昨日たまたま「結婚していない女性がひとりで赤ちゃんを産み、遺棄した件で捕まった。けれど男性にも罪があるでしょう?」というエッセイを読みました。
ルイーズが責任を持って子供を育て、優しいブルジョアの紳士に出会ったから良かったですけれど。もしもルイーズが遺棄したら、彼女は捕まるけれど、逃げていったフランソワは捕まらない。
子供は、女性と男性ふたりで出来るものだからこそ、男性には自覚をもって欲しいですね!
と、いうことで……。
ゆい(๑╹◡╹๑ )「モーパッサン先生。女性には優しく、男性には手厳しく。賛成です!」
モーパッサン(◠ᴥ◕ʋ)「了解じゃ!」
え?先生の顔が違う!どうしたの?
この謎は次回!
作者からの返信
遊井さんいらっしゃいませ。コメントありがとうございます。
ああ、そういう事件、ときおり耳に入りますね。こういうときって絶対に父親不在ですよね、不思議なことに。
この当時は私生児はとても罪なので、遺棄したり、こっそりとどこかへ預けてしまう母親も結構いたと思います。ルイーズは運がよかったとしか言えないですね。きっと本当に愛してもらえたんでしょう。
男ってのは自分の体で痛みを分からないので、こういう心理的な形で苦しみを加えるというやり方は効くのではないかと思います。将来は孤独死ですね。
ところでまた先生の顔で遊んでますか?笑
フランソワなんぞは語るまでもない、と個人的には思うところですが。
ルイーズに『二人の子供』、という記述でホッとしました。ルイーズの夫となった子供たちの『父親』。彼がフランソワの願いを受け入れ子供を抱擁することを認めた訳、これはなんだったのか?子供にとって意味あることと考えたのか。フランソワに対する赦しや慰めとは思えず。仮にそうだとしたら、その抱擁は彼を更に苦しめることになったでしょう。息子を抱いたリアルな感覚は、生涯彼を苦しめることになる。
もしも私が独裁者になったら。女性を省みない男、子供を食い物にする大人、食べ物を粗末にするやつ、みな処刑です。
おっと、毒を吐いてしまいました!
失礼致しましたっ(#^.^#)
作者からの返信
呪文堂さん、コメントをありがとうございます。久しぶりに読み返してみましたが結構急ぎ足で拙いかなあと…それでここまで汲み取って頂けるなんて感激します。
夫がフランソワに子どもを抱かせたのは「これでもう二度と関わるな」という気持ちだったんじゃないかなと自分は思っています。あるいはほんの少しの憐みがあったのか…。仰る通り抱いてしまったことで気が済んだというよりむしろ息子への思いを一生抱えながら生きることになったでしょうね。無視するのではなく会わせる(しかも妻がいない間に)ところに夫の器も感じます。
人間味あふれるコメントとても嬉しいです。
ありがとうございます!m(__)m
前半のフランソワを見ていると、そこらじゅうに居そうな男ですよね。しかし、責任を取らなかった男はこうも惨めになるんですね。
今はどうか知らないけど、妊娠して中絶させる男なんて、これまでの日本でもゴロゴロいました。
この頃の、フランスのそういう避妊、中絶、などの事情って、どゆなもんだったのか、ちょっと気になりますね。
でも、今のパリなんて、片親の子のほうが多いとか、結婚しないカップルが多いとか、一時期そんなことを聞きましたが、実際のところ、どうなのでしょう?
モーパッサン先生の作品から離れてしまって申し訳ないのですが、そういう話にも興味あります。
作者からの返信
レネさん、ありがとうございます。
フランソワは『シモンのパパ』のフィリップと正反対ですね。でも確かにこっちの男の方が多そうです。この作品は本当に手厳しいですね。モーパッサンの男を見る目はシビアでリアルだと思うのです。
避妊は若いうちからピルを飲んでいる女の子は多いと思います。彼氏ができたら飲み始めるとか。男の子にもゴムを持たせるとか。性教育早いかもですね…早熟なんでしょうか…?
周りで「婚姻届」を出しているカップル、あんまりいないかも知れません。結婚は手続きが面倒なのと同時に離婚も面倒なので、その簡略系のパックスという制度で一緒になっている人が多いと思います。別れやすい、というのが前提なのもフランスらしいんですが…。でも単純に同棲しているだけのカップルでも、子どもができれば家族として見なされるので私生児ではないです。
シングルマザーは困らない程度の手当てはもらえると思います。別れるカップルが多いので、親が一人とかそういうの誰も気にしないんじゃないでしょうかね。
あ、でもそれ以前に他人の事情にあまり興味を示さないですね。
モーパッサンの時代の私生児とか片親の描かれ方に比べたら、今は全然違うなと思います。
『シモンのパパ』同様、女性と子供を大事にする男が幸福を得る結末には好感が持てます^^
一方、先を考えない短絡的な男、自分勝手な男へは因果応報な仕打ち。対比がはっきりしていてわかりやすいです。
こんな話を読んだら女性はみんな用心深くなりますね。
モーパッサンの確かな目、信頼できますね!
作者からの返信
コメントありがとうございます ^^
名前も出てきませんが、他人の子を自分の家族として迎える度量のある男はどっしりとかっこよく描かれていると思います。逆にフランソワの心理描写がリアルすぎて怖いものがありますが…。思えば前半からフランソワの性質が出ていたなと今気づきました。
人の内面を見る目が鋭いですね。
前回との落差が凄まじい父親像ですね! 結末を知って成程と思わせてくれるタイトルです。過去の代償を孤独で払うなんて、若気の至りが悔やまれますね。父性に目覚めるのが遅すぎました(>_<)
小役人のフランソワの淡い恋の始まり……「これって現代でも通用するシチュエーションね」に思わず「そうね」と言っていました(^^ゞ
同じ顔で過ごす同じ日々に虚しさを感じ始めたタイミングで自分の子どもに出逢い「私生児を我が子として受け入れる器のある男」の前に敗北するしかない……本当にモーパッサン先生、容赦無しです。
柊さんに「ファレーズ」が似合うと言っていただき、何だか嬉しかったです。自然の造型……エトルタを描いた画家たちの絵も印象的でした。街並みはメルヘン❤
動物の匂い……愛猫の匂いは平気でしたが、比較にならないですね。柊さん、さすがの(?)ご推察! 匂い過敏を伴い脳血管を圧迫、低気圧と共に訪れがちなセンシティヴなものの正体こそ偏頭痛です。ご迷惑な随伴症状!
柊さんは頸の痛み、治まっていますか? ヘルニアも頭痛を伴いがちですから、お気を付けてください。
作者からの返信
コメントをありがとうございます。『シモンのパパ』とはまさに対照的な男の話ですね。
前半ではまだストーリーの先が見えないのですが、妊娠した女を棄てた10年後から一気にトーンが厳しくなります。まさに敗北ですね。結末は甘くありませんでした。
首のヘルニア覚えていて下さったんですね。今は痛みはないですよ。でも首や肩は多分弱いので気をつけないとですね。スマホの長時間使用は危ないです。
編集済
柊さん、こんにちは。
昨日と今日の私のエッセイに、柊さんの名前を出してしまいました。報告が遅れてすみません。
今では、男女が付き合い、片方に飽きがきて去ってしまうというケースも小説はよくありますよね。男のほうが女性の妊娠を知って逃げてしまう場合も。
そんな中、この短編がユニークだと思ったのは、①10年後にフランソアがルイーズに声をかけた時、恐怖と憎悪の叫び声をあげて逃げるところ。たいていは睨んで、たまには平手打ちとか。②フランソアが手紙を書いても返事をくれないので、今の夫に電報を送るところ。死ぬ覚悟ですからね、よっぽど子供に会いたかったのでしょう。③今の夫が会わせてくれるところ。よほど器量の大きなご主人。もうこれ以上邪魔してほしくなかったのでしょう。
フランソワにもそのことが伝わり、「これきりです。さようなら」と去ります。これが彼の贖罪、ここでようやく、彼が人間らしくなったと言えます。これまでは自分勝手な男でしたが、子供に対する愛情はホンモノ、子供に恥ずかしくないようにして生きていれば、10年後、20年後に、奇跡が起こるかもしれませんよね。
私はこの短編を読んだ時、「シェルブールの雨傘」を思い出しました。あの若者は戦争に行かなければならなかったわけで、彼女を捨てたわけではありません。が、彼女にはやさしい金持ちが現れて、喜んで、母娘を引き取ってくれましたよね。
主役があのカトリーヌ・ドヌーヴですから、ガソリンスタンドのお兄ちゃんではつり合いが取れず、パリの紳士と結ばれて、やっぱりそうですよね、と納得でした。
数年後のクリスマスの夜、雪のガソリンスタンドでふたりが再会した時、彼女は娘に会うかというのですが、彼に妻子がいることもありますが、(ふたりで考えた名前)の娘に会いたいに決まっているのに、会わないと言います。
お互いのいたわりは、泣かされました。
でも、ドヌーヴは美しすぎ。
作者からの返信
九月さん、コメントありがとうございます。すみません、まだ読みに行く時間がなくてm(__)m のちほど読ませていただきますね。教えて下さってありがとうございます。
この作品、九月さんが指摘されているところは現代的なのでしょうか。それともキャラによって反応が違ってくるんでしょうかね。①とか、逃げるって反応に、どれだけ彼女にとって男が忌まわしい存在かが伝わってきますね。②は外堀を埋めようとするかんじがなんか個人的に嫌ですね。気持ちは分かるけど。③は夫の器量の大きさと、これ以上妻につきまとわれたくないってことでしょうね。この二人の男の対比が残酷。
そうですね、子どもに恥じないように生きてももう女に恥じる生き方をしちゃってるから、どうなんだろう、子どもが大人になって自分から会いに行く、なんて別の話ができるかも知れませんね。
シェルブールの雨傘は一度見ただけですが、金持ちと結婚しちゃうのが現実的だなあと思いました。最後の再会は皮肉で哀しかったですね。
今回も丁寧なコメントをありがとうございますm(__)m エッセイと小説の続きもまた読みに伺います。