短編の名手モーパッサン。あなたの好きな作品がきっと見つかる

モーパッサンはフランスの小説家。彼の書いた短編は約260篇。
その中でおすすめの短編を、柊さんが紹介してくれます。

モーパッサンの人を見る(特に男性を見る)目はシビア。愛などひとときのロマンスでしかなく、運命の相手だと惚れ込んでもただの勘違い。純愛は切ない片想いの中にしか存在せず、崇高な人物たちは状況次第で悪人に変わる。
モーパッサンは戦争のトラウマを抱え、精神錯乱も起こしている。
だからなのか読後感が良いとは言えず、背中にナイフを突きつけられたような鋭さと冷ややかさがあります。
しかし、なかには温かみのある作品もあり、モーパッサンの憧れを垣間見ることができます。
モーパッサンの人を見る目がいじわるなように感じて、この人は人間嫌いなのかと思ったりもします。けれど何篇も読んでいくうちに、人間愛があるからこそなのだと思えてくるからおもしろい。
真の人間嫌いなら、人間から目を背けるでしょう。モーパッサンの、人間の中にあるわずかな光と濃厚な闇をえぐり出す描写は、人間讃歌のようにも思えます。

そんな決して愉快な作品とはいえないモーパッサン短編を、柊さんがユーモアを交えて楽しく語ってくれます。
モーパッサンに興味がない、モーパッサンなんて読む気がしない。そんな人でも入りやすく、思わずクスクス笑ってしまう小ネタが散らばめられています。

最後に、題名の横にあるこれ→ᕦ⊙෴⊙ᕤ
ぜひモーパッサン先生のお顔をネットで調べてみてください。納得するはず。
モーパッサン先生は天国でこう言っているかも。
ᕦ⊙෴⊙ᕤ「みんな、ワシの作品読んでね。カクヨム活動で忙しいって言う人は、この柊さんの評論作品でワシの作品に触れるのがオススメじゃ。センスよくまとめられた文章は的確で、素晴らしいモーパッサン愛を感じるはずじゃぞ」


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