概要
フランス文学?興味ない。
そんなことを言わず、どうか僕の読書感想文につきあってください。
取り上げる作品全部ネタバレします。
ご了承ください。
使用図書
Maupassant : Les Classiques de Poche (Le Livre de Poche社)
Maupassant : folio classique (folio社)
Maupassant par les Textes (Thierry Selva)
本文中の日本語訳は筆者によるものです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!エスプリが効いたフランス文学の世界
モーパッサンというフランスの作家をご存知でしょうか。登場人物のさまざまな人生を、あるときはユーモラスな皮肉を込めて、またあるときは非情で正直な心を淡々と描かれた作家であり、二百を超える短編を綴られています。
機知に富んだ文章には無駄がなく、選び抜かれた言葉から伝わってくるのは、市井の人々の生活の苦楽、日々の営みから生まれる喜びと悲しみ、そして生々しいほど赤裸々に暴かれた人間の本質――そんなモーパッサン文学を、一作ずつ紹介されているのが、こちらのエッセイです。
柊さんの解説や要約は、とても読みやすくて面白く、「モーパッサン文学が好き」という深い愛情がこもった語りの引力に導かれて、最新話まで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!短編の名手モーパッサン。あなたの好きな作品がきっと見つかる
モーパッサンはフランスの小説家。彼の書いた短編は約260篇。
その中でおすすめの短編を、柊さんが紹介してくれます。
モーパッサンの人を見る(特に男性を見る)目はシビア。愛などひとときのロマンスでしかなく、運命の相手だと惚れ込んでもただの勘違い。純愛は切ない片想いの中にしか存在せず、崇高な人物たちは状況次第で悪人に変わる。
モーパッサンは戦争のトラウマを抱え、精神錯乱も起こしている。
だからなのか読後感が良いとは言えず、背中にナイフを突きつけられたような鋭さと冷ややかさがあります。
しかし、なかには温かみのある作品もあり、モーパッサンの憧れを垣間見ることができます。
モーパッサンの人を見る目…続きを読む - ★★★ Excellent!!!モーパッサン先生の、あんな趣味やこんな嗜好が筒抜けです・・・^^
作者様の、モーパッサン先生への愛とリスペクトに満ちた楽しい読み物です✨解説が面白くて、ついモーパッサン作品を手に取りたくなりますが、正直こちらのエッセイの方が楽しくわかりやすく、作者様のゆかいなツッコミもりだくさんではまってしまいます。
怠惰な私などはモーパッサン先生読まなくてもいいや・・・みたいなことになっていますが、かの大先生の特徴や傾向を垣間見られていいとこ取りすぎます。
かなり捻くれて性格悪いなぁ~というストーリー運びが多いのですが、そんなモーパッサンを愛してやまない柊様の感性もまた一筋縄ではいかないのかな・・・などと感じた次第です笑 - ★★★ Excellent!!!モーパッサン + α
"モーパッサン"なんて知らない。"フランス文学"なんて読んだ事も無い。
全く興味も無かったのに、ご縁があって読み始めたらハマってしまって、自分の幅を広げてもらってるな〜と思う作品です。
人間の持つ黒い部分は出来るだけ見ずに美しい部分だけを見ていたいと思ってしまうけれど、美しいだけじゃないあらゆる人間らしさがシビアにリアルに描かれている作品たち。
短編それぞれの結末は残酷でもあり、滑稽でもあり、美しくもある。
読者にメッセージを押しつけないからこそ、読者は考えさせられる。一つ一つは短編なのに、その一つ一つにとても深い物が込められている感じ。
筆者さんはフランス語で書かれた作品を読んで、それを…続きを読む - ★★★ Excellent!!!モーパッサンを知っていますか?
阿刀田高の「知っていますか?」シリーズを思い出す一作。
モーパッサンの短編について、その粗筋に加えて、筆者の軽妙なコメントが添えられている。
上に挙げた阿刀田高は短編(ショート・ショート)を八百、星新一は千篇書いているのに対して、モーパッサンは三百近くを残している。
ただ、前者ふたりに対して、モーパッサンは活動期間が短いので、長生きしていればもっと書いていただろう。
モーパッサンの作品は、阿刀田や星に比べて、オチの切れ味は鋭くない。ただし、読み終えた後、読者にあれこれと考えさせる力は、モーパッサンの短編の方が優れている。作品に奥行があると言える。
阿刀田や星の作品は切れ味鋭い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!フランスの小説家「モーパッサン」の作品を面白く、明快に解説中。
こちらの作品は、フランスの小説家である「モーパッサンの短編作品」について紹介・解説している作品です。(説明がややこしくてすみません)
まず何といっても読みやすいことにつきます。読み始めたらスイスイです。
また、作者の方(柊さん)がモーパッサンの作品を上手い具合に噛み砕いて説明しているので、「フランス文学なんて難しい!」敬遠している方でも、気楽に読むことができます。
肝心の中身ですが、どの作品の紹介も分かりやすく明快なので、モーパッサンの作品をよく理解できるだけでなく、しっかり楽しむことができます。
そのため、モーパッサンを読んだことがない人が読み始めたら、きっと次の作品を読みたく…続きを読む