モーパッサン + α

"モーパッサン"なんて知らない。"フランス文学"なんて読んだ事も無い。
全く興味も無かったのに、ご縁があって読み始めたらハマってしまって、自分の幅を広げてもらってるな〜と思う作品です。
人間の持つ黒い部分は出来るだけ見ずに美しい部分だけを見ていたいと思ってしまうけれど、美しいだけじゃないあらゆる人間らしさがシビアにリアルに描かれている作品たち。
短編それぞれの結末は残酷でもあり、滑稽でもあり、美しくもある。
読者にメッセージを押しつけないからこそ、読者は考えさせられる。一つ一つは短編なのに、その一つ一つにとても深い物が込められている感じ。

筆者さんはフランス語で書かれた作品を読んで、それを日本語にして分かりやすく楽しく紹介して下さっているのだけれど、私は筆者さんの目を通したモーパッサンの話が好きです。後味の悪い暗い話も、後味悪く思わないのは、きっと筆者さんの優しい心がそこに入っているからじゃないのかな?(原本は読めないし、日本語に訳された物も読んだ事はないけれど、たぶん‥‥‥)

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