応援コメント

一夜の出会いは運命の恋に「難破船」②」への応援コメント

  • 新年のあいさつをするお父さんが好きです。
    どさくさに紛れてキスの雨を降らせる主人公は……うーん。うーん。その後も手紙のやり取りを続けているなら、彼女の方も嫌ではなかったのかな?
    それにしても、永遠のあの日を生きるって辛いですね……彼女の方は現実もロマンもいいとこどりしている気がしますが。
    モーパッサン先生ご自身が、この主人公を冷めた目で見ていたのか、共感を持って書いていたのか、ちょっと気になるところです。

    作者からの返信

    鐘古さん、コメントありがとうございます。
    この状況で明けましておめでとうが言える器がかっこいいですよね。
    キスの嵐は図々しいですけど、口じゃないし……許して差し上げて(そういう問題じゃない)
    彼女が何を思っていたのかが読者の想像に委ねられるのがもやもやしますけど、いいとこどりしてるというのは女性ならではの鋭いご感想ですね。男性の方が物事を美化しやすくて、ずっと同じところを回りやすいのかも。痛いですね。
    個人的にはモーパッサンはあまりこの男に肩入れしていない気がします。こういうタイプじゃなさそう。「アホやなこいつ」と思いながら彼の感情を苦しげに書くという離れ技も作家の力量なのでしょうね。


  • 編集済

    柊さん、こんにちは。
    先生はファンタジーはお書きにならないのかと思っていましたが、ありました。これ、極上の恋愛ファンタジー小説じゃないですか。

    海上保険会社の30歳のフランス男が、難波船で見かけた18歳の若くて美しいブロンドのイギリス娘に夢中になります。吊り橋効果だけの理由ではないでしょう。どんな恋愛小説にも、その種類、天気模様は違うけれど、吊り橋はありますよね。

    彼は本当に彼女に恋をします。彼女が人魚ではないのかと思うくらいの恋心。そばにいるだけで幸せ、海から救われて残念に思うくらい。
    こんな恋って、めったにないですよね。人生で一度か二度か、ゼロか。

    彼女は結婚して遠いアメリカ(イギリスでは近すぎ)に行き、ふたりは二度と会うことはありません。でも、新年に手紙がきます。それが20年間も続いているのです。
    彼女は夫のことは書きません。彼女は散歩をしたとか、年を取ったとか、そういうことを書いているのでしょう。彼はそれを読んで、あの輝いていた日の少女のことを思い出します。年を取ったことを悲しみ、愛を伝えなかったことを悔やみます。

    小説の世界では、恋愛は結婚がゴールではないし、世間からは気持ちが悪いと思われるような愛、たとえば20年間も会わずに相手を思い続ける愛が許されるだけではなく、トップにランクに座するのではないでしょうか。

    世間では毎日ハッピーと思って生きられるのが幸福な生き方で、今のラノベでもそういう結論が好まれます。でも、かつて小説は、悔やみながら生きる人間の姿を書くものでしたよね。このモーパッサンの小説のように。
    私はこの小説がとても好き。小説はこうあるべきではないかと思いました。

    作者からの返信

    九月さん、コメントありがとうございます。
    こういう極限状態での恋なんて日常にはまず転がっていませんね。まさに小説向きの題材だなと思います。
    その時の回想がほとんどを占めているし、そこも真に迫った読み応えはあるんですが、本当のポイントは最後の部分なんですよね。どこか悲しくて愚かな、悔やみながら誰かを思い続ける人の姿って、静かにドラマチックだと思います。あっけらかんと終わるのもいいですが、こういう苦みが残るのって、仰るとおり小説の醍醐味ですね。

  • 私の考察。女目線ですよ。

     これ、女の子の方は絶対「気持ち悪い」、って思ってたはず。一応厳格なお父さんがそばにいるし、失礼なことしちゃいけないな、とか、こんなところで怒らせて暴力振るわれても怖いし、って思って我慢してたけど。

     で、いざ別の男と結婚してみたら、ラブラブ期間なんか一瞬で、あとは毎日をこなしていくだけ。こんなはずじゃなかったのに、もっといい人生があったはずなのに。もっといい男がいたはずなのに。とそこで、そういえば、私にもロマンチックな時期があったじゃない。モテたじゃない。と思って手紙を出してみたら男はいまだに自分のことを思っている様子。そこで女は「私、まだ捨てたものじゃないわ。その気になればまだいけるのよ」と、自信を取り戻し、また毎日をこなしていける。で、一年たって手紙をやりとりしたら、男はまだ私を好きみたい。そこで自分の中の「女子」をチャージして生活を乗り切る。

     ごめんよ、男性諸君。

    作者からの返信

    月森さん、コメントありがとうございます!
    ひでえ🤣笑いすぎてお腹痛かったです🤣もうね、モーパッサンが泣いてますよ。俺様がせっかくロマンチックに極限状態の愛を語ったというのに、根元からひっくり返してくれちゃって。
    女目線だとここまで変わりますか。まあ確かに18歳ぐらいの女の子には30歳の男は怖いですよねえ。触るな!って感じですよねえ。お父様がいてよかったです。
    にもかかわらず、その記憶を掘り出して退屈な人生の「女子チャージ源」にしちゃうんですね。ああ、男は哀れなのか阿保なのか(笑)
    月森さんの解釈めちゃ面白かったです。またよろしくお願いします!

  • 今も、吊り橋は揺れていて。
    過去の一点が煌めき、現在を色褪せたものとする。しかし、その景色を評価するのは現在の自分で。過去の光を想い、セピア色の現在をやり過ごしていくのか。
    今の光を取り戻すために行動するのか。
    ・・それを簡単には選択できないのが、人間というものなんでしょうね。

    作者からの返信

    呪文堂さん、こちらもお読みくださってありがとうございます!m(__)m
    この主人公はずっとセピア色の人生をやり過ごしていくんでしょうね。年に一度届く手紙に苦しむことが、たったひとつ煌めき続けるものを味わえることなのかも知れません。不幸であり幸せであるような。これが正しかった、と一概に言えないところが人間の機微なんでしょうね。

  • 映画とかで、凄い危機に陥っている時に登場人物がユーモア満載の言葉を投げかけるシーンがよくありますよね。
    この父親の新年の挨拶みたいに。
    粋というか、"生き"というか。
    普通なら死んじゃうシーンでも生きられる秘訣かな? と思ったりして。

    ここで追い付きました!
    一話一話、本当に深くて考えさせられます。
    本文だけでは自分では気づけない事も、ここに書かれているみなさんのコメントを通して学ばせていただく事が多いです。
    同じ話を聞いても、様々な捉え方がありますよね。
    一人で読書するだけじゃ、そういう物は得られないから、カクヨムならではの楽しみ方が出来ています!
    暗い話や深い話も、一話一話をとっても楽しく読めるので、これからも楽しみにしています!

    作者からの返信

    最新話まで追いつかれてしまいました!たくさんお読みくださってありがとうございますm(_ _)m
    この新年の挨拶のシーンは粋ですね。こういう場面でのユーモアとかゆとりがあるってすごくかっこいいです。
    マニアックな連載ではありますが、ご感想を頂けるとモーパッサンの作品を共有しているようで僕としてもとても嬉しいです。人によって捉え方も違うし、色んな感想を聞かせてもらえるのは本当にこのサイトならではですね。
    一つ書くのに時間がかかってしまうのでゆっくりですが、また引き続きお付き合いくださいませ!m(_ _)m

  • 恐怖とその対比にあるものを愛しても、恐怖がなければ対比されていたものは輝きを失って見える。非日常下で結ばれた愛は日常に戻ると消えゆくといいますから、主人公は一緒になれなくて良かったのかも。
    一生手に入れられない大切なものを持てて実は幸せなのかも知れませんね。

    彼女が夫の事を書かないのは、主人公に気を遣ってとか、好意の表れではなく、ただ夫の愚痴塗れになるからかも知れないw モーパッサン先生だし笑 

    作者からの返信

    極限の恐怖にあるからその反対側にある恋も極限に美しくなってしまったんでしょうね。こういう状況下で結ばれても続かないというのは、どこかでこの心理状態を保っていたいと思ってしまうからですよね。それは日常の中では無理なことだし、その先へ進まないということでもありますよねきっと。

    ただ夫の愚痴塗れ(笑)リアルすぎて笑えますが。そこまで書けたら立派な信頼の証(?)

  • 皆さん助かったのがなにより・・・^^

    新年のあいさつをする英国紳士!もう魂を感じますね、かっこいい・・・✨

    というか男性、陶酔もいいとこですね。人魚姫!うん、至福の感じ伝わってきます・・・チューもしときましたね。死ぬかどうかの時ならわからないでもないですよ。

    手紙のやりとりで20年・・・成就しなかったのですね~ 手紙に夫のことを書かない彼女、思いやりですかね?

    ほんとにモーパッサン先生はキャラにとってざんね~ん!に感じさせるお話が巧みですね・・・^^

    作者からの返信

    神原さん、こちらにもご感想ありがとうございます。
    そうですね、まずはみんな助かってよかったです。
    父親の新年のあいさつは一番好きなシーンです。いかにも英国人っぽいイメージで。これがやりたいがためにこの設定なのかなあ、なんて思いました。
    死を覚悟したときの不思議な陶酔が伝わりますよね。現実味を失うような感じなのか、夢のような妙な幸福感……。
    神原さんも思いやりだと思われますか。この辺の人の心理も書かれていないから想像を掻き立てます。ほんとに、この作家の主人公にされるのはある意味つらい運命かも知れません……(笑)

  • 悲しいけど、美しい詩のような物語ですね。
    私のような女々しい読者は、結ばれなくてよかったと思ってしまいます。
    白髪の彼女と、喧嘩したり、憎みあったり、そんな現実が訪れていたかもしれないのですから。

    恋は、時に成就しないから美しい。
    夫のことを書かない彼女も意味深で面白いですね。

    作者からの返信

    「たられば」というやつですね。結ばれても一気に冷めてしまったかもしれないし、老いていく姿を見なければならないし。でも一方で都合よく幸せな結末を想像して、何もできなかったことを後悔したり。
    この話は最初から結ばれないようにできていたと思います。女性の心理が描かれてないだけに、読者に色々想像させますね。
    まとめるのが難しかったのですが、ご感想頂けてとても嬉しいです。ありがとうございます。m(__)m

  • せつないですね。仮に主人公がもし彼女と結ばれても、すぐ冷めてたかもしれない。成就しなかったからこそ憧れ続けられるのかなとも思います。
    それにしても「あけましておめでとうございます」に痺れました! 危機的状況でこんな心の余裕をもちたいものです。

    作者からの返信

    橋本さん、ご感想ありがとうございます。そうですね、吊り橋効果の二人は長続きしないという話もあるそうで。成就しなかったからきれいなまま残っているんでしょうが、手紙のやり取りがかえって生殺しみたいな残酷な気がします。
    「あけましておめでとうございます」のシーンは僕も一番好きな個所です! ほんとにかっこいい。このパパには勝てませんね。父親の存在もこの作品では重要だったと思います。

  • もし彼女が英国人でなくフランス人ならば違う結末だったのだろうか、というのがずっと疑問でしたが、柊様の文章からは何人であっても同じ結末だったのかと思わされました
    どうでしょうか?

    彼の心は「あの夜」の中にいる…なるほど、そこから出てがっかりするのが怖かったのかもしれませんね

    取り上げて下さりありがとうございます!感激です(*ノωノ)

    作者からの返信

    カナリヤさん、こんな感じでしたけど大丈夫だったでしょうか? この話まとめるの難しい…短いのに…全文がフラグ、みたいな。これでいいのかなあってかなり悩みました。煮詰まってないといいんですが。
    英国人の父親がくっついてくるところがミソだなと思いましたよ。このパパには勝てません。これは英国人だから効くような気もします。うまく言えないですけど…。
    いっそ文通などしない方がよかったんでしょうね。下手にリアルな彼女の近況を知らない方が、もっと幸せに記憶の中にいられたのに。
    リクエスト嬉しかったです。いい勉強になりました。もう一つも反芻中です。書いた時にはまた見ていただけると嬉しいですm(__)m

  • 手紙のやりとりはあるのに、ぐいぐいアタックできなかったのが悔やまれますね。本当に、心が難破船に置きっぱなしになってしまったんでしょうか。
    吊橋効果で結ばれたカップルはうまくいかないといいますが、始まってすらいなかったという💧
    あのキスが精一杯?その直後に父親の所へ戻るシーンが印象的です。まるで、その一瞬に人生が決まってしまったかのような。そんなことないんだけど^^;

    作者からの返信

    黒須さん、読んでくださってご感想もありがとうございます。
    すみません、書いてなかったんですけど、事件から2年後に手紙が来た頃にはもう結婚してアメリカにいたのです。ここら辺もほんとは突っ込みどころなんですけど、大事なところ省いちゃったかもで、すみません。
    そもそも女性の気持ちが主人公のそれとは違うんですよね。父親に呼ばれて返事をしてすり抜けるシーンが象徴しているように見えますね。
    最初から結ばれないようにできてたと思うと、ここまで主人公の気持ちを盛り上げる作家の筆が残酷だなあと思います(^^;)

  • 難波船という朽ち果てたものと、満潮の夜の海の恐ろしさ。新年を祝う明るさと、人魚姫のような淡い恋。暗さと明るさと恐ろしさと陽気さ。
    女性の本心は読者の想像に委ねられているのですね。私は、良い雰囲気になった過去の男性として、思い出のひとつになっているんじゃないかと。
    同じ時間を共有したはずなのに、気持ちも思い出の捉え方も違う。
    ひとつのキャンパスに、明るく淡い色と暗い色がのせられたような捉えどころのない物語に感じます。
    難波船という特殊な空間をもってきて、運命の恋のように盛り上げたけれど、単なる一夜の出会いでした。残念!
    みたいな、モーパッサン先生のお茶目な意地悪心を感じますけれど???


    あとですね、『死の先にあるハッピーエンド』下書きに戻しました。読んでくださっていたのにすみません。私も座礁しました^^;



    作者からの返信

    遊井さん、コメントと、それからたくさんの星を下さってありがとうございます。先生も喜んでくれてるでしょうか。
    夜の満潮の難破船というシチュエーションのなかで燃え上がる恋心、というイメージが鮮やかですね。個人的には父親の新年の言葉が一番好きなんですけど。
    女性の気持ちが一切書かれてないですね。わざとなのかも知れませんが、彼女の行動から想像するしかありません。吊り橋効果と書きましたが、片道だったのでは、というのが正直な感想です。ていうか片道ですよね。あと、父親の存在はとても大きいと思います。
    同じ出来事でも角度が違えば違う思い出になってしまう。思い続ける主人公は切ないですね。男目線だけど男に厳しい先生です(笑)

    御作品はどうか遊井さんの納得されるものを書いてください。座礁ではなく停泊中です。^^


  • 編集済

    モーパッサンの気持ちが投影されたような物語ですよね。
    男性作家が書く女性って、やはりとても興味ふかいと思います。ちょっと違うと感じつつ。

    吊り橋効果の恋。まさに。
    ただ、女性に全くその効果が現れてない。父親が呼ぶと、すぐにすり抜けていく。恥ずかしかったのか、それとも気持ち悪かったのか。判断がつきかねます。
    でも、手紙には夫のことを書かない。

    こうした心理や感情を描くこと、本当にうまいなって思います。

    作者からの返信

    雨さん、とっても同感です。特にこの年代の作家だと、どうしても女性を見る目が表面的というか……これを読むまではもう少し深いところで結ばれているものを期待したんですが、若さと美しさとか、理想像の方が勝っているなあと思って。
    しかも女性の側の気持ちが雨さんの仰る通りですしね。夫のことを書かないという微妙な優しさ(?)もかえって主人公に妙な夢を見させてしまうし……。うーん、この言葉にならない部分が本当にうまいですね。
    ご感想いただきすごく嬉しいです。ありがとうございますm(__)m

  • 一瞬タイタニック号の映画を思い出してしまいました。

    主人公の想いとキスをしまくる行為がわかるような気がします。
    命の危機状況で主人公の男性としての本能が……恋に。

    夫の事を手紙に書かない彼女、主人公への気遣いかもしれませんね。

    作者からの返信

    タイタニックですか。恥ずかしながら実は観たことないんですよ……。
    もう死ぬと思った時の発作的な衝動は本能から来るものですね。本当は彼女とこのまま沈みたかった、というのはギリギリに追い詰められたところで恋を成就する唯一の方法だったような。

    僕も主人公への気遣いだと思っています。彼の方はそうは思ってないようですけど。こういうのって自分に都合よく解釈したくなるんでしょうね。
    ご感想頂き嬉しいです。ありがとうございますm(__)m


  • 編集済

    やり取りするようになった手紙で、どうして恋の告白とかプロポーズとかしなかったんでしょうか……。それとも彼女は帰ってからすぐに結婚してしまったか、元から許婚者がいたりしたんでしょうか。手紙には決して夫のことを書かないというのが、実は脈があったんじゃないかとしか思えず……ジレジレします(笑)
    でもその一方、もしもこの恋が成就していたら、吊橋の揺れが収まった途端という感じで長続きしなかったのかなあとも思いますねえ。「あのとき」のドキドキをずっと未練がましく想い出にしているほうが幸せなのかも? うーん、いずれにしても切ないですね。


    追記:そうだったんですね。わざわざ詳細をありがとうございます。ちょっとすっきりしましたw
    結婚の申込みはともかく、もう救かったときにちゅーした勢いでそのまま一緒にいればよかったのかもですね。父親が邪魔だったんだな……w

    作者からの返信

    烏丸さん、ご感想ありがとうございます ^^
    ごめんなさい、省略しちゃったんですけど、最初の2年は音沙汰がなくて、手紙が来た時にはもう結婚してアメリカにいたんですよ(そこを省くなって?w)本当は別れる寸前にもう少しで結婚を申し込みそうになった、という文もあるんですが、それは性急ですよね。あと一週間一緒にいられたら申し込んでいただろうに、人間は弱い、という文もあります(だからそこを省くなって?すみませ~ん!m(__)m)
    彼は彼女が夫のことを書かないのを自分に都合のいいように解釈してるかな、と思います。それに、仰るようにこういうきっかけで出会った二人が長続きするかは別の話ですよね。
    個人的には手紙のやり取りが続いてお互いが(特に彼女が)老いていくのを見なければいけないのがつらいんじゃないかなあと。あのままばったり連絡が途切れてしまった方がよかったのかも知れません。男の女性に対するエゴっぽい気持ちとロマンチストな弱さの両方を感じますね。