第二十二話 幼馴染と告白問題

 そのまま女子会が始まってしまった。一人女子じゃないけど。


「え、三人って幼馴染なんだ」

「そうなんですよ~」

「最近再会しまして……」

「その頃から片想いなの?」

「翔琉は気付かないんですよ」

「わたしは友達の妹としか思われていないだろうな、と幼いながら理解してました」

「うわあ、それはダメだね。鈍感すぎるね」


 隣で僕の話をされるの気まずいんだけど。


「あの、生徒会の説明しないんですか?」

「ちょっと待って。君の話が面白すぎる」

「ええ……」


 再び話始める会長。僕、いなくてもいいよね。



 ◆



 下校時刻になり、帰路につく。結局、三人の話が終わることはなく、メッセージアプリでコイバナの続きを話すことになっていた。僕、やっぱりいらないよね。


「楽しかった~!」

「あの雰囲気なら大丈夫ですね」

「会長だけで判断されても……」


 あの会長の友達が中心の生徒会だから大丈夫だろうけど。


「生徒会って毎日ありますか?」

「基本的にあるよ。集まって雑談して解散の日もあるけど」


 部活と同等の扱いだから、部活終了時刻までは生徒会室にいるか、生徒会の仕事をしないといけない。仕事がない人は生徒会室で宿題をしたり、ゲームしたりしている。


「要するに暇な人の集まりってこと?」

「……う、うん」


 あながち間違ってないから何も反論できない。


「それなら入っても大丈夫だね」

「安心です」

「なんか心配事でもあるの?」


 強制勧誘が怖いのかな。


「自分で言うのもなんだけど……私、かわいいでしょ?」

「わたしもです」

「あ、うん」

「で、けっこう告白されるの。同じ部活の人とか、同じクラスの人からは特に」

「ストーカーされたこともあるんです」

「え、それは問題じゃ」

「警察が対処してくれました。それはおいといて。自分が好きな人に一番ふさわしいと思い込んでいる人が嫌いなんです」

「なるほど……?」


 モテているのが今なのでよくわからないけど、相当嫌な思いをしたことはわかる。


「自分のことしか考えないで、相手に自分の考えを押し付けるってこと?」

「そういうこと! それで中学のとき、いろいろあったんだ」

「え、大丈夫だった?」

「うん。大人の力も借りたから」


 華奈も真唯ちゃんも、気にしていない顔をしている。……思い出して塞ぎこんだら、助けてあげよう。


「じゃあ、生徒会で嫌な思いをしないように場所を整えないと」

「翔琉が気負う必要ないのに。……そういうところが好き」

「……わたしもです」

「ん? 何か言った?」

「いや、生徒会頑張ろうって! ね!」

「はい!」

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