第二十五話 幼馴染とゴールデンウィーク①
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お知らせ
話として、不都合が起きると思われる箇所を発見しました。修正話は、
「第二十一話 生徒会と転校生」
「幕間 サイドA 勧誘と拒否」
です。よろしくお願いします。
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もう少しでゴールデンウィークだ。去年までは、赤崎と過ごしていたが、今年は華奈と過ごすことになりそうだ。……いや、去年はバスケ部関係で、あまり一緒にいなかったか。壊与もバスケ部だし、そのときからなのかな。あの二人の関係は。
今は、ゴールデンウィークの丁度前日のホームルームの時間。クラスのみんなは、浮き足立っている。来年は受験だから、二年生のうちにたくさん遊んでおこうということだろう。
「遊園地行きたいー」
「動物園は?」
「海外旅行行くんだー」
「いいなー」
みんな、遊ぶ気満々だ。友達と遊ぶ人もいたり、彼女持ち、彼氏持ちの人は頑張ったりするんだろうな。そっちの意味で。はあ……。
「なんでそんな顔してるの?」
「え、顔に出てたかな」
「なんか誰かを呪おうとしてるような顔してた」
「無意識だった……」
これは自分に対しての呪いに近いかな。赤崎に対する未練っていうか、そういうものだ。あまり僕は性欲が強くなくて、赤崎に誘われても毎回したことはなかった。それも原因の一つかもしれないな、と考えたから。
「なーんかうじうじ考えてるね。もう過去のことだし、今を楽しもうよ!」
「う、うん」
華奈みたいに吹っ切れることができればいいんだけど。
「ほら、席に着けー」
先生の一言でクラスが静まる。
「明日からゴールデンウィークだが、浮かれすぎないように。休み明けは二年生最初の中間試験だ。成績次第では追試だからな? ちゃんと勉強もしろよ?」
『はーい』
「よし、じゃ解散」
『イエーイ!』
人口密度がどんどん低くなっていく。僕たちも帰ろう。
「あ、そうそう、マイちゃんと合流するから」
「わかった」
昇降口で真唯ちゃんと合流。明日からの予定をたてるため、僕と華奈の部屋に向かう。
◆
部屋で予定を考えているとき。
「わたし、明日からここに泊まってもいいですか?」
「え!? えーと……」
「ゴールデンウィークの間だけなので」
「いいよー」
「いいの!? まあ、華奈がそう言うなら……」
ゴールデンウィークの間だけ、三人暮らしになることが決定した。女子二人に男子一人。僕、耐えられるかな。
「今日は帰るので、夜に電話で話しましょう。あの件について」
「なるほど? それは楽しみだね」
「「ふふふ……」」
真唯ちゃんと華奈が僕を見ながら不敵な笑みを浮かべる。
「うふふ……」
「えへへ……」
……僕、本当に耐えられるかな。
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