幕間 サイドA 今カレと金髪

 春休みの間、毎日のように壊与に愛してもらった。幸せだった。


 春休みが終わりに近付き、もうすぐで始業式。そんなとき、愛してもらっている最中、壊与に言われた。


「やってるときさ、髪が少し邪魔なんだけど」

「あんっ! ──わかった。切るよ」

「切るときさ、髪染めない?」

「ひうっ! ──いい、よ、何色にする」

「黒じゃなければ何でも」

「わかっ、た、あうっ!」


 すぐに美容室に予約して、髪を切ってもらって、染めてもらった。何色にしようか迷ったけど、壊与は暗めの金髪だから、それより少し明るい金髪にした。


「いいじゃん、似合ってる」

「やったあ」


 褒められた。嬉しかった。




 始業式の日、少し早く学校に来て、桜の木を見上げていた。いつも一緒に学校に来ている訳じゃないから、壊与はあとから来る。


(……あ)


 青木がいるのが見えた。特に気にせず、視線を切ろうと思った。でも。


(……誰だろう)


 隣に女の子がいた。かわいかった。

 校舎に入って行く青木たちを見る。目で追いかけていた。


「──おい、アカ!」

「あ、ご、ごめん、壊与」


 なんだろう、この胸のざわめきは。

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