのかと思ったのですが、ハッピーエンドに終わって良かったです。
     ラシェルの勇敢な行動に、私もすっきりしました(笑)

    作者からの返信

    悠栞さん、コメントありがとうございます。
    プロイセンの乱れ方がすごいですよね。こんな場所に連れてこられた娼婦たち、いったいどうなるかと思いますが…衝撃的な結末になりました。ラシェルは最後までプライドを貫くことができましたね。このラストは読者の溜飲を下げてくれるだろうと思います。

  • 実に考えさせられます。さっきから考えてますがぐるぐるしちゃいます。
    侵略、これはまさにレイプです。しかし肉体を犯されても心は屈服しないというラシェルの想いと反撃。喝采を浴びるべき行為でありながら、犯罪者のように匿われざるを得ない現実。鐘を鳴らすことで表面上屈服を示しつつ、その実、ラシェルにエールを送る教会。しかし、その意味は人々には届かない。
    これで充分に物語は成立しているのに、敢えて付け加えた。まるでお伽噺のようなラシェルの幸福。
    モーパッサン先生の国に対する憐れみと愛情か。それとも、皮肉なのか。『脂肪のかたまり』と対に考えると、娼婦という生け贄を差し出した気まずさ、これを紛らわせるために夢物語にしてあげましたよ、という皮肉にもみえるような気がしまして。考えすぎかな?
    ところで、国と国、人と人の間に常々発生しうる『暴虐』というもの。これ、個人的には超重要なテーマでして。欲求のなかで発生しうる支配欲。ここで生じるものは愛情なのか暴虐か。もしも多義的なものだとしたら、その差異はなんなのか。いや、それは幻想で、須く暴虐に過ぎないのか。
    色々と考えさせられました。日曜日の午後、贅沢な時間を頂きました!ありがとうございますっ!

    作者からの返信

    呪文堂さん、三話にわたってお付き合いくださり、コメントありがとうございます!
    感想を頂き僕もうーんと色々考えました。この話は本当に多重構造だなあと改めて思います。フィフィにプロイセンを、ラシェルにフランスを背負わせて、そこに男と女、将校と娼婦、ゲルマン人とユダヤ人を重ねて…もう背景だけでお腹いっぱいですね。
    社会的立場の低さと本人の誇りの高さにギャップがある職業ってそれだけでドラマチックだと思います。いかに風俗業でもプライドはある、それを越えてきた「侵略者」に対する報復は、純粋に読者の溜飲を下げてくれることと思います。
    僕は実を言うとラシェルが処刑されると思っていました。なのにしっかりと助けの手が与えられ、さらにこのハッピーエンドまで付け足される。「らしくない」と言いますか、どうも自然主義から逸れるような気がしたのです。憐れみや愛情としたらこの作品は他のものより作家の感情が勝っているということですかね。

    国でも人でも、強者側の一方的な欲が勝ったものであればそれは暴虐のように思えます。戦争での侵略はまさにそれですよね。完全に土地や人間の支配欲だけで、そこには愛情はないので。
    人と人の間はどうなんでしょう。愛情ゆえに支配したいという心理って男ならよくあると思いますが、これも暴虐と紙一重だったり。すべてはそれを受ける者次第でしょうか。好きでもない相手に侵略されたら、喉にナイフ突き立てたいですもんね。なんて。欲求と感情が混じりあう人間って複雑ですね…。
    またまた長くなりました。いつもながら深くお読みくださり、貴重なご意見を頂けて本当に嬉しいです。ありがとうございます!

  • 柊さまの創作の一端を感じました。人間の光と影の描写は
    こんな作品達を読んで来られて培われて来たのですね。
    本当の誇りとは何か本当の誉れは何か。梅毒に侵されながらも
    戦った誇らしい姿が美しく輝いて見えました。
    まだ作品読んでもいないのに、感動してしまいました。
    素晴らしい解説ありがとうございます❣️

    作者からの返信

    未熟な紹介にも関わらずここまでしっかりと内容を読み取っていただき、光栄です。読み返しても端折っている感がやはり否めないんですが、そう言って頂けると有り難いですね。
    昔から読んでいた訳ではないのですが、一度ハマると次々に読みたくなります。光と闇、闇の方が多いですが、その中に優しさや慈悲の目が感じられるところが好きですね。
    こちらこそお読みくださってありがとうございます!

  • モーパッサン。正直お名前しか知りません。一度も読んだことありませんが
    柊さまの語り口に惹かれて本当に読んでみたいと思いました。
    真夜中に眠れないことがあるんですが、そんな時にこそ、こんな風に
    モーパッサンを読んでみてもいいなと言う気にさせて頂きました。

    作者からの返信

    mono黒さん、こちらまで覗いてくださってありがとうございます!
    モーパッサンは『女の一生』あたりが一番有名ですよね。あれは長編ですが、やっぱりモーパッサンの良さが表れているのは短編の数々だと思います。『脂肪のかたまり』はこの作家への導入にぴったりの傑作ですね。
    眠れない夜に、いいお伴になるかも知れません。僕も寝る前に少しずつ読むのが好きです。

  •  面白いお話でした。
     最後は、確かにモーパッサンらしい終わり方だと思います。
     ただ一つ、トワーヌさん倒れて役立たずになったために、卵をふ化させる任務を与えられたはずなので、元気になるまではやり続けなくてはいけないのでは……と思ってしまいました(笑)

    作者からの返信

    トワーヌ親父が母性に目覚めるところが可笑しいんですけど、最後はやっぱりブラックですね(笑)彼はほんとにリハビリしないとずっと卵のあたため役になっちゃいますね。またおかみさんがこき使いそうですww

  •  えー⁉
     お客さん、本当に何を仰っているのでしょうか(笑)
     鶏の卵を人肌でふ化させるなんて、中々思いつかないです。

    作者からの返信

    ほんとにくっだらないことを考えつきますよね(笑)トワーヌ親父はこの巨体だから熱量が半端ないんでしょうね。使わない手はないです!笑

  •  恐ろしい話ですね……。
     どうしてルフェーヴル夫人は自分のことしか考えられないのでしょうか。彼女のために家に来て、彼女の為に命を落としたピエロが哀れでなりません。

    作者からの返信

    ちょっとこの話は堪えますね。まさにピエロは命を落とすために彼女の家に来たようなものでしたね。飼い主は選べません。この話では動物をモチーフに使ってあるものの、何に自分の金とか気持ちを惜しむかって部分は色んな物事に共通するなと思います。

  •  モーパッサンの作品に女中さんが時折出てきますが、家庭ごとに女中さんを雇うのはヨーロッパでは普通のことなのでしょうか?
     私はヨーロッパ社会の仕組みについてよく知らないので、ルフェーヴル夫人のようなケチな方こそ、女中を雇わなければいいのに、なんて思ってしまいました。(しかし、それはステータスとして許されないことなのかもしれませんが……)

     また「犬税」があることには驚きました。犬を飼うにも税金を払わなくてはならないんですね。

    作者からの返信

    悠栞さん、コメントありがとうございます。
    プチ・ブルジョワの階級に属する人は使用人を雇うのが普通のようですね。肉体労働とか職人とかは別として、どんな貧乏でも公務員とかはブルジョワに入ってしまいます。この話は田舎ですが、ルフェーヴル夫人に女中がいるという設定で彼女自身が小作人ではないのが分かります。土地の実入りがあるとか。畑は趣味でやってる程度のものですね。
    自分で家事をするというのはランクが落ちちゃうことを意味するんでしょうね。例えば『首飾り』のように女中に暇を出した時点で生活のレベルが落ちたことになりますし。この夫人はすごく貧乏なわけではなく、金を出したくない人なんでしょうね。
    犬税も驚きですね。今もあるのか、僕は動物を飼ってないので分からないんですが……。

  • これはきついなあ。悩んでしまいます。もう、『エゴとは何ぞや?』の決定版的作品ですね。
    金持ち夫妻の厭らしいエゴ、子供を売り飛ばす隣家の打算的なエゴ。しかし、子供を守ったつもりでいる夫婦に対しても、それは愛情という名の一方的なエゴでしかない、と切り捨てる。かつ、それを受け入れることができなくなった青年のエゴ。
    正解はないんでしょうね。人は皆、自らの中にとんでもないモノを宿して生きている。だから、幸せになろうとするなら、佳きものをみながら生きていくしかない。
    シャルロの両親が、金持ち夫妻の悲しみをまずみたなら。
    金持ち夫妻やジャンの両親が、シャルロの両親に誠実をみたなら。
    シャルロの両親が、ジャンの両親に自分達とは違う形での愛情をみたなら。

    ありがとうございます。じっくりと考えさせられます。深いですねえ。

    作者からの返信

    呪文堂さん、コメントありがとうございます!
    これは登場人物のどれかに自分をあてはめて読む人が多いと思いますけど、全体を俯瞰で見るとそれぞれのエゴが際立って見えますね。それぞれの思惑は、良かれと思いながら結局は自分のエゴを通したいことに他ならないのでしょうか。
    語り口だけなぞれば、シャルロが家族の犠牲になったような印象を受けるんですが、これもまた彼のエゴでもあるわけですよね。しかし今まで植えつけられた「愛情を受けている」という優越感がジャンを見てひっくり返るのが残酷です。
    ここでは相手の気持ちを鑑みるという部分は一切出てこないので、仰るような「~なら」があれば……うーん、ここまで人間関係が煮詰まってくることもなかったのかも知れません。
    これ、多かれ少なかれ、日常で繰り返していることにも思えます。何が相手のためで何が自分のためなのか、線を引くのは難しいですね。
    いつもながら丁寧なご感想、ありがとうございます!

  • サクルマン氏、勲章に目がくらみすぎですね・・・^^ 生まれた瞬間からの執着なら仕方ないですね笑 めでたし風なのもすごい皮肉です・・・^^

    作者からの返信

    神原さん、コメントありがとうございます!
    生まれた時からの念願ですからね。叶ってよかったです (笑) そうそう、めでたし風な終わり方。皮肉で可笑しみがありますね。これでいいんでしょうか。いいんでしょうね (^^;)

  • まさかそのままお別れだとは……。:゚(;´∩`;)゚:。でもこれが戦争の姿なのよね。人の命を奪うことが勲章になる時代、敵の命も魚の命も、プロイセンの指揮官にとっては同じなのかもしれません。それぐらい麻痺しないと戦争なんてできないのかも。
    モリソーさんとソヴァージュさん。二人が天国で釣りをしているに違いないという言葉は、モーパッサン先生の言葉?それとも柊さんなのかな?
    二人はモーパッサン先生の創作の人物ですけれど、実際に戦争で犠牲になった市井の人々。その魂が安らかであるよう願ってしまいます。

    作者からの返信

    遊井さん、コメントありがとうございます。
    この話はちょっと堪えますよね...。敵の命も魚の命も同じ、本当にそういう感じだと思います。
    先生は兵隊の経験があるだけに人の感覚が麻痺した場面を沢山見てきたんじゃないでしょうか。
    天国で釣りをしているというのは僕の希望的な感想です。犠牲になった市井の人たちがせめて安らかに眠っていてくれたらと思いますね。


  • 編集済

     作中に登場する場面が的確な言葉で表現されていたため、フランスの美しい風景が目に浮かびました。
     フランス語の作品を日本語に訳すのはきっと難しいと思いますが、柊さんの日本語の表現が分かり易くてきれいだったため「日本語って美しいな、素敵だな」としみじみ思っていました(フランス文学なのに……すみません<笑>)。

     ミス・ハリエットは乙女だったんですね。はぁ、画家が彼女の気持ちに寄り添ってあげていたら……なんて思ってしまいます。
     ここまで読んできて、何となくモーパッサンが書きそうな結末が想像できるようになってきました。そのためこの作品も、きっと悲しい結末になるのだろうなと思って、途中で踵を返したくなったのですが、ついつい読んでしまいますね……。

    作者からの返信

    悠栞さん、コメントありがとうございます。
    いつもはけっこう端折ってしまっているのですが、この話は風景と心象の描写がきれいなのでたくさん引用してしまいました。好きな作品を訳すのは楽しいですね。日本語でも原作で感じた雰囲気が出せるかが一番悩みどころですが、そこも含めて楽しいです。

    肉体の年齢と心とのちぐはぐな感じがハリエットさんの魅力ですが、こういう人がひとりで生きていくのは難しいだろうと思います。唯一の理解者である画家も若い男の域を出ず、何より芸術家の感性でしか彼女を見ていなかったということでしょう。ずっと友達のままいられればよかったのに、と思ってしまいます。
    モーパッサンの結末は悲劇や不幸なオチが多いですよね。愉快ではないですが、その中にも優しさや愛情が感じられるところが好きです。特に弱者やはみ出た者に対する温かい目が(たとえハッピーエンドにならなくても)優しさを感じるんですよね。

    編集済
  • ゆい(๑╹◡╹๑)「マドレーヌちゃん。ポールにダンスパーティーに連れてきてもらったのに、森の中でポーリーヌとそういうことしちゃダメ。ポールにバレないように、後日にすれば良かったのに」
    モーパッサン(◠ᴥ◕ʋ)「そわかくん、そういうことが言いたいのではない。これは植えられた価値観から逃れられなかった男の哀れな末路を描いておるのじゃ」
    ゆい(๑╹◡╹๑)「あのー、なんで犬なんですか?」
    モーパッサン(◠ᴥ◕ʋ)「かわいいじゃろ♪読者から、先生かわいい♡と絶賛されたから、さらにかわいくしてみたのじゃ」
    ゆい(๑╹◡╹๑)「いやいや、モーパッサン犬の話だと思われますよ!威厳ある顔にしてください」
    モーパッサンಠ益ಠ「これはどうじゃ?」
    ゆい(๑╹◡╹๑)「フォロワーさん、81人減ります」
    モーパッサンತ_ʖತ「ならこれは?渋いじゃろ?」
    ゆい(๑╹◡╹๑)「目ん玉、もしゃもしゃしています」
    モーパッサン(ʘ言ʘ╬)「これならどうじゃろか?」
    ゆい(๑╹◡╹๑)「先生、読者を睨んでどうするんですか。更新しても、誰も読みにきてくれなくなりますよ。柊さんの妨害しないでください」

    こうして、先生の顔はやはりᕦ⊙෴⊙ᕤに戻ったのでした。めでたしめでたし♪



    作者からの返信

    あれ、以前も見たことのある顔文字が並んでいますね。益とか言とか入ってますけど。なんか怖いです。あと犬だともう人間ではないのでちょっと……。
    フォロワー様はこの作品に不釣り合いなほどで畏れ多いですが、更新しないとだめですよね。最新話が二か月ぶりでした。忘れられないうちにまた次の短編を決めなければ。
    先生のお顔が曇らないように頑張ります(^^;)

  • 昨日たまたま「結婚していない女性がひとりで赤ちゃんを産み、遺棄した件で捕まった。けれど男性にも罪があるでしょう?」というエッセイを読みました。
    ルイーズが責任を持って子供を育て、優しいブルジョアの紳士に出会ったから良かったですけれど。もしもルイーズが遺棄したら、彼女は捕まるけれど、逃げていったフランソワは捕まらない。
    子供は、女性と男性ふたりで出来るものだからこそ、男性には自覚をもって欲しいですね!
    と、いうことで……。

    ゆい(๑╹◡╹๑ )「モーパッサン先生。女性には優しく、男性には手厳しく。賛成です!」
    モーパッサン(◠ᴥ◕ʋ)「了解じゃ!」

    え?先生の顔が違う!どうしたの?
    この謎は次回!


    作者からの返信

    遊井さんいらっしゃいませ。コメントありがとうございます。
    ああ、そういう事件、ときおり耳に入りますね。こういうときって絶対に父親不在ですよね、不思議なことに。
    この当時は私生児はとても罪なので、遺棄したり、こっそりとどこかへ預けてしまう母親も結構いたと思います。ルイーズは運がよかったとしか言えないですね。きっと本当に愛してもらえたんでしょう。
    男ってのは自分の体で痛みを分からないので、こういう心理的な形で苦しみを加えるというやり方は効くのではないかと思います。将来は孤独死ですね。

    ところでまた先生の顔で遊んでますか?笑

  • 柊さん、このたびは色々お疲れさまでcнϋ(*˘ ³(_*˘꒳˘*)💛
    更新ありがとうございますm(__)m
    「羨望と嫉妬は背中合わせ」ですよね。無いものねだりをするのが人間かしら? だけど、勲章で頭がいっぱいで妻の浮気に気付かないなんて、或る意味お幸せかもしれませんね。「自分が飾られることに夢中になるあまり周りの状況さえ見えなくなってしまう男の姿」が見えてきます。勲章に目がくらみ大切なものを見失ったとしても、見失っている自分に気付かない。そういう人は実際に居ると思えるのです。
    『ピエールとジャン』は長編かしら。ご紹介の日が来ますこと、楽しみにしております(^^♪

    ところで私も橋の上から河を眺めるのが好きです。柊さんの御返信を拝読して、まさに「天と水の両方が橋を挟んで共存するような感じ」が好きなのだと思いました。何処まで続くのだろう、何処まで流れるのだろう、天と水が合わさる場所はあるのかしら。そんなことを漠然と思って見ています。

    作者からの返信

    ひいなさん、コメントありがとうございます!
    お気遣い感謝です。
    憧れが執着になって嫉妬に変わるってまあよくあることでしょうね。あんまり深刻に書いちゃうとドロドロになりそうですが、このお話はコミカルなので重たくないところがいいです。
    『ピエールとジャン』は長編です。長編の紹介は本当に時間のある時にとっておくしか今はなさそうですね……。この『勲章!』も有名なのに今ごろ取り上げてますし。まだ短編にいいのが色々あるはずなのでもうちょっと探そうかなと思います。

    こっちは規制緩和が始まって物理的には自由になってくるはずなんですが、ちょっと気持ちの方が追いついていません。あんまり閉じこもってはいけないなと思うのですが……。そういうときこそ水の流れや空を眺めに行くのは必要ですね。

  • 人はいつの時も欲を手放せませんね。嫉妬と虚栄の執着ですから簡単に盲目になったのでしょう。奥さんも食えない人ですけど大切なものを失うかも知れないのに、本当に…(ー ー;さすがモーパッサン。読ませて頂きありがとうございました

    作者からの返信

    奥さんも食えない人…(笑)勲章勲章と繰り返してる夫に相槌をうちながらも内心うんざりしてたんじゃないかなあと思います。お金持ちだから結婚はしても、こういう男には魅力は感じないですよねえ。これからもだまし通せるでしょうか?(^^;)
    こちらこそ読んでくださってコメントも嬉しいです。ありがとうございます!

  • 世の中の男なんて口ばっかり!子供の一人も生んでみなッ!という強烈なお叱りかと思いきや、最後の落ち。参りました!
    お話として面白く、しかしなんだかもやっとしたものをそっと置いていく。手練れですねえ。主張が強くなれば説教臭いし、なければないで薄っぺらいし。実に勉強になりました!
    『愛情?欲求的現象だろ?』・・そこまでブラッキーじゃないですよね、モーパッサン先生・・( T∀T)

    作者からの返信

    呪文堂さん、コメントありがとうございます!
    これは先生には珍しいというか、ギャグ満載のドタバタですね。にもかかわらずしっかりモヤっとさせるところがさすがです。正直なにが言いたいんだ?と思うんですけど、メッセージをこじつけないところがいいですね。
    『愛情?欲求的現象だろ?』おお、これは鋭い!そこまで考え至りませんでした!読み込みの深さに感服ですm(__)m あながちそうではないと言い切れないかも……( T∀T)


  • 編集済

    勲章は、欲、の対象として、色々なものに置き換えることもできそうですね。単に地位とか名誉とかだけでなく、たとえば金が欲しい、あの女が欲しい、車が欲しい、というように。

    人間って、欲とか執着をなくすことはできないけど、そういう人間の姿を揶揄しているようにも感じられました。

    それと、地元に帰ってきた「ロスラン氏」と、寝室に入った「ロスラン氏」が、サクルマン氏とこんがらがって、イマイチ分かりにくかったですよ。ロスラン氏→サクルマン氏、ではないわけですか?
    理解力がなくてすみません。

    作者からの返信

    レネさん、コメントありがとうございます!
    仰る通り書き間違えてました!二か所もやっちゃいました。ぼうっとしてますね。教えて下さって助かりました!すぐ直しました。ありがとうございます!

    勲章はこの人にとっての欲の象徴ですけど、みんなそれぞれ違うものに執着がありますよね、きっと。
    あと持ってる人に対する嫉妬や、自分が持っていないことに対する怒りが他所に向いたりとか。短い話の中で的確な心理描写が入ってます。
    勲章は特に名誉を象徴するので、モーパッサンはそこに固執する人を皮肉りたかったのかなと思います。

  • タイトルが、タイトルがかわいい! (*゚∀゚)=3 3人のせいで図書館で文献捜しに貢献すれば勲章が与えられるという前例ができちゃいましたねw

    作者からの返信

    橋本さん、コメントありがとうございます!
    タイトル可愛くなっちゃいましたね。というか面白くなってしまいました。渋くしようとしたんですが(嘘ですw)

    ああ、なるほど、変な前例ができてしまったら困りますね。でも授与の理由って微妙に眉唾なのかも知れません。ここには書いてないですが、本文には代議士のメダルもなんで与えられたのか誰も知らない、みたいに書いてあります(笑)

  • モーパッサンの中で私の一番好きな話です!
    くすっと笑えるけれど、微妙な空気が漂うところが秀逸だと思います。

    作者からの返信

    明弓さん、コメントありがとうございます!
    これが一番お好きな話なんですね!短いけど一文一文に面白さが凝縮している感じがします。皮肉な可笑しみが漂うところがくすっと笑えるんでしょうね。

  • 妻が一世一代の嘘をついて、バレなかったのも、
    夫が勲章に執着したからですね。
    丸くおさまってよかったね、と思う反面、
    滑稽だわと笑ってしまいました。

    ん?! お髭のモーパッサン先生?を見つけました。

    作者からの返信

    ハナスさん、コメントありがとうございます!
    簡単にバレそうな嘘だと思うんですけど、勲章のことで頭がいっぱいだからごまかせてしまいましたね。妙な一件落着といいますか(笑)
    サクルマン氏の必死さが最初から最後まで滑稽ですね。なにかに固執することって、傍から見るとこうなのかも知れませんね。

    はい、先生の顔です。笑
    秘密ですが遊井さんです。笑

  • カクヨムで言えば、ラブコメみたいな内容ですよね。

    でも、なんか微笑ましい。浮気する妻も嘘を信じる夫も、浮気相手も。
    いい物語をご紹介いただいてありがとうございます。

    作者からの返信

    雨さん、コメントありがとうございます!
    ラブの要素がちょっとうすいラブコメですかね。自分のことにばかり夢中になっていると寝取られるぞ、ということかしら(笑)
    ブラックだけどエグくない話なのでちょうどいい感じに笑えますね。こちらこそいつも読んでくださって、ありがとうございます。

  • デコる、と言うと一気に可愛くなりますね♬
    実態は可愛くないけど…ただの承認要求…
    カクヨム風に言うと、☆の数や受賞に躍起になってる人みたい(笑)
    もう、このまま気づかないでいた方が幸せかもしれませんね(^^;;

    ところで今気づいたのですが(遅い?)
    タイトルが、めっちゃ可愛くなってる…!いつからですか?(//∇//)

    作者からの返信

    黒須さん、コメントありがとうございます!
    デコるって言葉あるんですか? 知らなかった! 可愛くなっちゃいますね(笑)
    簡単に言えば承認欲求ということでしょうね。カクヨム風の例えも仰る通りでw サクルマンさんも一つ勲章をもらったらもっと欲しくなっちゃうんじゃないでしょうか…。

    タイトル見つかっちゃいましたね(当たり前か(^^;)
    読者様が先生の顔文字を作ってくださったのです。面白すぎるのでつけてしまいました。笑

  • 〈ジュールの森〉の改稿、お疲れさまでした。そして早速こちらの更新とは嬉しい驚きです、待ってました!

    いや上着のサイズは!? 仕立てたばかりか誰かさっきまで着てたかわからんか!? 「ほら、言った通りでしょう!」って、妻ええ根性しとんな!(笑)

    笑えない話のようだけど笑えばいいのか、ブラックというか皮肉というか……このなんともいえない、辛辣なんだけどゆる~いユーモアのある感じ、これこれ、これぞモーパッサン♪ って感じました。まだ短篇をちゃんと読んだことないのに(笑)

    作者からの返信

    烏丸さん、コメントありがとうございます!
    それから改稿にもお気遣いくださり、ありがとうございますm(__)m

    そうなんですよ、サイズとか、すでに着た感じとか、分からないですかね(笑)僕もチラッと思いました。勲章にしか目が行ってないからごまかせたのかな。

    この話はかなり短いんですけど、サクルマンさんの勲章に対する執着が笑えますw 妻もちゃっかりしてますね。きつい冗談みたいな短編でモーパッサンらしい秀作だと思います ^^

  •  前話でジュールおじさんの手紙を読んだとき、私は「きっと嘘だろうな」と思っていましたが、少しだけ違っていたようですね。雇っていた船長は「羽振りが良かったときもあったようだ」と言っていましたから、アメリカで少しは稼ぐことが出来たのかもしれません。しかしそれもジュールおじさんの嘘だったのかもしれませんが……。

    作者からの返信

    ジュールおじさんはきっと暮らしぶりのいい時もあったんじゃないかなと思います。商売でつい欲が出て失敗してしまったとか……。余計なことに手を出しばかりに全財産を失くしてしまったとか……。いずれにせよ金に縁のない人生を送る運命だったのかなと。
    おじさんの視点で語られる部分がないだけに色んな想像ができますね。

  •  薬屋の人間性は褒められたものではありませんが、ドクターの前で本来の姿を顕わにしているだけ、まともかなと思います。狡猾な人はその姿すら隠し通すでしょうから。

     ドクターの立場から見たら、椅子直しの女性は本当に哀れだと思います。しかし柊さんが仰るように、私も彼女は幸せだったのではないかと思います。生きる糧があったからこそ、彼女は懸命に生きたともいえるかもしれません。

     ただ一つ疑問なのは、薬屋が椅子直しの女性を助けたとき、「椅子直しの女と気づかぬ様子で必死に手当て」をしてくれたことです。「気づかぬ様子」ということは、本当は「分かっていた」ということでしょう。それでも必死に助けてくれたということは何かあるのかなと思ったのですが……仕事に影響が出ないように、いい人のふりをしたのでしょうか。真相は謎のままですね。
     色々な想像が出来るお話だなと思いました。

    作者からの返信

    なるほど、どこまでも心の中を隠していい人を繕うということですね。薬屋は医者も共感すると思っていたのかも。自分の価値観を絶対だと思っているのがこういう部分に出るのかも知れませんね。
    憧れを憧れのままで死ねるというのは幸せだと思います。これだけが彼女の生きがいだったでしょうね。
    薬屋が彼女を助けた時ですが、「気づかぬ様子」は本当に気づいてなかったのかなと僕は思っています。原文にも「気づかずに」とは書いてなくて、「気づかないふり」とも書いてないんですよ。ここは第三者視点なのかなと…細かいですけど。
    でも彼女が買い物に来たら一応客として接したでしょうし、無下にはできなかったでしょう。この辺の微妙な線引きもリアルですね。


  • 編集済

     「報われない恋」の話の前に、「椅子直し」の子として生まれた主人公の女性の悲境を読んで、哀切な気持ちになりました。
     この女の人がどんな悪いことをしたのでしょう。この世に生まれて、「椅子直し」という仕事をして懸命に生きているのに、見下されるような生活を強いられなくてはならないことに、胸が痛みました。
     たかが物語、されど物語。
     モーパッサンは、人の心を掴むのが巧ですね。

    作者からの返信

    悠栞さん、コメントありがとうございます。
    職業差別と身分差別は繋がっていて、それはどこの国にも存在したのがよく分かりますね。昔の日本の身分制度もかなりなものだったと思います。日本だと定住しますが、ヨーロッパだとこうして流浪の人生を送るという違いも興味深いです。
    こうしてリアルな社会を切り取って物語を作るところに読者も心を掴まれるのかも知れませんね。


  • 編集済

    医者に責任を取らせようとしたら、「生きていて、なによりではないですか」と意に介さなそうな人物ですね。

    トラムウェイやプラスチックの衣装ケースがいつ頃からあったのか気になりました。
    モーパッサンの活躍した時代は、現代と比べて何があって何がないのか、わかりにくいです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。シュネ先生は面白い脇役ですね。こういう人いそうです。
    ところでプラスチックケースですが、ちょっと例えが現代的すぎたみたいですね。もちろん19世紀末にはまだありません。昭和ドラマに見立てて書いたので日本でよく使う衣装ケースに例えてみたんですが、読者の方が誤解してしまうかもしれないと気づきました。原作では安っぽいモミの木材の木箱です。
    トラムウェイは蒸気で動く二両編成ぐらいの乗り物だと思います。
    僕も細かいところは把握しきれませんが、大雑把なところだと、車は馬車、上水道下水道はまだ整備されておらず、電気照明が一部の劇場などで使われ始めたギリギリの頃、というところでしょうか。想像だけだと難しいですね。
    Youtubeに「Chez Maupassant」というモーパッサンの短編をドラマにしたシリーズがあります。内容は脚色されていますが、ビジュアルだけなら時代の雰囲気がよく分かりますよ。

  • はじめまして。
    フランス文学は全く読んだことことがないですが、読んでみたくなりました。モーパッサンも、名前だけは知っていましたが、内容は全く……(^_^;)
    とっても分かりやすく説明してくださっているので、少しずつ読んでいきたいと思います。

    作者からの返信

    楠さま、
    はじめまして、興味を持っていただきとても嬉しいです。ありがとうございます。
    語弊がありそうですが、個人的にはモーパッサンはライトノベル風だと思っています。読みやすさという点で。でも内容はそのボリュームにしてはかなりの濃さなので、読みやすさと読み応えのバランスがいいのだと思います。
    なるべく色んな種類の話を集めていますので、どれか面白いと思ってもらえる短編があれば幸いです。気が向かれたときにいつでもお寄りくださいませ。


  • 編集済

    僕はどうしても立ち入ることができないお店があります。いや、近寄ることすらできない。自分のエゴと無力さを見せつけられるのです。結局、近寄らぬことで見ぬふりをしているだけなのですが。
    分かっている。かといって、彼らを解放することもできない。野生に戻った彼らは、時に我々を凌駕する身体能力を持つ。ならば、滅ぼすのか?いや、そのような発想は生態系を取り返しのつかないところまで破壊する帰結へと導く。それは『人が住む環境』を滅ぼしかねない。
    ・・ならば。種の保存のため管理しながら飼えばよかろう?飼うなら、売らねば・・

    結局、僕は目をつぶり耳を塞ぐだけで、夫人とどれだけの差があるというのだろう。ペットショップで売られ、飽きたら捨てられ。殺処分される彼ら。僕は、それを知っている。増えたら困ると避妊処置を受け、血統だといわれ繁殖させられる彼ら。悪魔というものが存在するなら、僕はそれをよく知っている。今朝も洗面台で見た。
    許されるわけが、ないのですね。

    作者からの返信

    コメントいただいて、本当に呪文堂さんは敏感で純粋な方なのだなあと……参りました。恐れ入りました。こんなに我がことのように受け止めて読んでくださるとは。その感性の柔らかさ繊細さ、きっとご自身に少年の部分をたくさん残しておられるんでしょうね。
    人間ならば、心の中を吐露できるすべを持っていますが、彼らには鳴き声でしか訴えられませんね。夫人は最後にピエロの声を聞かないことにしてしまった。塞いでしまえば見ないふり聞かないふりができますもんね。ペットを棄てる人がいるというのは話でしか聞いたことがありませんが、何と何を秤にかけるのだろうなと思います。
    考えれば繁殖という自然の営みに手を加えるというのはおこがましいことなんですよね。しかしそれはペットや商売という括りになると当然になり、人間にとって都合のいい種だと「改良」される。人間は何に変わって生命をコントロールしているんでしょうね。
    ガラスの中で売られている彼らは自分の運命をどこまで分かっているのか。せめて最期まで看取ってくれる人間に出会ってほしいと思うしかありません。

  • ああ。警告を頂きながらもついつい、読み始めてしまいました・・
    動物、特に犬族とはっ
    何故そんなに健気で。その肉球の可愛さといったら、もうっ・・円らな瞳、許してくれっっ

    はい。自己責任です。読んだからにはその罪、人間族の罪は引き受ける所存で。
    い、いざ、覚悟っ

    作者からの返信

    ああ、動物と子どもには弱いと仰っていましたね。小さき者が苦しみを受ける話は心の逃がしどころがないですよね。にもかかわらずお読みくださり、ありがとうございます。自分は動物を飼ったことはないのですが、そんな僕でもこの話はちょっと……。なのでお好きな方には特に厳しいですね。果敢に挑戦していただき、恐縮であるとともに感謝申し上げますm(__)m

  • 女にとって薬屋はアイドル(偶像)だったのだろう。というのが私の感想です。
    アイドルに熱中している人は、身につまされる話かもしれません。


    余談ですが、子供の頃に『ひも』(糸くず)を読んでトラウマになりましたけれど、教科書に載っていたそうですね。
    ちょっと驚きました。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。端的に言うとそういうことでしょうね。僕は報われないと嫌なたちなのでこの女の気持ちは理解しきれませんが(笑)アイドルに熱中することに自分で酔っている部分もあるでしょうね。

    糸くずの話分かります。後味悪いですね。これも余談ですが日本語の教科書って悲しい話やバッドエンドが好きですね。あれは弱者贔屓の国民性でしょうか。興味深いです。

  •  紹介文の途中から既に涙が……!
     最初はシモンの心に共感し、フィリップの優しさに触れてうるっときてしまい、最後にブランショットとフィリップが夫婦になって、フィリップがシモンの父になるところで、泣いてしまいました。
     本当に感動的なお話ですね。

    作者からの返信

    ああ、この文だけでそんなにも感動していただけるとは紹介した甲斐があります……! このお話はそれぞれの健気で不器用な気持ちがよく伝わりますね。こういうハッピーエンドはとても珍しいですが、それだけに作者の隠された優しさが出ているようです。僕は最後のフィリップのセリフに涙腺崩壊です(笑)

  •  「暖房」が「相手を思いやる心」……成程です。
     まるで寓話のような教訓が含まれているような気もします。夫に「相手を思いやる心」があれば、彼女はもう少し幸せな生活が出来たかもしれないですね……。

    作者からの返信

    作家が意図しているかは分からないですが、メタファーとして解釈できる小道具も色々あると思います。社会風刺や人間の本質を皮肉に描くのがとてもうまいですが、そこを教訓と捉えるのも読み方の一つでしょうね。
    この夫婦はすれ違うべく一緒になったような気もします。こういう終わり方もやるせないですが……。

  •  はじめまして。
     モーパッサン、最近触れる機会があったので、興味がありこちらを読ませてもらいました。とても読みやすく、また分かりやすい解説で、実際のモーパッサンの作品と合わせて読みたいなと思いました。

     それにしても、このオチ……! びっくりです!
     思わず友人の最後の言葉を繰り返し読み返して、マチルダがどんな気持ちになったのか想像してしまいました。想像するたびに、気の毒だなと思います。すごい作品ですね。

    作者からの返信

    悠栞さん、はじめまして。
    この作品に興味を持って頂き光栄です。すでにたくさん読んでくださりありがとうございます。分かりやすいと感じて頂けたら何よりです。

    この作品のオチはかなりブラックですね。笑えるけど笑えない話の代表作みたいな感じで。モーパッサンは辛辣でかなり毒気がありますが、それが面白くて癖になってしまいますね。

  • 信仰という、美しくも虚構の世界で生きてきた彼女。そこに画家が描かれた。それをそのまま風景のように眺めていたら、彼女の世界はそのままにあったでしょう。しかし、彼女は画家を欲してしまった。
    考えさせられます。心身ともに美しい十五の少女なら、たとえ破れたとしてもしなやかな未来が彼女を支えるでしょう。しかし。

    永遠に片道の信仰だけが、彼女を救えたのだろうか。愛とはなんなのか。持たざるということを真に理解していない自分には愛など語り得ぬのか。考え込んでしまいました。
    知れば知るほど自らの未熟を突きつけられます。悩むしかないようです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    ハリエットさん自身が語るわけでもないのに、画家の目を通しただけでその人生が浮き彫りになるような感じがします。彼女が持っていたものは信仰だけだったんでしょうね。あるいはそれしか残されていなかったとでもいいますか。彼女はそれ以上を求めてはいけないと分かっていて、恋慕に苦しんだのでしょう。そこはやはり50歳の女性の思考であり、孤独に慣れた女の思考なのだと思います。これが本当に15歳の肉体であれば仰る通りこんな結末にはならなかったでしょう。
    でも僕は彼女の人生が信仰だけで終わらなかったのはよかったと思います。たとえ一瞬でも画家との時間は彼女の暗い人生の唯一のきらめきだったのでは。亡くなってからはもう遅いですが、愛する人に死化粧をされて見守られ、口づけしてもらえるなんて、こんな幸せなことはないですよね。
    ……なんて、おセンチなことを申しました。ラストシーンがあまりにも好きなもので、失礼しました。
    コメントにいつも感謝です。ありがとうございます!

  • 拙作のエッセイで次回は『乙女』を取り上げるのですが、ここ数日、『乙女とは乙女とは』と呟いていたところでした、参りました、これだっ!乙女だっ!
    五十を越えた女性のなかに十五歳の心が宿ることを見出だした途端、彼女の姿は潤いを得て愛らしくなる。優れた画家の眼は表層の奥に潜む彼女の本来を見出だしたわけですね。
    いやあ、勉強になりました!柊教授には助けて頂いてばかりおります!モーパッサン先生にも感謝申し上げたく!
    ありがとうございましたっ!

    作者からの返信

    呪文堂教授!そんな有難いお言葉を頂いては恐縮してしまいます!
    言われてみれば乙女ですねこれは。ここでは少女少女と連呼していますけれども、一番的確な言葉を当てはめて頂いた思いです。
    他の人たちと違う観察眼を持っているだけに、画家はハリエットさんの本来を見抜いた。そして彼女も画家との時間でさらに自らの本来を隠し切れなくなる。ここは相乗効果でもありますね。
    しかし宮崎さんと違うのは彼女の肉体の年齢、そしてその経験値だけに全くの乙女にはなり切れないところでしょうか。この物語はこの設定の妙もあると思います。


  • 編集済

    返信コメントを読みにきたゆいさんは、あるものに気がついたのであった。

    ゆい(๑¯◡¯๑)「先生!大変です!タイトルの横に変なオジサンがいます!」  
    モーパッサンᕦ⊙෴⊙ᕤ「変なオジサンではない。精力的なイケてる紳士モーパッサンじゃ。さすがけーすけくん。タイトルの横にモーパッサン印をつけるとは、センスがある。ファンから弟子に昇格じゃ!」
    ゆい(๑¯◡¯๑)「柊さん勇気がありますねぇ。素敵です♡柊さん好き好き度数が300から3000にアップしました♡」
    モーパッサンᕦ⊙෴⊙ᕤ「天井知らずな数字じゃな。ちなみにワシの好き好き度数はいくらじゃ?」
    ゆい(๑¯◡¯๑)「30です」
    モーパッサンᕦ⊙෴⊙ᕤ「低っ!あとこの仙人みたいなしゃべり方、どうにかならんかのぅ」
    ゆい(๑¯◡¯๑)「その口調で固定化したから無理です。ちなみに柊さんは、ジュールの森のイメージ『麗しの文学青年』のまま固定化されています」
    モーパッサンᕦ⊙෴⊙ᕤ「ワシのイメージは?」
    ゆい(๑¯◡¯๑)「皮肉やのエロおやじです」
    モーパッサンᕦ⊙෴⊙ᕤ「けーすけくん!ワシのイメージを上げておくれー!」

    タイトル横のモーパッサン印で、気分絶好調です!朝から笑ってしまいました。ありがとうございます。すぐに外さずに、できれば永久保存版でお願いします♡

    作者からの返信

    あら、ほんとだ。変なのがくっついてますね。誰が落書きしたんでしょう。困った人がいますね。
    永久保存版にしてもいいかしら。読者がいなくなったらゆいさんのせいってことでお願いします(笑)
    先生の喋り方がやっぱり……(-_-) 固定ですか。諦めるしかありませんね。あ、それから僕はそこまで文学ではないんですよ。どちらかと言えば実地です。あと青年でなくて中年です。ごめんなさいね。
    モーパッサンと自由自在にお話しするゆいさん羨ましいです。ちなみにこの次の「父親」という短編が先生っぽいですよ。「シモンのパパ」はちょっと特別ですね。
    気分絶好調ということででこちらも嬉しいです。良い一日を!


  • 編集済

    ᕦ⊙෴⊙ᕤけーすけくん。わしじゃよ、わし。モーパッサンじゃ。髭がはえておるじゃろ。此度はわしの作品で涙を流してくれたとは、嬉しいかぎりじゃ。わしの作品を紹介してくれるだけじゃなく、気持ちを汲み取ってくれたことに感謝するぞ。わしのファンを名乗ることを許可する。あっぱれじゃ。
    ゆいさん?ああ、彼女はブラックなオチが待っていると思っていたらしいぞ。が、まさかの感動的な結末に、自分の心がいかに薄汚れているのか気づきショックを受けておる。さらにはようやく、わしに文才があることに気づいたらしいぞ。アホなおなごじゃ。鍛冶場とフィリップが初めて家の中に入ったところが、ゆいさんも気に入ったらしいぞ。
    ゆいさんはわしを、ブラックユーモア好きなエロオヤジだと思い込んでいるところがある。けーすけくんのほうから、モーパッサンはお髭の素敵なお洒落でかっこいい知性的で精力的な素晴らしくイケている紳士だと、言ってくだされ。
    それではこれにて失礼するよ。遠くから執筆を応援しておるぞ。
    ᕦ⊙෴⊙ᕤモーパッサンより。

    作者からの返信

    笑笑笑
    ᕦ⊙෴⊙ᕤ これ、作品タイトルの横に付けたいです。いいですか? めっちゃやりたい。
    でもシリアスな話の時にこれじゃちょっとね。そうだ、一日だけやって外そうかな。勇気ないな。笑
    ていうかなんで先生そんな仙人みたいな喋り方なんですか?
    亡くなったの40代なんでもうちょっと若くしてあげてください。
    ブラックな落ちを予想するのは、それだけゆいさんが先生の作風に慣れたということですよね。素晴らしいと思います。こんなストレートなハッピーエンドが待っているとは、100人中2人ぐらいしか思わないですよ。
    この話激短なんですけど、それを3回にまで分けて喋るけーすけの気の入れようが阿保ですよね。でもゆいさんにも気に入って頂けたならその甲斐もありました。
    ゆいさんの先生への評価は間違っていないと思いますよ。でも自分で精力的とか言っちゃったらまずいんじゃないですか(笑)あ、そういう意味じゃないのかな。
    あーなんか誰に向かって返信してるのか分かんなくなりました。
    ᕦ⊙෴⊙ᕤ ←しかしこれやばいです(笑)嫌なことがあったらこの顔を思い出すようにします。ありがとうございます。

    編集済

  • 編集済

    青空文庫に「墓」という作品がありましたけど、別の作品でした(笑)。
    あと、この作品の古い訳のタイトルが「墓場稼ぎの売笑婦」。ネタバレ……。

    モーパッサンの題名の付け方は、星新一にもまったく同じことが言えます。ただ、星の場合はあきらめていて、同じ題名の話がいくつかあります。

    作者からの返信

    コメントをありがとうございます。その「墓」は恋人の死体を掘り起こしちゃう話の方ですかね。
    しかしそのネタバレ日本語タイトルはちょっと困りますね(笑)
    星新一は名前しか知らず、読んだことがないのです。シュールな短編というイメージです。作品が多くなると重なってしまうものなんでしょうか……?

  •  寒い地方に住んでいたので、描写が身に染みました。主人公の取った行動も、追い詰められればそうなるかなと不自然さはありませんでした。
     シベリアに抑留された日本人の中には、わざと凍傷を負って労働を逃れようとした人もいましたし。
    青空文庫で予習したのですが、文意が理解できず、最後のほうがよくわからなかったので、読んですっきりしました。主人公がどこにいるのか分からなかったのです。

    作者からの返信

    こちらにもコメントをありがとうございます。

    妻にとってこの生活は鬱になる材料が多すぎましたね。寒さというのは心を侵食しますよね。突飛に見える行動も、それまでの積もった感情があるだけに納得します。

    青空文庫は読んでみたことがあります。ちょっと翻訳が古いですよね。不明なところがはっきりしてよかったです。

  • はじめまして。
    作品を読んでから、拝見しました。
    オチは途中で察しがつきましたが、途中の伏線の張り方がうまいと思いました。
    親友は、レプリカが入っているから黒い箱を最初に見せなかった。しかし、主人公と読者は、特別な宝石だから最初に見せなかったと錯覚する。
    箱を返してもらったとき、親友に中身を確認させないで、読者に疑問を抱かせ、これは何かあるなと匂わせる。

    ラストですが、私はハッピーエンドにも解釈できるように思いました。
    主人公は身の程を知ることができたうえで、おそらく宝石は返してもらえたでしょうから、それを売って前よりよい生活を送れたと(親友が捨ててなければですけど)。

    ただ一点、なぜ、夫がそこまで返済に協力的だったのかは疑問でした。
    愛しているから。カトリックなので離婚ができなかったから。そこまでは思いつきましたが、加えて、ブルジョワとしての矜持もあったのかなと、このエッセイを読んでいて思いました。

    作者からの返信

    はじめまして。まずはこの作品を見つけてくださりありがとうございます。興味を持って頂けて光栄です。

    「首飾り」読まれたんですね。細部を忘れてしまっていたので仰っていた部分を読み返してみました。数行でさらっと書いてあり、マチルドの視点で語られているので、ここを伏線ととらえずに読み過ごす読者が多いのではないかと思います。返す時も友人の冷たいひと言や代わりの品がバレるのではというマチルドの心配の方が印象付けられるので、まさかこれが模造品だとは読者が想像しないようにできてますね。

    ラストは、僕の考えですが、宝石は返してもらえないと思います。マチルドが勝手に勘違いしただけなので、そこまでの優しさはないかなと。友人にしてみればラッキーで、多分つきあいもここで終わったんじゃないでしょうか。シビアですがこれが現実的かなと思います。

    この時代の夫婦は一度結婚したら運命共同体だったんでしょうね。妻には経済能力はありませんし、全部夫の肩にかかってくるという。この夫も気の毒ですね。プチブルジョワは見栄と現実の間でけっこう苦しかったんじゃないかと思います。

    丁寧なご意見ご感想、ありがとうございます。深い考察を読ませていただいてとても嬉しいです。