応援コメント

狂気が導いた結末「オルラ」③」への応援コメント

  • 柊さん、こんにちは。
    いつものように動画を探してみたところ、「オルラ」は4つもありました。最多記録。でも私はこわい話が苦手で、動画を見ると自分のところに「オルラ」がやってくるのではとおそろしくて、あまりよくは見ませんでした(笑)
    「オルラ」の朗読も多く、この短編は、とても好まれているのだと感心しました。

    この作品の中のこわさは、理解できないものに対する怖さですよね。
    主人公の男は「オルラ」が何なのか、科学実験をします。頭のよい人です。ある時は顔や手に黒い墨をつけておきます。でも、目覚めると、瓶に手が触れた跡がないのに、中身が無くなっています。
    部屋には鍵がかかっているわけですし、こういう説明のできないこわさが、一番こわいです。

    他の作家の書いた怖い話がありますが、先生の作品はその「理解を超えたこわさ」で、それは際立っていますよね。

    私自身は先日、ちょっと「こわい話」を書いてはみたのですが、全然こわくなかったようです(泣)

    柊さんの新作の進み具合はいかがですか。
    また催促しちゃいました。
    ずうずうしいことを書いたついでに、もうひとつ。
    柊さんはポニーテールですか。
    特に理由はないのですが、私のイメージではそうなので。

    作者からの返信

    九月さん、コメントありがとうございます。
    「オルラ」はモーパッサンの怪奇譚では代表作ですので、実はここで紹介するのも遅いぐらいでした。映像化もきっと多いだろうなと思います。ただ、なかなかこの世界を表現するのは、視覚的にするだけじゃチープになりそうで難しいですよね。どこまで主人公の恐怖心や強迫観念を見せるかが課題になりそうです。
    理屈で説明できる怪奇現象(というのもおかしいですが)除霊したら解決するとかならすっきりするんですけどね。モーパッサンの書くものはその部分がまったく見えないので。
    この話のように、追い詰められた主人公が取る行動を読んでいる方がよほど怖いです。

    書くのが遅くて(コメントやその返信なども)時間がかかるのが我ながらどんくさいというか。いくつも色んな話を書ける人は羨ましいです。。
    ポニーテールじゃないです(笑)でも面白いのでそのままでどうぞ(笑)九月さんはロングドレスっぽいです。

  • おっしゃる通り、現象そのものはあまり怖くなく、精神が崩壊していく怖さにゾクゾクしますね。

    モーパッサン先生の作品で、ばあちゃんが兵士たちを焼き殺すという強烈なのがありましたが、あれもすっごく後味悪かったです!
    (後で掲載してたらすみません)

    もやもやしながらも、よくこんなの書けるなあと感心しちゃいますね。
    (;^ω^)

    作者からの返信

    陽咲乃さん、コメントありがとうございます!
    自分が体験している(と思い込んでいる?)ことへの恐怖心が膨らんで心が壊れていく過程が怖いんですよね。最後はここまでいくのかと戦慄しますが。。

    仰っている作品は「ソヴァージュばあさん」ですね。ここに掲載している「ミロンじいさん」と同系の作品なので取り上げていませんが、まあ後味悪いですよね。

    もやもやしながらもモーパッサンに挑戦されるの、好奇心と研究心が強い方なんだなと思っています^^

  • これ、絶対裏に何かの意味がある、と思って考えすぎて眠れなくなるやつですね。

    作者からの返信

    やっぱり自分の中で育つものが一番厄介だと思います。猜疑心とか恐怖心とか色々。
    この話は日記になっていて客観的なことが一切書かれてないので読者は男に引っ張り込まれるかドン引きするかのどっちかのような気もします。僕はホラーはあまり読まないので読み解くのが苦手かも。月森さんよかったら教えてください。


  • 編集済

    怖いお話大好きですっ!
    日記。これが重要アイテムですね!
    何が怖いって、自分がだんだんと壊れていく様を追っていくのが、やっぱり何より怖いものです。耐えきれずに、『外』に原因を求めたくなる・・
    ただ。この作品で面白いなあと思ったのは、壊れ始める『きっかけ』が分からないこと。見知らぬ土地を訪れたとか、奇妙なオブジェを倒してしまったとか、薄気味悪い老婆にじいっと見詰められたとか。そんなことはまるでなく、のんびりした気持ちの良い春の景色から始まる。そして、突然それは訪れる。ここが秀逸ですよね!必死に『原因』を探し、なんとか『ブラジル船』に漕ぎ着きますが。もちろん、対処法など分からない・・
    因果などという不透明なものにすがろうとして、やがては自らを滅ぼしてしまう不条理。さすがモーパッサン先生です!
    因果を示してくれる怪談は祓えるので気楽ですが、因なし話は祓えず途切れず続くもので。心が病んでいると憑かれてしまう。


    ・・あれ?耳鳴り?

    作者からの返信

    呪文堂さん、コメントありがとうございます!
    ホラーお好きですか!モーパッサンのは現象そのものより心理的な怖さの色が強いですね。物事に理由を探してしまう人間の性格を上手く利用してあると思います。因果を求めるのに逆方向ばかりのことが起こって、ブラジル船への結論もこじつけみたいに思えますが、本人としてはここでぜひとも結論づけなければ気が済まなかったんでしょうね。
    日記という手法は効果的ですね。ガンガンに煮詰まっていくのがダイレクトに分かるので、「これはヤバいな」と読者にも伝わりやすいと思います。
    頭痛、耳鳴り……ちょっとした体調不良からここまでとは……精神管理には充分気をつけたいものです!

  • モーパッサンの引き出しの多さに驚かされます。怪異の正体が最後まで分からないのが不気味さに拍車をかけていますね。鏡に映らないことで存在を認識するシーンに妙なリアルさがありました。
    日本以外の怪奇現象ってオルラのように自己主張が激しいイメージがあります。私は霊現象はホンモノで、男がそれに耐えられず自滅したのかな……と感じました。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。「手」もそうですけど、登場人物を精神的に追い詰めるのが上手いですね。怪奇現象もいいタイミングでエスカレートしていきますし。鏡のシーンはとどめって感じですね。
    自己主張が激しい怪奇現象(笑)たしかにそれでは否応なく翻弄されますよね。この男のような精神状態になるのは簡単なのかも…。まさかのこのラスト、怖すぎます。


  • 編集済

    ホラーって、途中がどんなに恐ろしい描写であっても、最後、謎が解けて正体がわかるとなんとなくほっとできるじゃないですか。だから、『手 La Main』もそうでしたけど、物語が終わっても正体はわからないまま、なんとなく後味の悪い終わり方っていうのは最強ですね。
    そのあたり、ちょっとスティーヴン・キングと共通するものがある気がしました……というか、ひょっとするとスティーヴン・キングはモーパッサンに影響を受けているのかもしれませんね。

    っていうか、おもしろすぎてめっちゃ早く追いついちゃいましたね(笑) また続きを楽しみに待ってます♪

    作者からの返信

    烏丸さん、コメントありがとうございます。なんともう追い付かれてしまいました! 感激です~!
    オルラは怪奇譚の筆頭代表作なのですが、後味の悪さも筆頭ですね(笑)人間ドラマが多いですが、たまにホラー系を取り上げてみるのもバリエーションが広がるかなと思って。

    おもしろすぎるのは多分に先生のおかげなのですが、沢山読んで下さってほんと嬉しいです。モチベーション上がりました! ちょっとずつですが、また楽しんで頂けるものを書きたいと思います♬

  • モーパッサン先生、ホラーでもやり手なのですね・・・とてもブラックでした。

    作者からの返信

    ホラーやり手ですよ。僕があまり興味がないので取り上げてないだけで(好みに走るので)。いずれにせよブラックですね。
    読んで下さってありがとうございます ^^

  • ホラーの深さ真髄を学ばせて頂きました。
    モーパッサン、やはりすごいですね。
    柊さんが、怖い緊張する話を語り口で和らげてくれるので楽しめました。

    本当の霊現象ととるか、追い詰められていく人間の狂気ととるかは、読者のその時の状況、精神状態も影響するのかなと思いました。

    見えないものに唆されて、殺人や自殺……現代でもありますが、被害者側はたまったものではありません。心神喪失で罪に問われない……( ; ; )

    とても興味深い話の解説、ありがとうございました。ペコリ

    作者からの返信

    ハナスさん、お付き合い下さりコメントもありがとうございます。
    怖い話を説明するのはなかなか難しいですね。原作の緊迫感も出したいのですが、ついふざけたくなります。和らいでよかったです。
    読んでいる時の精神状態で作品の印象が変わることありますね。納得です。

    現実的にとらえるとかなりキツい話ですよね。殺人とか人を傷つけるようなことは特に。心神喪失は言い訳にならない。でも病気と判断されたら罪に問われない。仰る通り被害に遭った側はたまったもんじゃないですね。

    色々汲み取ってくださり書いた甲斐があります。
    ありがとうございます。ペコリ

  • 柊さん、更新ありがとうございます。
    一人称スタイルで綴られた名も無き男の日記。怯えながら真夜中に読んでしまいました。キャーッ! 鏡の中に自分が居ない!? 怖い、怖すぎます!! 放火殺人の末に自殺へ追い込もうとする謎の「オルラ」、その正体は自分の中の狂気であったでしょうか。
    読み方次第で「お化けに呪われた男の話」にも思えますし、「妄想に憑りつかれ自滅した男の話」にも思えて、目に見えないものの怖さが、ひしひしと伝わってまいりました。超常現象という形で外界から齎されるものも怖いですが、内面が齎すもののほうが怖いかもしれません。体調不良。医師の催眠術。集団的精神錯乱。それらが男の中に「オルラ」という狂気的妄想を生み出したみたいに思えて、たいへん奥深い恐怖を感じました。

    作者からの返信

    ひいなさん、ご感想ありがとうございます。
    鏡の中に自分がいないって想像したらかなり怖いですよね。夜中に読まれるとは勇敢です!
    自殺願望ではなくオルラを殺すために自分が死ななきゃいけないと思うところが主人公の陥った狂気を見せていますよね。
    大人が読むとホラーよりはサイコものの色合いが強くなるかなと思います。長くなるので詳細をカットしていますが、挙げられたキーワードが男の中の妄想を助長させたと考えられますね。説明できないものの不可解さ…奥深い恐怖を感じていただけてよかったです(よかったのか?)
    次はまた人間ドラマに戻そうと思っています。

  • もう「オルラ」という題名さえもがあやふやのもやもや、何がなんだかわからない恐怖があります

    ふと思ったのですが、もしや柊様の解説が上手すぎて本物を読むより面白いんじゃ…(^o^;)

    作者からの返信

    カナリヤさん、コメントをありがとうございます。
    モヤモヤでしょう。今回もかなり端折っているので、内容とか意図がどこまで伝わるかと胃に穴が空きそうなんですよ(嘘です)。だからご感想頂けると嬉しくて…お褒めにあずかり非常に光栄です。
    光栄と言えば先日はこちらに沢山の星を頂き、ありがとうございました。重ねて今日は掌編の方にも。一番読まれないやつなのでとても嬉しかったです。ありがとうございますm(__)m

    編集済
  • 使用人殺しちゃいましたかΣ(゚д゚lll)
    そこに考えが至らなかったという点は、確かに彼自身の狂気を感じます。

    子供の頃はわかりやすいホラー現象を怖く感じますが、大人になると、有り得なさそうなホラーより、人間の精神の方が怖いものだと思うようになりますね。

    正体不明のモヤモヤエンドも、いかようにも解釈できて余韻を楽しめますね^^

    作者からの返信

    黒須さん、コメントありがとうございます。
    自分の家に火をつけるっていう結末は面白いと思うんですが、放火だけならまだしも使用人が…ここちょっとエグイですよね。追い詰められた人が取る行動の狂気を感じます。
    もし子供の時に読んでいたら純粋なホラーとして読んだかもしれません。大人だから色々解釈してしまうのかも。
    かなりの熱量がある代表作なので、やっと取り上げることができてよかったです(自己満足ww)お付き合いくださりありがとうございました ^^

  • オルラ、結局、超常現象の一つのなのか。主人公の病んだ精神がみせた幻覚なのか。非常に難しいですよね。
    実際に現代でも、この主人公の狂気と同等に、神経を病み、妄想のなかで、人を殺したり、自殺したりする人とも似ています。

    モーパッサンは、やはりその時代の作家でもあったのかとも思いが至りました。作品自体は、さすがでもあります。「オルラが。鏡と自分の間に。」こういう描写、もう舌をまくしかないですね。

    この手の小説を書きたいとも、(どちらかといえば、彼のシニカルな作品がすきなので) そして、また、書けるとも思わないですが。
    深い作品ですね。

    作者からの返信

    アメリッシュさん、コメントをありがとうございます。
    ジャンルとしてはホラーに入るものの、心理劇の要素が強いですよね。現実の世界でも仰るようなことが起こるわけですし。
    モーパッサンのホラーは、呪いとか霊とかを匂わせながらも「一番怖いものは正体の分からないもの(人の心含む)」という結論に至るものが多いと思います。
    牛乳や水がなくなる場面や自分の姿が鏡に映らない場面など、映像的なシーンが多いのも巧いですね。
    自分も個人的にはシニカルな人間劇の方が好みなのですが、この作品はちょっと避けて通れないので取り上げてみました。苦手なホラーにお付き合い下さりご感想まで頂いて、本当にありがとうございます!