ミス・ハリエットにとって画家への想いはおそらく最高の恋だっただけに、画家が女中にキスしている場面を見てしまったことは大きなショックで深く傷ついたと思いますし、50代という肉体的な衰えが顕著になり生き辛さを抱えてしまう年代には耐えられないほどの嫉妬の苦しみと惨めな気持ちに襲われたと思いました。キスシーンを見なかったらこれほどショックは大きくなかったかもしれません…。そう思うと画家の行動は罪作りだなと率直なところ思わざる得ません。でも、ミス・ハリエットは死をもって純愛を貫き苦しみから解放されたのかもしれませんね……。
作者からの返信
中澤さん、コメントありがとうございます!
このシーン、ああ、若気の至りってこういうことかなと思いますね。画家にとってはただふざけていただけだとしても、ハリエットさんのような純真な女性には生々しく、汚らわしく見えたのでしょう。それも若い女中が相手となると、嫉妬と惨めさを味わうし、画家との隔たりを感じますよね。失望したまま勢いで自殺してしまうのも、どこか少女のような潔癖さがあるというか。叶わない恋に決着をつけるには残酷すぎますが、苦しみから解放されたとも言えますね。そうお考えになるところに中澤さんの優しさを感じました。
忘れられない人として画家の心に棲んでいることが、ある意味で恋の成就になったのかも知れません。
編集済
柊さん、こんにちは。
これまで私は小先生の説明付きで、大先生の短編をいくつか読ませていただきました。そのジャンルはホラー、謎解き、役人、庶民、などと幅広く、私がモーパッサンと同じ国、同じ時代に生きていたら、彼が連載していたという雑誌を定期購入し、今週は何かしらと、とても楽しみにしたと思います。
私はまだそれほど読んでいるわけではないのですが、まだ大先生が「純愛」を書いたのを読んだことがなかったので、先生はそういうものは書かれないのかと思っていました。そしたら、この「ミス・ハリエット」がありました。この小説は、ある意味、純愛ですよね。
大先生を前に自分のことを書くのはなんですが、私は今恋愛小説を書いていて、主人公の女子はそれまではその男子に何でも言えたのに、恋を意識しはじめたら口がきけなくなり、あることで混乱して、過激な行動をとってしまいます。でも、その子は14歳の少女ですが、ミセス・ハリエットは50歳代(恋愛に関しては未経験で、15歳くらい)。
でも、もちろん自然や人生、孤独や人生を感じるその深さは、10代ではとうてい及ばないものがあります。
大先生は主人公を25歳の画家、相手の女性を50代の、キスもしたことがないお堅いイギリス人に設定し、ハードルを高く上げています。
ある5月、ふたりは美しいノルマンディーの田舎の宿で出会います。この画家は自然が好きで、人が好きで、とてもlikable.お姉ちゃんも好きですしね。
彼は性格がよく、みんなから白い目で見られているミス・ハリエットにもやさしい。ある時、ミスが彼の絵を見て、自然の理解の仕方が自分と同じだと気づき、少し心をひらきます。また画家が彼女の絵を描いてくれたりするから、今までこんなに思ってくれた人はいないので、感動します。でも、だんだんと好きを意識してしまうと、口がきけなくなり、態度が変わってしまいます。
画家のほうは彼女に会ってから、孤独の魂というものを知ります。彼はそれまでモテてきた人ですから、彼女の態度がなぜ変わったのか理由はわからないのですが、そろそろ宿を引き揚げようと思います。そして、若いお姉ちゃんといちゃついているのをミス・ハリエットは目撃し、井戸に飛び込んでしまうのですよね。
彼は一晩中、彼女の部屋にひとりでいて、彼女の孤独の魂に、寄り添い、化粧をしてあげ、キスをします。
これって、短編ですかね。雑誌ではなく、単行本にあう感じがしますが。
youtubeも見つかりました。https://www.youtube.com/watch?v=s3MSZPhuI-g
私は大小先生の描写と解説でもう映画は見なくてもよいと思ったのですが、どんな役者を選んだのか気になって覗いてみました。若い頃のやんちゃっぽいところのある画家役には好感がもてますし、ミス・ハリエットはまさに予想そのものでした。
映画の最初の場面は画家として成功したレオンさんが、自宅のダイニングで、お客に恋の話をしてくださいと頼まれるところから始まります。彼は相当遊んだ人なのですが、今は落ち着いた雰囲気で、若い頃のようなlikableな笑顔はありません。そして、ミス・ハリエットの話が終わると、妻が寄ってきて、キスをします。これ、嫉妬とかではないですよね。
彼の孤独な魂に気づいて、今度は妻がキスをしてくれたのでしょうか。
あまりうまく書けなかったので、載せるのをためらっていますが、この小説の解説が秀逸だったということを伝えたいので、このままにします。
どうもありがとうございました。
作者からの返信
九月さん、いつも丁寧なコメントをくださりありがとうございます。
言われてみれば、風刺が効いた小役人コメディとか、心理系ホラーとか、厳しい庶民の現実とかが多くて、純愛のイメージはないですね。でもこの作品ははっきりと純愛だと思います。数年前に飛行機の中で読んでいて、最後は泣けて泣けて困りました(笑)
ちょっと調べたら最初は「ル・ゴロワ」という新聞に掲載したものらしいですね。あと「ジル・ブラース」という新聞にもよく書いていたみたいです。自分もこの時代にいたら短編目当てに毎日買いそうです。。
ミス・ハリエットの恋をした時の行動がいかにも15歳の娘ですよね。50年生きてきて色んな経験をしただろうけど、こと恋愛にかんしては少女のまま、というのは、なんか切ないというか、これまでの人生も一緒に読者に推測させますよね。
YouTubeのドラマはまだ見ていませんでした。まさにキャストがイメージのままで嬉しいですね。あとノルマンディーのロケも最高です……!
短編としては長めなので4回に分けましたが、このエトルタの景色を文章にしてあるのが素晴らしかったので、沢山引用しました。長くなりましたが全部おつきあいくださって感謝です。とても励みになるお言葉をありがとうございます!
美しい自然の中で、静かに育まれた二人の関係性のほんの僅かなすれ違いから、ハリエットは自ら死を選んでしまった。
美しくも切ない物語ですね。
最後の画家の行動にも感動しました。
他の方のコメントの中で分かったことですが、柊さんはフランス語で書かれた本作を和訳されているのですね。
その翻訳がとても美しくて分かりやすくて、感動すらしています。
言葉の選び方で感じ方が違ってくると思うんです。
自然の描写は、もちろんモーパッサンの描写の上手さなのでしょうが、とても鮮やかに日本語で表現されてると唸ってしまうほどです。
物語の素晴らしさはもちろんの事ですが、この解説の素晴らしさがまた、心に響きます。
作者からの返信
この作品はたくさん引用したので4回に分けて長くなりましたが、お付き合いくださりありがとうございます。
美しくて雄大な自然と、そこで繰り広げられる切なく繊細な物語がぐっときますね。ハリエットさんの少女のような人物像が好きです。画家の心の動きも最後の行動も泣けてきますね。飛行機で読んでて泣きました笑
翻訳本を持っていないので自分で訳しています。これも端折りながらですので、日本語版のちゃんとした訳には程遠いかと思いますが、このように褒めていただけて本当に嬉しいです!
なるべく忠実に、かつ文章から感じるニュアンスも込めて書いていけたらと思います。
励みになるお言葉にいつも感謝しています。ありがとうございますm(__)m
とっても美しい物語をありがとうございます!
「モーパッサンはお好き」を拝読してきた中で、一番「柊さん」を感じた作品でした。
この章で改めて、柊さんはフランス語の本を日本語で表されているんだよな、と思いながら皆さんのコメントにも目を通しました。
フランス語の原作は読めないし、日本語訳も読んだ事ないですが、おそらく柊さんの訳だから、これ程美しく感じるのだと思います。
訳し方次第で味気ない作品になりそうですが、本当に美しく感じる自然と心情の描写でした。
悲しい結末でさえも素敵でした!
作者からの返信
ふうこさん、こちらこそご感想下さりとても嬉しいです。ありがとうございます!
「柊さんを感じる」とは思いがけないお言葉でした。どんな感じなんだろう。先生の作品に自分の気配を感じて頂けるとは畏れ多いです(笑)
この作品は描写を削っては良さが半減してしまうので、たくさん引用しました。これでも端折っているんですが、美しいと思ってもらえて嬉しいです! 原文に忠実になるようには心がけていますが、自分が読んで受けた印象をそのまま日本語にできたらと思っています。
ラストは悲しいけれど、それさえも自然の中に溶け込みそうな切なくてきれいな作品ですよね。
すごく励みになるコメント、本当にありがとうございます!m(__)m
編集済
作中に登場する場面が的確な言葉で表現されていたため、フランスの美しい風景が目に浮かびました。
フランス語の作品を日本語に訳すのはきっと難しいと思いますが、柊さんの日本語の表現が分かり易くてきれいだったため「日本語って美しいな、素敵だな」としみじみ思っていました(フランス文学なのに……すみません<笑>)。
ミス・ハリエットは乙女だったんですね。はぁ、画家が彼女の気持ちに寄り添ってあげていたら……なんて思ってしまいます。
ここまで読んできて、何となくモーパッサンが書きそうな結末が想像できるようになってきました。そのためこの作品も、きっと悲しい結末になるのだろうなと思って、途中で踵を返したくなったのですが、ついつい読んでしまいますね……。
作者からの返信
悠栞さん、コメントありがとうございます。
いつもはけっこう端折ってしまっているのですが、この話は風景と心象の描写がきれいなのでたくさん引用してしまいました。好きな作品を訳すのは楽しいですね。日本語でも原作で感じた雰囲気が出せるかが一番悩みどころですが、そこも含めて楽しいです。
肉体の年齢と心とのちぐはぐな感じがハリエットさんの魅力ですが、こういう人がひとりで生きていくのは難しいだろうと思います。唯一の理解者である画家も若い男の域を出ず、何より芸術家の感性でしか彼女を見ていなかったということでしょう。ずっと友達のままいられればよかったのに、と思ってしまいます。
モーパッサンの結末は悲劇や不幸なオチが多いですよね。愉快ではないですが、その中にも優しさや愛情が感じられるところが好きです。特に弱者やはみ出た者に対する温かい目が(たとえハッピーエンドにならなくても)優しさを感じるんですよね。
信仰という、美しくも虚構の世界で生きてきた彼女。そこに画家が描かれた。それをそのまま風景のように眺めていたら、彼女の世界はそのままにあったでしょう。しかし、彼女は画家を欲してしまった。
考えさせられます。心身ともに美しい十五の少女なら、たとえ破れたとしてもしなやかな未来が彼女を支えるでしょう。しかし。
永遠に片道の信仰だけが、彼女を救えたのだろうか。愛とはなんなのか。持たざるということを真に理解していない自分には愛など語り得ぬのか。考え込んでしまいました。
知れば知るほど自らの未熟を突きつけられます。悩むしかないようです。
ありがとうございました。
作者からの返信
ハリエットさん自身が語るわけでもないのに、画家の目を通しただけでその人生が浮き彫りになるような感じがします。彼女が持っていたものは信仰だけだったんでしょうね。あるいはそれしか残されていなかったとでもいいますか。彼女はそれ以上を求めてはいけないと分かっていて、恋慕に苦しんだのでしょう。そこはやはり50歳の女性の思考であり、孤独に慣れた女の思考なのだと思います。これが本当に15歳の肉体であれば仰る通りこんな結末にはならなかったでしょう。
でも僕は彼女の人生が信仰だけで終わらなかったのはよかったと思います。たとえ一瞬でも画家との時間は彼女の暗い人生の唯一のきらめきだったのでは。亡くなってからはもう遅いですが、愛する人に死化粧をされて見守られ、口づけしてもらえるなんて、こんな幸せなことはないですよね。
……なんて、おセンチなことを申しました。ラストシーンがあまりにも好きなもので、失礼しました。
コメントにいつも感謝です。ありがとうございます!
ハリエットに感情移入して読んでいました。画家は女中とキスしちゃったり、女性目線だと浮ついた男に見えますが、想いに応えられないから宿を去るという選択は彼なりの誠実な対応だったんでしょうね。自然の描写が美しく、柊さん訳で全編読みたくなる短編でした♫
作者からの返信
画家の独白なのでつい彼の視点で読んでしまいますが、ハリエットさんの気持ちで読むと…余計つらそうですね。彼女が亡くなってから初めて気持ちが通じるような気がしてラストシーンが本当に切ないです。友情のままで繋がっていられたら男女や年齢を超えて一生の友達になれたかもしれないのに、なんて思ってしまいます。
この話の舞台のエトルタあたりは自然が本当に素晴らしくて、モーパッサンの描写にも気合いが入っているように思えます。端折りながら訳すのはちょっと乱暴な気もしましたが、少しでも載せたくて。やはりこの自然あっての物語だなと思います。
いやあ、素晴らしい小説ですね。
柊さんの道先案内で風景が鮮明に想像され、優しい画家と、ハリエットさんの交流がとても美しいですね。
ハリエットさんはとても繊細だったのでしょう。美しい物を理解する感受性にも富み、こんな最後になってしまったのはなんともかわいそうでしたね。
前回の、存在する価値のある人間、というような言い方をすれば、たとえ人々に愛されなくても、充分その価値があった方だと思います。
いい話をありがとうございました。
作者からの返信
4回に分けて長くなってしまいましたが、お付き合いくださりありがとうございます。どうしてもここは作家の描写を再現したかったです。
その人の価値というか、生きる意味みたいなものは、沢山の人に愛されることとは限らないんですね。この画家のような人と一人でも知り合えたら人生にも価値があったと思えるのでしょう。
優しいご感想になんだか癒されました。ありがとうございます。
追記
映画の話ですが、いっとき映画館に通い詰めていたのであの年代の作品は劇場で見ているものも多いです。懐かしいです。
こちらの物語もよく憶えています。
久しぶりに拝読させて頂きましたが、年齢と、身体と、心と、すべてちぐはぐなふたりの交流がせつなくも良いですよね。悲しい結末ですけれど。
私の感想は、どうやらいぜん書いたものと同じようです♡(*´ω`*)
作者からの返信
わー、ポッケさんコメントありがとうございます! 深夜に灯るハートマークを嬉しく思っておりました。
もうこんなに読んで下さって…作品を憶えていて頂けるのもすごく嬉しいです。
ちぐはぐな、本当にそんな言葉があてはまりますね。ハリエットさんだけでなく画家の方も。ラストシーンを飛行機の中で読んでしまい、顔を隠して号泣したのが随分昔のようです(遠い目)笑
画家は恋人てして愛してあげることはできなかったけど、亡骸を慈しむ様子から、崇高な魂を愛してあげることはできたのだと感じました。
自然に還った彼女に、その想いが何かの形で少しでも届くといいな、と思います。
人の心と美しい自然が溶け合った名作ですね✨
作者からの返信
二人の間には確かに魂が通い合っていたと思わせてくれるラスト、泣けます。
回想という手段で語られるのもいいですね。ミス・ハリエットがずっと画家の中に棲み続けているのだなと感じます。舞台も心象描写も本当に素晴らしい作品ですね。
今回長くなりましたが、お付き合いくださってあたたかいコメント頂けること、本当に感謝です。ありがとうございます。💛
悲しい最後ですが、「僕」の口付けに救われました。
ハリエットは、神だけを理解者として自然の中で生きてきました。
恋心を抱き、男を愛してしまった自分の欲望は、神を裏切ったという
気持ちもあったと思います。戸惑い、報われない事に絶望して……死を。
それともこの作品はもっと深い人間の本質を語っているのかしら。
モーパッサンは偉大ですね。
作者からの返信
初めて読んだ時、遺体を見守る独白から最後のキスシーンで思い切り泣かされました。悲しい展開の中になんとも言えない優しいラストで…。
恋心を抱くことで神を裏切ったという葛藤が起こる、とは考えたことがありませんでした。自分の中に矛盾を感じたのでしょうか。詳しい方ならではの視点ですね。
この作品は舞台やキャラクター設定が完璧だと思います。人物を掘り下げれば自ずと話が動くお手本のような作品ですね。
ご感想いただけてこちらも発見があります。お付き合い下さり本当にありがとうございます。
ミス・ハリエットの恋心に気付いた画家の僕の心……「自分が大きな罪を犯してしまったような悲しい気持ち」というものがリアルに伝わります。
想いに応えられないから立ち去る。この選択もリアルですね。純粋な魂を持ち続ける人生は、苦しみと紙一重にしか存在できないのでしょうか。そんな思索のもと、希生概念の薔薇の物語を仕上げたころを懐かしく思います。
「これから彼女は自分の愛していた自然とひとつになる」以降のくだり、純粋な生命の輪廻転生のように受け取りました。
画家の回想が終わるところでこの物語も終わるところに、ひとりのマドモアゼルの一生を見て、このコメントは前回と同じでしょうが、ミス・ハリエットに「永遠のマドモアゼル」を想いました。
彼女は「純粋」を隠そうとしたけれど隠しきれず、「現実」から逃げたでしょうか。
「希望」を隠して「現実」の舞台を追われた気もします。
その亡骸に「魂」が残っていたならば、長い口づけを受けて幸福であったことでしょう。恋心を裏切られ、井戸と言う「水」に関わる場所で死して、まるで弔いのように鳥が囀る。これらの要素に、今となってはオフィーリアを想起します。
「性質の全く異なる二人が、通じ合うひとつの感性だけで繋がり、次第にバランスが崩れ、壊れてしまう」危うさ。
その繊細さが、自然描写と相俟って描き出される一篇、たいへん印象深いです。
もう一度、出逢えて泪してしまう一篇でした。ありがとうございましたm(__)m
作者からの返信
「永遠のマドモアゼル」再度この言葉を目にして嬉しいです。彼女にぴったりの形容ですね。そして「純粋な魂を持ち続ける人生は、苦しみと紙一重にしか存在できないのでしょうか」というフレーズも印象深く記憶に残っていました。そのあとひいなさんが発表された薔薇の小説で「なるほどそういうことなのか」と納得したのです。追及しておられたこととこの作品がタイミングよくリンクしたように感じました。
井戸は水、弔いの鳥の声。今取り組んでおられる作品とも不思議に通じますね。この作品で何度も繰り返される「十五歳の心」はそのままミス・ハリエットの少女性を表していたと思います。独白からのラストは、前も言いましたが飛行機の中で号泣しながら読みました(笑)
人の心の繊細さと自然の雄大さのコントラストが非常に活きている作品だと思います。この舞台でなければいけないというか。
再度丁寧なご感想を頂き、再掲載の不安が拭われる思いです。本当にありがとうございます。
昔も今も、人間は変わらず、同じようなことで悩んで苦しみますね。
作者からの返信
生きづらさとか、苦しい恋心とか、すれ違いとか、この話には色んなものが詰まっていますね。
現代人でも共感できるところは沢山あると思います。
いつもお付き合いくださり嬉しいです。ありがとうございます。
こんばんは
すごく悲しい結末ですね。画家は愛することができなかったんだろうか。考えてしまいます。
作者からの返信
残酷な中にも美しいエンディングだと思います。
人は必ずしも思いが重なりあうわけではないですね。こういうところも合わせて自然主義なんでしょうか。
お付き合い下さり感謝です。ありがとうございます。
忘れられないけれど想いには応えられなかった女性。そんな思い出がモーパッサン先生自身にあったのではないかと思うほど、このお話はすごく個人的で内省的な感じがします。
画家は美しいノルマンディーの風景を生き生きと描写しながら、日の当たらない場所で生きてきた女性の内面の純真さにも気付いて、魂の交感をしつつも、女中とくだらない悪ふざけをしてしまう……。
人間の心の隅々まで丁寧に描き出されているぶん、自分の中にも登場人物の誰かがいる気がして、ハッとさせられます。
原文で読める柊さんが羨ましいです! それを柊さんの名訳で読めることもまた、幸せだなあ~と思いました(*´ω`*)
作者からの返信
鐘古さん、コメントありがとうございます。
モーパッサンは色気むんむんの女が好きな助平かと思いきや、ハリエットさんのような女性をとても瑞々しく優しい視線で描くんですよね。あなどれません。年老いてから振り返って語る画家の視点も内省的で、若さの愚かさとか、芸術家のエゴイズムなんかも一緒に感じます。
ハリエットさん自身の過去なんかが多く語られないのが個人的に好きです。それとこのエトルタの風景ですね。雄大さの中に孤独が余計際立つような。
原文で読めることはありがたいです。うちには夏目漱石のフランス語訳が何冊かあるんですが、どんなに上手く訳しても「吾輩」のニュアンスは出ませんよね。
たくさん読み進めてくださり感謝です。ありがとうございます。m(__)m